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第125話 同時には掛からない!

 俺たちは一斉に散ってルビーガルーダのファイアブレスを躱す。


 ルビーガルーダは頭を振って、俺をまず焼こうと追いかけて来る。


 だけど。


 そこに、サクラの矢が飛ぶ。

 多分、目を狙ったんだと思うんだが


 ルビーガルーダは羽ばたき、ファイアブレスを打ち切ってそれを回避する。


 俺は


「サクラさん霧生! 俺たちに火炎防御と凍結防御を!」


 ルビーガルーダは火炎と吹雪を操ると聞いてる。

 だとすると、多分吹雪のブレスも吐いてくるはず。


 だけど


「それはできまセン!」


 サクラからのまさかの拒否。

 えっ


 そこに夏海の補足説明


「吉常くん! ヒートプロテクションとコールドプロテクションは同時には掛かんないんだよ!」


 焦った感じの夏海の言葉に俺は驚愕する。


 ……初めて聞いた。

 そうだったんだ!


「2つ同時に掛けると、あとカラ掛けた方が有効になり、最初に掛けた方が消えますデス!」


 知らなかった僧侶系魔法の真実。

 属性攻撃防御系の魔法って、1つしか掛からないのか……!


「それでも1つは無視できるブレスがあった方がいいわ! 火炎系をお願い!」


 榎本さんの言葉。

 それに2人は即座に反応した。


「ヒートプロテクション!」


「ミェンイーファンイェンシャンハイ!」


 俺と榎本さん。

 2人に火炎無効化の魔法が掛かる。


「ありがとう!」


 俺たち2人は礼を言い、戦いに臨んだ。




 案の定、ルビーガルーダはその後吹雪のブレスを吐いて来た。

 極低温の冷気のブレスは、岩山を凍結させながら俺たちを追って来る。


 このときサクラと夏海は俺たちとは反対の、コールドプロテクションを自分たちに掛けていた。


 防御できる属性を揃えると、俺たちに浴びせかけるブレスが反対属性一択になってしまう。

 それを避けるためだ。


 ルビーガルーダにそういう判断が出来る知能があった場合、それはまずい。


「ファイアーボール!」


 吹雪のブレスを吐き散らしているルビーガルーダに、飛行状態の夏海が火炎球を撃ち出して攻撃する。


 火炎球はルビーガルーダに着弾し、爆裂。

 ルビーガルーダを紅蓮の炎で飲み込んだ。


 けれど


 ……だよなぁ。


 炎が消えた後に、変わらず飛び続けるルビーガルーダ。

 全くの無傷……。

 火炎のブレスを吐くような化け物が、ファイアーボールでダメージを受けるのは違和感がある。


 この分だと、ブリザードも効かないだろ。


 だったら……


「サンダーボルト!」


 夏海が右手を突き出し、そこから電撃放射を行った。

 それはルビーガルーダを直撃し


 だけど


「えっ」


 ……それも効かなかったんだ。

 悲鳴も洩れない。

 驚愕する夏海。


 雷に打たれたルビーガルーダは2連続で魔法による攻撃を受けたせいか、ターゲットを夏海に定めたようだ。

 全く平然とした感じで。


 夏海は緊張の面持ちでそれを見つめている。


 そしてその次の瞬間。

 夏海は自分に向かって飛んでくるルビーガルーダから逃げるために。

 まるで戦闘機のドックファイトよろしく、ルビーガルーダとの激しい空中戦が避けられなくなった。

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