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№8 突如秋の夜長にバトル開始っ!

 秋・・・。


 ピノたち一行は無事、パルム公国への帰還を果たした。

 ・・・のも束の間、新興国であるシャトレー共和国が屈強なチョコ=バッキル将軍を擁し、宣戦を布告したのだった。

 開戦と同時に破竹の勢いで、瞬く間にパルムの領土に侵攻し続けるシャトレー国であった。

 

「虫のいい話だが、すまん。ピノよ戦地に赴き、その力で我が国を救ってくれないか」

 テラオー王はこれまでの経緯もあり、深々と頭を下げた。

「・・・よくてよ。お父様。アタシの育った故郷に他国が侵攻するなんて、もっての他・・・これまでの事は川の流れのように水に流して、あの大きな海のように広い心で・・・海よこの海よ~・・・あ~脱線した。ま、とにかくまかせんしゃい。カレー大好きキレンジャーのへのつっぱりはいらんですよ」

 ピノは膝まづく父の手をとった。

「おおう。我が娘よ。言葉の意味はさっぱり分からないがとにかくすごい自信なのは伝わるぞ」

「お父様、ナイス。さっ!せばすてぃあん、マリー行くわよ」

「御意っ!」

「かしこまりました」

 彼女たちは、早速将軍討伐へと向かった。


 パルム公国随一の広さを持つ、バニラアイス湖を挟んでピノとバッキルは対峙した。

 敵との折衝にあたっていた、せばすてぃあんの早馬が書簡を携え、彼女の元へ戻って

来る。

「せばすてぃあん、無事で良かった」

「姫、私があなたを残して死ねる訳などない」

「ああせばす」

「麗しきピノ」

 見つめ合う瞳と瞳。

「ほほほ、比律賓からボルテスが来ますわね」

「なんのこっちゃだど」

「なんの・・・ナンノって南野よ・・・」

「申し上げます」

 せばすてぃあんはピノとマリーの会話の腰を折り先に進めようとする。

「せばすてぃあん。ごめんなさい。剛麺なさい。思いが時の旅人のようにタイムスリップするの」

「・・・書簡を預かってまいりました」

「読んでみて」

「はい」

 彼は封書を開き朗々と読みはじめる。

「パルム公国が姫ピノ殿に告ぐ。我が軍1万に対し、たった3人で迎え撃つなど愚の骨頂である。しかし我がシャトレー共和国は寛大なる将軍チョコ=バッキル名において、唯一無二の解決策を貴国へ授ける。それはピノ殿が・・・我が・・・・妻となり・・・パルムがシャトレーの属国となる・・・なんだとうっ!バッキル将軍許すまじっ!」

 それまで読みあげていたせばすてぃあんは、激昂のあまり、書簡を粉々に破り捨てた。

「ですわね」

 ピノは静かに目を伏せた。

「んだば、やるど」

 マリーは立ち上がった。

「無論」

 彼は左胸に手をやる。

「オムロン」

 ピノは人差し指を突きあげる。

「?」

 訝し気な二人の目。

「ごめんなさい。剛麺なさい。いざっ!今度は戦争だっ!家な○子2より・・・剛麺なさーい」

 こうして戦いの幕はあがったのだった。


 夜の帳がおり、シャトレーの軍勢が篝火をともす。

 湖を隔てて一触即発の緊張が高まる。

 バッキルは咥え葉巻を地に投げ捨てると、湖の岸に立ち叫んだ。

「パルム公国の姫ピノよ。返答は如何にっ!」

 対岸には人影も無く静まり返っている。

「フン、臆して逃げたかっ!よい、迂回進軍して彼奴等を捕らえよ。姫と女従者は生け捕りにし、男は殺せ。女どもはワシが可愛がってやる」

「将軍っ!」

 見張りの兵士が叫ぶ。

「どうした慌てて」

「湖から接近する物体があります」

「魔物か」

「いえ、人と思われる影が3つ」

「魔法使いか」

「しかし、魔法使いの水渡りの術にしては早すぎます。通常の3倍・・・いえ、30倍のスピードで迫ってきます・・・そんな魔法使いなんていません」

 一人の兵士が腰を抜かし震えながら叫ぶ。

「あいつらだ。パルムの姫と従者ふたり、噂は本当だったんだ。たった3人で一つの国が壊滅寸前まで追い込まれた・・・に、逃げろぅ!」

「馬鹿な事を」

 バッキルは鼻で笑った。

 だが、次の瞬間、彼は恐怖で顔面が凍りつく。

 前衛の兵士たちが一瞬で次々と倒される。

 せばすてぃあんとマリーが高速でシャトレー軍を駆逐していく。

「馬鹿なっ!たった3人で何が出来るっ!」

 壊滅状態の中、将軍は発狂した。

「剛麺遊ばせ」

 パルムの王妃が宙を舞っている。

「美しい」

 バッキルは夜空に舞うピノの姿に思わず見とれる。

「チェックメイトですわ」

 将軍の脳天にピノのかかと落としが炸裂する。

「ぐひいっ!」


 こうして、再び3人の活躍によりパルム公国の危機が救われたのだった。



 即Kоバトルのあき。

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