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スキルをよみ解く転生者〜文字化けスキルは日本語でした〜  作者: よつ葉あき
海の街、クリスディア

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123.ポーションを作ってみよう


「買ってきました!」


戻ってきたエレーネさんが、マジック(バック)からアルカ草をドサリッと出す。


「えっと……こんなに必要?」

「いえ、これだけじゃないです」


……え?


そう思う間にも、次々と出てくる。

宝石のようなキラキラした鉱物、ただ石ころに見えるもの。小瓶に入った何か……アルカ草ではない花や草もある。


──あれ?


その中に見覚えのあるものを見つけ、思わず手を伸ばした。


「ヒール草?」


レーヴェと初めて会った時に見た、ヒール草だった。


「ヒール草はご存知でしたか。中級ポーションの材料になるみたいです」


さっきは、「【錬金術】のレシピは知らない」と言ってたのに......?

疑問に思いながらエレーネさんを見ると、顔の前で本を持っていた。


そこに書いてあったのは──



『錬金術のレシピ(中級編)』



「それ……っ!」

「スキルショップにも寄ってきちゃいました」


本の横から顔を出し、イタズラが成功したかのようにニヤリと笑う。

しかも中級だけじゃない。『錬金術のレシピ』初級、中級、上級と揃えて買ってきてくれたようだ。


「だから、ざっくり材料を確認して、買えるものは買ってきちゃいました」

「さすがエレーネさん! ありがとう!」


私は拍手して称賛すると、エレーネさんは照れくさそうに笑い、「これもオブシディアン様のおかげです」と腰に着けたマジック(バック)を撫でた。

オブシディアンが、私の専属たちにもマジック(バック)を作ってくれたのだ。理由は単純──彼女達も食材等を買いに行くことがある、と知ったから。

マジック(バック)はありがたいが自分の食事のために、貴重なマジック(バック)を大盤振る舞いするオブシディアンにリズは呆れ返っていた。


と、それはさておき、今は【錬金術】よ!

さて、何を作ろう?

……と迷っても仕方ないので、予定通り下級ポーションを作ってみる事にした。


早速、『錬金術のレシピ(初級編)』を手に取り、「下級ポーション」のページを開く。


うん。リズが言った通り材料は3つだけ。


・井戸水

・セージ

・アルカ草


作り方も単純そうだ。



----------------------------------------------------------------------



①鍋にたっぷりの井戸水を入れ、沸騰させる。

②セージとアルカ草を入れ、煮込む。

③ゆっくり魔力を込める。

④井戸水が水色に変化したタイミングで魔力を止めれば完成。


※ 魔力の入れすぎに注意。入れすぎると品質が悪くなります。



----------------------------------------------------------------------




「............。」


魔力の入れすぎとかはよく分からんけど、魔力の事が無ければ、ゆで卵の作り方か? と思うほど簡単だ。


よし! 作ってみよう。Let's(レッツ) 【錬金術】


リズが魔導コンロを出してくれた。

魔導コンロ──側面についた魔石に魔力を込めると、それを動力源に火をつけられる。カセットコンロみたいな物だ。

その上に、これまたエレーネさんが材料と一緒に買ってきてくれた錬金術用の鍋をセットした。


火をつけ、沸騰するのを待つ。


しばらくしてお湯がぐつぐつと煮えはじめた。


「……よし」


セージとアルカ草を入れた。


──ここからが本番だ。魔力を込めよう。

厨房のオーブンに魔力を補充した時のことを思い出す。あの時は一気に染まってしまったから、それよりももっとゆっくり……蛇口の水を全開にするのではなく、ちょろちょろと流すイメージで……


チャッチャチャッチャ~♪


「え!?」


突然、どこからか軽快な音楽が流れ始めた。

驚いて反射的に魔力を止める。

すると──音楽もピタリと止まった。


「な、なに今の……?」


戸惑いながら、部屋を見渡す。

けれど、音楽を流すような物は見当たらない。


「どうかされたんですか?」

「いや、今……なんか音楽が流れたよね?」


私の言葉を確認するようにリズがエレーネさんを見る。しかし「私にも、何も聞こえませんでした」と首を振った。


「ええー……音楽が聞こえたの、私だけ?」


でもさっきの音楽、短かったけど……どこかで聞いた事があるような……。


考えても仕方ない。とにかく、ポーションを一度作ってみよう。

再び、魔力を流す──


チャッチャチャッチャ~


「!?」


やっぱり音楽が流れた! 今度は魔力を流すことは止めず、周りを見回す。

けれど、やはり音の出どころは確認できない。

魔力を流し続ければ、音楽も続く。



──この、曲って……



チャチャチャチャチャンっ! チャララランっ♪


「チャラララン♪」と音がした瞬間、鍋の中のお湯が水色が変わった!


同時に、魔力を流すのを止める。


すると──


『上手にできましたー♪』


どこからともなく、そんな高い声が聞こえ、ハッとする。


これって──


家庭用ゲームソフト『錬金術師になろう』で、アイテム作成時に流れるBGMじゃん!!


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