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第三話

 ドゴォーン


 轟音と共に俺はナラウの地へ降り立った。

 俺を中心とした半径3m程度の大きく抉れた円を除いて、辺り一面木が生茂っている。多分俺が強すぎて、俺の周りの地面を衝撃波で抉ってしまったんだろう。


「あー、もう!急に何の音よ!ただでさえ強い魔物に囲まれてるのに!」

「くっ…敵の増援か……?これ以上は私達でも……」

「もう勘弁してくださいぃぃぃ」


 森の奥から、女性の声と戦いの音がうっすらと聞こえる。これが、メガミィの言っていた魔物に襲われている人達か?


「ほら、早く行ってください!」

「うわっ!?メガミィ!?」

「私はこの世界の管理者です。直接ナラウに降り立つ事はできませんが、神の声として人々を導く事はできます。それより!早く魔物に襲われている者達を助けに行ってください!」

「わ、わかった」


 俺は音のする方へと向かう。


「この森の魔物は強いとはいえ、破壊神である貴方よりは弱いです。つまり、貴方が『破壊してやる』と念じさえすれば必ず倒す事ができます。但し、破壊するには対象をしっかりと認識している必要があります。少なくとも、その目で見ないといけません」

「だったら魔物の所に直接送ってくれればよかったのに」

「貴方はこの地に降り立った時に、衝撃波で地を抉った事を忘れたのですか?人の居る場所に送ってしまえば、間違いなく死者が出るでしょう」


 会話をしながら進むにつれて、戦いの音は大きくなってゆく。もう目的の場所は目の前だ。


「そこまでだ!」


 決め台詞を放ち、3人の女性を囲む大型の魔物達の気を引く。


「助かるわ!そこのあんた、ちょっと手を貸してちょうだい!」

「ありがたい……しかし、王国最強の騎士である私でも敵わぬ相手、武器も持たぬ者が一人来たところで戦局が変わるとは思えない……」

「誰でもいいから助けてくださいぃぃ」

「大丈夫だ!今助けてやる!」


 俺は満面の笑顔を見せ、3人を安心させる。


 キュン!


 三人が恋に落ちる音がした。


「あァン!?この森は俺様達、トロール族の縄張りだァ!入ってきた奴は誰であろうと生かしちゃおけねぇよなァ!?」

「ケハハハハ!エサが増えたぞ!」

「全部で5、6……7体か。初めての戦いにしては数が多いな」


 そう言い、俺は一歩一歩トロール達に近づく。


「はァ?初めてェ?そんなんで俺様達に勝てると思ってんのかァ!?」

「ああ、勝てるさ。俺は破壊神だからな」

「何言ってン……」


 




「Destroy of the mountain」






 心の中で破壊を強く念じそう唱えた。すると……


「「「グワアアアアァァァァ!!!!」」」


 トロール達は次々と悲鳴を上げ弾け飛んだ。


「Destroy……completed」


 3人の女性も最初は呆気に取られていたが、次第に状況を飲み込み、表情が輝き始める。


「あんた、何者よ!?手も触れずにあいつらを倒すなんて!」

「感謝する。本当に強いのだな、君は」

「ありがどうございまずぅぅっ。死ぬがどおもっだぁぁぁ」


 破壊神というジョブはどうやら本当にとんでもない力を持つようだ。


「羽賀 威信、破壊に必要な物は、対称の認識と心で念じる事だけ。あのような詠唱は不要です。というかダサいです」

「か、かっこいいだろうが………」

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