地獄の炎の王女
第一章:不死の巻物の争奪戦
遥か昔、霊気を操る武道家と魔法使いたちは、永遠の命をもたらすとされる「不死の巻物」を巡って、長きにわたる戦争を繰り広げていた。
魔法使いたちは魔法を、武道家たちは霊気(Qi)を駆使して戦い、双方ともに巻物を手に入れようとした。
戦争の終結後、彼らはそれぞれの道を歩むこととなり、互いに敵対する存在となった。
彼らは「天界の者」と呼ばれ、各々が「不死の巻物」への手がかりとなる結晶の断片を所持していた。
その断片を集めることで、巻物への道を示す地図が完成すると言われている。
赤い惑星の乾いた大地に、一人の男が岩の上で深く瞑想していた。
彼の長い茶色の髪は後ろで束ねられ、静寂の中で心を研ぎ澄ませていた。
突如として、空から光り輝く物体が高速で接近し、地面に激突して大爆発を起こした。
その爆風の中から、黒い鎧を纏い、赤い瞳と短い茶色の髪を持つ女性が姿を現した。
彼女の手には、黒い柄と赤い刃の剣が握られていた。
[名前:ウルスラー]
[地獄の炎の王女]
[五大原初の魔法使いの一人]
男は静かに目を開け、エメラルドのように輝く緑の瞳を彼女に向けた。
「地獄の炎の王女がここに何の用だ?」
ウルスラーは彼に向かって手を伸ばし、鋭く言い放った。
「目的は分かっているはずよ。結晶の断片を渡しなさい。」
「俺には探すべきものなんてない。」
[名前:シアン・ユアン]
[繁栄の王]
[五大天界の霊術師の一人]
「嘘ね!霊術師も魔法使いも、全員が一つずつ持っているはずよ!」
「それなら、俺は異端者ってことになるな。でも本当に持っていないんだ。だから、お姫様はお帰り願えるかな?」
「自ら渡さないなら、力づくで奪うまでよ!」
ウルスラーの瞳が燃えるように輝き、彼女は瞬時にシアンの前に現れ、拳を振り下ろした。
シアンは腕で防御するも、その衝撃で遥か彼方へ吹き飛ばされ、山をも崩壊させた。
ウルスラーは口を開き、炎の魔法を詠唱し始めた。
「秘技・ドラゴンブレス!」
彼女の口から放たれた強力な炎が、山を焼き尽くし、岩をも吹き飛ばした。
その時、上空から声が響いた。
「ここだよ!」
ウルスラーが見上げると、シアンが空中に浮かんでいた。
彼が指を掲げると、ウルスラーの足元から根が生え始め、彼女を拘束しようとした。
第二章:炎と根の攻防
ウルスラーは素早く炎の攻撃を放ち、彼女の前にあったすべてを焼き尽くし、根をも灰にした。
シアンは上空からその光景を見下ろしながら、心の中で考えた。
「どうすればいい?彼女は信じようとしない。今はすべての攻撃を防ぎ、隙を見て彼女を無力化するしかない。」
彼は急速に彼女に接近し、まだ根を攻撃している彼女の隙を突いた。
ウルスラーは彼の接近に気づいたが、反応する間もなく、彼の拳が彼女の顔面を捉え、地面に叩きつけた。
地面はひび割れ、彼女は跳ね返り、再び彼の拳が彼女の腹部を打ち抜いた。
「はああっ!」彼女は叫び、口から血を吐いた。
彼女は再び地面に叩きつけられ、地面はさらに崩壊した。
シアンは素早く彼女の首を掴み、持ち上げ、再び腹部に拳を叩き込んだ。
彼女は遠くへ吹き飛ばされ、山に衝突し、それを崩壊させた。
突然、塵の中から光が輝き、炎の攻撃が彼に向かって放たれた。
「うわっ、やばいな。」シアンは少し驚いたが、すぐに笑みを浮かべた。
「秘技・母なる大樹!」彼は手を前に伸ばし、叫んだ。
地面から巨大な樹が現れ、攻撃を防ごうとしたが、爆発により樹は破壊され、シアンは吹き飛ばされた。
空中で、ウルスラーが突然現れ、炎を纏った拳で彼を打ち据えた。
その衝撃で地面は割れ、大きな岩が飛び散り、シアンは地面に叩きつけられ、大きな音を立てた。
ウルスラーはゆっくりと彼に近づき、目を輝かせながら地面に手を触れた。
「秘技・大樹の芽生え!」彼女が地面に触れると、彼女の足元の地面が震え、ひび割れ、巨大な樹が成長し、彼女をその枝に持ち上げた。
彼女は枝に手を置き、炎を放ち、それが樹全体に広がり、樹を完全に焼き尽くした。
シアンは立ち上がり、焼けた樹の上に立つウルスラーを見上げた。
二人は互いに目を見つめ合い、その瞳は力で輝いていた。
「どうやら、簡単にはいかないようだな。」シアンはつぶやいた。
第三章:紅蓮の空と炎の剣
ウルスラーは静かに手を掲げた。その瞬間、無数の炎が渦を巻きながら空に集まり、炎の剣や火球の形を取り始めた。
空全体が真っ赤に染まり、まるで世界が燃えているかのようだった。千では足りない、万を超える剣と火球が出現した。
「最後の言葉は?」
彼女は真剣な眼差しで問いかけた。
「俺と付き合ってくれない?」
シアンはにやりと笑って答えた。
「死ねええええっ!!」
彼女は顔を真っ赤にしながら叫び、怒りに任せて手を振り下ろした。
その瞬間、すべての火球がシアンに向かって猛スピードで襲いかかった。
シアンは超高速でそれらを次々と防ぎ、火球が地面に落ちるたびに爆発が起き、大地が揺れた。
次は剣の番だった。炎の剣の嵐が彼を狙い、シアンは空中を後方に飛びながら避け続けた。
しかし、攻撃の速度がどんどん上がっていた。
「攻撃の速度が……上がってる?このままじゃ追いつかれる!」
焦るシアンは思考を巡らせ、ついに叫んだ。
「秘技・二重母なる大樹!」
地面から何本もの巨大な樹が立ち上がった。その高さは惑星の外からも見えるほどだった。
炎の剣と火球はその樹々にぶつかり、次々と爆発を起こした。一部は貫通し、焼き尽くしながら樹を破壊していく。
シアンは次々と新たな樹を生み出していく。だが、攻撃の勢いは止まらない。
そんな中、ウルスラーは彼を見下ろし、舌をぺろりと出してから、挑発するように踊った。
「このガキが……!」
シアンは怒りで顔を真っ赤にした。
だが、ウルスラーは再び両手を掲げ、新たな剣を召喚し始めた。
今度は違っていた――ただの炎の剣ではない。
それは、巨大な――いや、先ほどの樹々よりもさらに大きな――炎の大剣だった。
二本の超巨大な剣が天を裂くように、空から現れた。
ウルスラーはすぐにその場を離れるが、根は彼女を追い続けた。