第七話
何かを感じる。何かがこちらに近づいて来ようとしている。何かが……
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視界がぼやけている。ここはベッドの上だ。俺は何をしていたんだっけ…
「羽賀威信、ようやく起きましたか」
「メガミィ…これって…」
「貴方は3日間休まず修行をしていた反動で倒れ、丸2日寝たきりでした。あの女騎士が城の救護室まで貴方を運んでくれましたよ」
丸2日ってことは…
「トラックが来るのは…」
「そうです。2日後です」
「えーーーーーーーーーー!!!!!!?!??????」
なんて不甲斐ないんだ。俺は家族のために復讐を誓ったのに、トラックが来るまでの限られた時間を呑気に寝て過ごしていただなんて。
「ところで、かなりうなされていましたが体調はもう大丈夫なのですか?」
「ああ、それは…」
俺は夢で感じた気配について話した。
「それはおそらくトラックの転生を無意識下で感じているのではないでしょうか。転生者には転生者特有の波長を感じる力があると聞きます。かなりイレギュラーな物なので真偽はわかりませんが…」
俺もこっちに来てから短いので何が正しいかはわからない。ただ、わかることは、2日後までにレベルをもっと上げなければ、家族の仇を討つことはできないということだ。
バンッ!
ドアが勢いよく開く音が聞こえる。
「威信君!物音が聞こえると思って来てみたら、目が覚めたのか!よかった…」
「ナキシィ!俺を運んでくれたんだってな。本当にありがとう。助かったよ」
「いやいや、気にしないでくれ。こちらからしてみれば君だけが世界の希望なんだ。王国では戦える者で部隊を編成し、民は地下へと避難させた。しかしわかっているよ。こんなことをしても気休め程度にもならない。頼りきりでこんなことを言うのは本当に情けないのだが、君の力が必要なんだ!」
俺は家族の仇を討つことで頭がいっぱいになっていた。しかし、ナキシィの言葉は、俺が王国の無辜の民の命運を担っているということを改めて気づかせてナキシィのおっぱいでっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
倒れた俺を心配してこんな深夜になっても様子を見に来てくれていたのだろう。そして、こんな時間まで鎧を着ている騎士などいるわけがない。つまり寝巻きなのだ。鎧を脱いだナキシィのおっぱいはあのエリーと同等、いや、それ以上の可能性もあるほどの大きさだったのだ。俺はおっぱいで頭がいっぱいだ。今度2人が近くにいる時に見比べてみよ…………ハッ!!
まずい。世界を救わねば。
俺は自分の性欲を破壊した。
「威信君どうしたんだ!?まだ体が良くなっていないのではないか?」
「…………」
「威信君?」
「心配してくれてありがとう。俺はもう大丈夫だ」
そう言い、俺は立ち上がる。
「この辺りで、強いモンスターが多く出る最も危険な場所へ案内してくれないか。俺は……絶対にトラックを倒してみせるから」
「君に頼らないと何もできない自分が情けないよ。わかった」
ありがたい。もうトラックに誰も殺させやしない。俺がみんなを救ってみせる。
「だがその前に、私の手料理を食べてくれ。また倒れられても困るしな」