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第127話 ルビーガルーダの秘密は

「エッ、吉常サン?」


 サクラは一瞬戸惑ったけど。


 それ以上訊かずに、意識を集中させる様子を見せてくれた。


 使ってくれる。

 ヒートプロテクションをルビーガルーダに。


 それを確信したから


「夏海! 10万ボルト! リトライ!」


 もう一度同じことを口にする。


 10万ボルト……

 意図は伝わるだろ。


 ……いや、伝わってくれ!


 その数秒後。


「ミェンイーファンイェンシャンハイ!」


「サンダーボルト!」


 2人の魔法が発動した。


 サクラはヒートプロテクション。

 夏海はサンダーボルト。


 標的は……共にルビーガルーダ。


 俺はさ、気が付いたんだ。

 さっきの再生が……


 僧侶系魔法のヒーリングの結果だってな。


 つまりだ。

 ルビーガルーダは僧侶系魔法を使えるんだよ。


 魔法名を口にしていないのに?


 ……別に要らないだろ。

 元々魔法名を口にするのは、イメージに有利だからだ。


 その気なら「てや!」とか「にゅっ!」でも良いんだよ。

 ルビーガルーダは鳴き声がある。


 だったらそれで充分なはずだ。


 だから俺は思った。

 ルビーガルーダに炎や冷気だけでなく、電撃まで通じないのは


 ランク4僧侶系魔法「サンダープロテクション」のせいなんじゃないかと。

 この戦いの開幕で、ルビーガルーダは鳴き声を出した。

 そのときに、この魔法を使ったんじゃないのかと。


 サンダープロテクションは電撃ダメージを打ち消す魔法。

 発動したら感電その他の電撃ダメージの一切が無効化される。


 もしそうなら……


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、って。


 果たして


 クエエエエエエ!


 ルビーガルーダの絶叫。

 墜落。

 落下音。


 地面に叩きつけられる3メートル近い巨体。


 電撃による感電で、行動不能に陥っている。


 やっぱりだ!

 電撃が効かなかったのは、サンダープロテクションを使っていたからだ!


 火炎と冷気は生来のモノで納得いくけど、雷まで効かないのは変だと思っていたんだよな!

 そういうからくりだったなんて!


 俺は墜落して岩山の地面に叩きつけられ、動けなくなったルビーガルーダに。

 踏み込みざまのニヒムによる大上段斬り下ろしを決めて、それで第7階層の番人の胴体を真っ二つにした。


 俺の剣先がルビーガルーダの胴体を両断し、勢い余ってその下の地面に食い込んだとき。

 その亡骸が塵になって消えた。


 同時に


 あなたは戦士ランク5、学者ランク4になりました。


 頭の中にそんなアナウンスがあった気がした。


 続けて


 あなたは


 戦士ランク5スキル<パワーチャージ>


 学者ランク4スキル<超集中力>


 この2つを手に入れました。


 そんなアナウンスが入ったような感覚があった。


 パワーチャージは気合を入れて精神力を消費することで、瞬発力を瞬間的に急上昇させる能力。

 攻撃以外にも色々応用が利きそうだな。


 そして超集中力は……


 俺は試しに、ニヒムを空高く投げ上げる。


 数メートル上に、恐ろしい切れ味の刀が投げ上げられた。

 ニヒムは空中でクルクル回転している。


 そのままだと、ニヒムがどこに落ちるのかは分からなかった。

 かなり適当に投げたから。


 流石の俺でもそれは無理。

 計算する暇がない


 ……今までは。


 でも、今の俺なら……


 今の俺には、この高く投げ上げられたニヒムが酷くスロウに見えた。

 だからそれがどこに落下するのかをしっかりと計算して割り出すことができ。


 数歩先に素早く動き、落ちて来たニヒムの柄を握り。

 俺はニヒムを地面に落ちる前に綺麗にキャッチすることに成功する。


 ものすごい集中力で、世界をスロウに感じる能力……


 これが、学者ランク4のスキル<超集中力>だ。


 今の俺なら、その気になれば多分銃弾も避けられる。

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更新お疲れ様です。 このブス猫フェイスに「にゅっ!」って言われても、多分見切り無しで有ろうが100%テンプテーション食らわない自信は有りますねww しかしいきなり夏海ちゃんをピカチュ○扱いしたのはそ…
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