第十一話
パーティはデジャーンの内奥へと進軍を続ける。気がつくと4人は息の合った連携ができるようになっていた
「ふぇぇぇ、精霊さん、力をぉぉ」
エリーの魔法が周囲を照らすと、モンスターの姿が露わとなり破壊神の力の条件を満たす。
「威信!後方右!3体!」
「OK!destroy!」
カイの探知魔法が死角からの襲を知らせる。
「くっ……殺せ……」
ナキシィは定番のくっころ騎士を演じ、下卑たゴブリンを誘き寄せレベル上げの効率化を図る。
破壊
「ワフォォォォォォ!!!ぐえっ」
破壊
「シャーーーッッッ!!!うわー」
破壊
「ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!ぅにゅー」
4人は止まらない。殲滅を終えるまで。
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「まさか、威信の力があればデジャーンのモンスターをぜーんぶ駆除できちゃうなんてね。いつも命懸けで戦ってたんだけど、私たち」
一行はデジャーンを後にし、馬に乗って王国へ帰還している。半日、それがデジャーンのモンスターを狩り尽くすのにかかった時間だ。
「すごいですぅ!なんか私たち、信じられないほど強くなっているような気がするんですけどぉ?生態系に悪影響がないかだけ心配ですが」
「……そんなこと気にしている場合ではないだろう。世界の危機なんだぞ」
ナキシィが気丈に振る舞おうとするが、その声には隠しきれない不安が滲んでいた。トラックが来る。その恐怖から目を背けることは、誰にもできなかった。
「……女神さまぁ〜、私たちって今レベル何ですかぁ〜?」
馬上で揺られながら、気の抜けた声でエリーが尋ねる。
『そうですね、羽賀威信がレベル83、その他の皆さんは大体レベル110ですね』
「嘘でしょ!?生きているうちに3桁レベルになれる人なんて、御伽話にしかいないのに!」
どうやら我々はこの世界基準では至高の領域に到達してしまったらしい。本来であればもはや敵などいないのだろう。
「なあ、メガミィ。このレベルでトラックに勝てるのか?」
『それは……わかりません』
「そうか……」
俺は短く答え、視線を前に戻した。 レベル3桁の仲間たちと、レベル83の破壊神。これだけの戦力を揃えてもなお、勝利は保証されない。
とりあえず帰ったら少し寝よう。睡眠欲を破壊した今、意識的に休息を取らねばどこかで体がダメになる。俺は、トラックを倒せるのだろうか。家族の仇を討てるのだろうか。そんな不安が頭をよぎる。
トラック転生まで、あと1日




