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スキルをよみ解く転生者〜文字化けスキルは日本語でした〜  作者: よつ葉あき
クリスディアへの道程

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50.【料理人】の常識



「オレ、マリーに酷いこと言っちゃったな……」


そう呟いたのはマリーの弟さんだった。

私たちの後ろに立っていたので、会話が聞こえていたようだ。

そちらを見ると、気まずそうに続ける。



「商売をする訳でもなく、ただ『私が作りたい。子供に手料理を食べさせたい 』

なんて……そんなくだらない理由で、貴重なレシピと料理のやり方を教えてもらうなんて、ありえない。

何か食べたいものがあるなら、俺もいるし、何より義兄さんという凄い料理人も近くにいるのに、自分でやりたいなんて……【料理人】を舐めてるのかよ。て、思ってた 」

「…………まぁ、それが普通の【料理人】の考え方ではあるな」


そう言ってオリバーさんは苦笑する。


マリーの気持ちを「くだらない」って言ったことに、私も正直ムカついた。が冷静になると、彼が言っている事も解る気がする。

私はプロの料理人でもなく、日本なら誰もが知ってるような家庭料理のコツを少し教えただけのつもりだった。だけどこの世界ではプロの【料理人】にとっては、レシピは貴重なものなのだろう。


日本なら、周りに教えてくれる人が居なくても、料理本やテレビ、最近はYou〇ubeやクック〇ッドなどいくらでも情報源がある。

けど、この世界には……ネットはもちろんテレビなどもない。レシピは各店で受け継がれるものでり、簡単に共有されるものではないんだ。

『弟子にもならずに、レシピや技術を教えてもらうなら、それなりの金を払うのが当然だ 』って弟さんに言われたと、マリーも言ってたしね。


「お言葉に甘えて、フライドポテト等を作らせてもらいましたが、本来、そのお店独自のレシピは家族や弟子にしか教えません。でなければ、それなりの対価が必要です」

「でも、フライドポテトなんてカットして揚げただけですよ?」

「それが、逆にいいんですよ。

簡単で【調理】スキルさえ持っていれば作れるからこそ、レシピを売り出せば、多くの【料理人】が購入すると思いますよ。

しかも、作り方次第で平民向けにも貴族向けにもアレンジできるでしょう」

「確かに、ジャガイモは平民向けの食材だけど、肉料理の付け合わせにすれば高級感も出せますね。

細切りのフライドポテトは見た目が地味だけど、皮付きにしたり、カット仕方を変えれば印象も変わりそうですね」


そんな会話をオリバーさんとしていると、弟さんが驚いたように言う。


「よくそんな発想ができますね。……もしかして!

専属料理人だったりするんですか?」


昨日言われたような事を、また言われてしまった。

思わずオリバーさんと、顔を見合わせる。


もしかして、専属料理人というのは、日本でいうと『有名ホテルの料理長』みたいなステータス意味合いがあるのかな?

でも、これらの料理は私が考えたわけじゃない。日本で普通に作られてる料理なだけなのに……なんだか騙してるような申し訳ない気持ちになる。


オリバーさんが、私とリズをみて言う。


「あの……ティアナさん、リズさん。

これからの事を話したいので、おふたりの事を義弟達に伝えても、よろしいでしょうか?」

「はい。ご家族には、ぜひちゃんと話して下さい」

「……え? なんですか、その意味深な感じ」



弟さんは、面白い話だとでも思ったのか興味津々な様子で身を乗り出してきた。


「ティアナさんは、専属料理人なんかじゃない。

この方達は……ヴィリスアーズ家のジルティアーナ様に仕える侍女。お貴族様だ」

「…………は? はぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」


弟さんは、ひときしり叫んだあと、表情を失った。







「美味い!!」



また、部屋にオブシディアンの料理を絶賛する声が響いた。

今回のマリーによる、ナポリタンの食事会は弟さん家族も居たため、オブシディアンは宿の部屋で待機して貰ったのだ。


当然、食いしん坊が「食事なし」で納得するわけがない。


だから、試食の時に本番並にナポリタンを作り、私のマジック(バッグ)に入れといたのだ。

この(バッグ)には時間停止の機能が付いているので、オブシディアンにも出来たてのようなナポリタンを食べさせる事ができたのだ。


本当に便利だわ。ありがたやー。

いや、まさか……それが目的でマジック(バッグ)をくれたのか? とも思ったのだが、便利なのは間違いないので深く考えないことにする。


私は、グラスにアイスペシェルティーを注ぎながら言う。


「オリバーさん……本当に専属料理人として、クリスディアに来てくれるかなぁ」

「大丈夫ですよ」


あの後、私たちは貴族の身分を明かしたことで、話しづらくならないよう退室した。

弟さんは、貴族に対して悪く言うことはなかったが、マリーたちを心配しているのは明らかだった。

その心配については、マリーたちが直接話すと言っていたので、任せることにした。



「ん? オリバー達がクリスディアにくるのか!?」

「うん。引継ぎとかあるだろうから、すぐにではないけどね。

家族みんなでクリスディアに引っ越してくれる予定だよ」

「ふむ。家族で引越し、か……」




次回・・・題名未定です。

やっとこ、ルセルの街から旅立ちます。

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