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夢のその先へ  作者: zzz
【再会の章】
3/23

第2日 彼と私の旅の終着点

 




「う〜ん、やっぱり馬車って長時間は辛いわよね」




 ワイワイガヤガヤ賑やかな人々の笑い声と喧騒の中、彼女は久し振りの大地に降り立った。


 緩い曲線を描くハーフアップに束ねたチョコレートブラウンの髪。

 道の先を見つめる瞳はまるで蜂蜜のように濃い黄金(こがね)色。


 長旅を終え、世話になった馬車に挨拶をして踏み出した大地は森の都と称される彼女の故郷、ガルシア王国の王都トレシャス。



「手紙はもうローの所に届いたかな?」



 口元は弧を描きひとり笑う彼女は機嫌良く目的地へと歩みを進める。

 呟いた言葉と共に脳裏に浮かび上がるのはもう長いこと会っていない幼馴染の顔。

 あの輝かしい金穂の髪と澄んだ深海を連想させる深い紺碧の瞳は今どんな色を浮かべているのだろうか。



 互いの夢を交わし、託した大切な幼馴染の男の子。




 彼女――【アイビー・ダノン】は自らが所属する医師薬師協会・ガルシア王国王都トレシャス支部の扉を潜り夢の一歩を踏み出した……。














 *





「えっとー、ここら辺なんだけど……」



 キョロキョロと辺りを見回して渡された地図と現在地を照らし合わせる。


 アイビーは薬師兼医師として幼い頃から修行を重ねやっと師である男性から一人前として独り立ちの許可を貰った。既に女性としては行き遅れの年齢になってしまったが、長年の夢である師匠と同じ医薬師として店を構える事になったのだ。



 薬師と医師は同じ様に思えるが明確な線引きがあり、薬師は内科、医師は外科として領分が分かれていた。

 勿論、明確に分かれていたとしてもどちらの知識も技も必要でありその二つを極めた者がスペシャリストとして“医薬師”としての称号を得ることが出来る。

 名だたる医薬師の中で最年少でその称号を得た男に師事し十数年余り。同じ様に最年少十六歳でその称号を得たアイビーはそれから数年師匠と共に旅をした。


 アイビーが遍歴医でもあった師匠とこの国を旅立ったのはまだたった六歳の時。

 それから十五年。


 今年二十一歳になるアイビーは久し振りに訪れた王都で現在進行形で迷っていたのだった。







「うーん?こっち?いや、こっちかなぁ?」



 一人前として店を出す事になったは良いが、故郷の村では既に薬師をしていた両親の後任がおり邪魔をしてはいけないと断念。

 ならば、とせめてガルシア王国のどこかにと考えていた所珍しく、本当に!珍しい事に師匠が伝手を使って紹介してくれたのだ。

 しかもまさかの王都トレシャスで、だ。

 件の店は薬師のお婆さんが王都の路地裏で営んでいた薬屋。お歳を召した事を理由に現役を引退するというので店を継いでくれる人を探していたらしい。


 傍若無人で唯我独尊な師匠がこんなことをしてくれるなんて!と感動したは良いがその後で零した言葉が頂けない。



『これで迷宮産の薬草類も自由に手に入るな』と独り立ちした筈の弟子を使う(パシる)気満々だった。



 迷宮とは王都トレシャスに存在する摩訶不思議な構造物を指す。

 トレシャスにある迷宮は地下型と呼ばれ地面の下に広く深く存在する物だ。

 他にも塔のように天高くそびえ立つ迷宮もあれば、入り口が隠された形で平地に存在するのもありその形や地形は千差万別。


 ただ全ての迷宮に共通するのはそれぞれに階層が存在し、魔物が犇めき独自の生態系を持つ事。金銀財宝が発掘、発見される事。


 それらを踏破したり、財宝目当てに迷宮に入る事を生業にしている者もいる。冒険者と呼ばれるのがそれだ。


 それは兎も角、迷宮には独自の生態系によって珍しい薬草や希少なものも多数存在し、師匠はそれが目当てだったらしい。

 いや、それが本心なのかは師匠のみぞ知るというものだが。長年側にいたアイビーは九割方はそうだと思っている……残り一割はアイビーと幼馴染であるロー……ロイド・アレンへのご褒美といった所か。



 交した約束を知っている師匠が、今は亡きアイビーとロイドの両親を看取った師匠が僅かに溢した親心。


 素直じゃないんだから、とアイビーは今は遠く離れた地で相変わらず周囲を振り回し患者の治療をしているだろう師匠の顔を思い浮かべて一つのため息を零した。
















「――あった!水花と柄杓の印……ここかな?」



 そんな取り留めのない事を考えながら地図とにらめっこして見つけた看板。

 建物に遮られた日差しが影を落とす路地裏の奥にそれはあった。



 水花と柄杓の印は薬師の印。



 神話の一つ。

 癒しを司る女神ルーデントルワがそれを用いて病と怪我を治したと言われる奇跡の六花弁の水花。

 それを育てる為の水を掬う柄杓が共に描かれるのは薬師。

 それを刈り取る鋏が共に描かれるのは医師の印だった。



 医師と薬師の成り立ちは女神ルーデントルワの信徒とされる。

 元々癒し――つまりは病や怪我の治療を司るルーデントルワの信者がそれぞれの分野を開拓し、世界に広めたのが始まりだ。

 そして医師や薬師は全てルーデントルワ教の信者となり、その技と知識を学ぶ。



『怪我に、病に、倒れた者居いれば何処へでもいざ往かん。我は治すもの。我は助くもの。弱き声を今聴き届けん』



 そう言葉を遺した現世に顕現したとされる女神。


 国境を越え、立場や文化の垣根を取り払い治療を望むものには癒やしの救いの手を。


 この世界で医師や薬師は協会と呼ばれる相互介助組織に属し、如何なる権力も立場も関わる事が無い。

 人の命を左右する存在でもある彼らには如何なる存在もその立場を脅かす事は禁止されているのだ。



 そんな協会所属を表す看板にアイビーは恐る恐る近付いた。




「すみませーん!誰か居ますかー?」



 看板が下がる店先は小さな空の鉢植えが並びどこが寂しい雰囲気を漂わせる。

 枯れ葉が少し積もるたった数段の短い階段を上がった先。

『close』と描かれた板が下がる黒い木材で作られた扉をノックし声を上げた。




「――はいはい、開いておりますからどうぞお入りなさい」



 分厚い扉にも関わらず耳元で聞こえた老人の声。

 視界に映ったキラキラと光る煌めきを見てアイビーは笑みを浮かべた。



「失礼します」



 ギィと蝶番が軋む音を立てて開いた先。

 少し埃被った棚の奥に彼女はいた。


 白い髪に緑色の瞳。


 聞いていた年齢よりは若く見えるがそれでも老人特有の折れ曲がった背中。

 年齢を重ねた顔にはにこやかに笑みが刻まれアイビーを迎えた。




「貴女がアイビーさんね?」


「はい。初めまして。アイビー・ダノンと申します。貴女がシャルル・ナニータさんですか?」


「そう、私がシャルルよ。貴女の噂はかねがね聞いているわ」



 キラリ、キラリ、光を反射し煌めく粒子は決して埃などでは無い。



「なるほど。確かに腕は聞いていた通り、上手く使いこなせているみたいだねぇ」



 喜ばしい。と笑み崩れる老婆を目の前にアイビーは照れたようにはにかんだ。




「この通り耳も遠くて余り声も出せなくてねぇ、精霊を使った会話でごめんなさいね」


「いえ、気にしないでください」



 キラキラ、キラリ、光るそれは風の囁き。

 音を届ける技にアイビーは同じ様に力を使う。



 人はそれぞれ必ず魔力と呼ばれる力を秘めている。

 大小の差はあれども生命あるモノは必ず魔力を持っているのだ。

 だが稀に魔力とは少し異なる力を宿す者がいた。

 その力は魔力とは似て非なるものであり、神々の力に近い属性を秘めている故に聖なる力――聖力と呼ばれていた。


 魔力を使い術として起こすのが魔法。そして聖力を使い技とするのが聖法とされている。


 しかし魔力さえあれば比較的簡単に扱える魔法とは異なり聖法は聖力があれば良いという訳では無く、あくまで神に捧げる力という意味合いが強い。

 その為、聖法は力を対価に精霊と呼ばれる自然を司るモノを使役する“精霊術”と一般的には呼ばれていた。


 精霊術を扱う為には身体のどこかに女神ルーデントルワの紋章を刻む。

 聖力の通り道として、そして精霊に、そして癒やしの力を授けてくれる女神に、力を捧げる祭壇の役割を果たす紋章の位置はそれぞれ流派によって異なっていた。


 アイビーは両手の甲に。老婆にはその両手の指先に刻まれるそれ。


 癒やしの女神ルーデントルワの信者であり、信徒を表す紋章は医師、薬師の証でもあった。


 そして精霊術を手足のように操る事が一人前の大前提であった。それ故にその頂点の医薬師は“精霊の司”とも呼ばれている。




「あの坊やが弟子を取っているとは驚いたもんだが……中々、ちゃんと鍛えてるみたいで嬉しいわねぇ」


「その分、随分な目にも合いましたけど……」



 坊や、と老婆が呼ぶのはアイビーの師匠の事だろう。

 ついアイビーは過去の師匠の無茶振りを思い出しては心の中で涙を零す。その目が遠くを見るようなものになってしまったのは仕方ないことだった。

 そんな()()師匠を坊や呼ばわりできる老婆に内心緊張しながらアイビーは改めて老婆――シャルルの前に立った。




「この度のお話、本当に良いんですか?」



 挨拶や世間話もそこそこ、店となっている部分の奥に通されたアイビーは出されたお茶を手に唐突に切り出した。


 詳しくは見ていないがざっと見た限り先程の店舗部分はとても広く、大きな棚や広いカウンター、しかも隅には簡単なテーブルと椅子が置かれ休憩場所もあった。

 しかも奥の扉を開ければ本格的な診察台とこれまた広い調合用の場所。


 話を聞いた限り二階は居住区として四つの部屋とキッチン。風呂とトイレは別で存在し、しかも地下倉庫や中庭まである。


 店の周りは背の高い木々に囲まれ外から中の様子が見えないようになっており、通りから見れば普通の一軒家のような店構えだが奥行きが広くL字型の建物は一個人の店には到底見えなかった。


 建物としての価値もお店としての価値もアイビーが想像している以上にあるだろう。

 路地裏の立地を鑑みても売れば数年は遊んで暮らせる位にはなると予想しアイビーはシャルルに尋ねた。




「ふふっ、そうねぇこの店を売れば少しは娘夫婦に楽させてやれるかも知れないねぇ」



 真摯に尋ねるアイビーにシャルルは笑う。


 シャルルは薬師として現役を引退してからは娘夫婦の所に身を寄せていた。

 その知識や技は今だ現役でも思う様に動かぬ身体は誤魔化しようが無い。


 年寄りになったと実感してしまうその軋む身体。重いものは持てず、握力も無くなり薬の調合もままならない。耳は遠くなり聞こえづらくなり、声も掠れて張ることが難しくなった。


 今までは精霊術で何とか補って来たが、そろそろ限界を感じていた。


 だからこその引退。今まで薬師として第一線を走って来たシャルルだが、現実は無情にも彼女の限界を示していた。




「でもねぇ、アイビーちゃん。私は薬師なのよ、誰がなんと言おうと……その為に全てを捧げて来たわ」



 薬師として一人前なっても我武者羅に学び、教え、新しい薬を開発し病に対する治療法を模索し続けてきた。

 愛する人と結婚しても、妊娠しても、子を産んでも、子を育てながらも薬師として人生を歩んで来た。


 夫に先立たれて久しく、仲間も友人も天寿を全うしていく者の方が多い。


 それでもシャルルは薬師として、敬虔なルーデントルワの信徒としての義務とその信念を貫いてきた。



「お金なんて他で稼げばいい。やりようはいくらでもあるんだから。だからねぇ、薬師として、この誇りを、私の人生が詰まったこの店を託すなら同じ薬師が良かったのよ。それに、その頂点の医薬師なら諸手を上げて歓迎するわ」



 アイビーはこの店を無料で譲って貰う条件をいくつか提示されていた。



 一つ、この店を好きにして良い代わりに販売する薬の価格はシャルルの薬と同じ価格帯にする事。


 二つ、この店の長年の常連達の治療等を引き続き行うこと。


 三つ、どんな身分の者にでも望まれれば治療の拒否、薬の売買を拒絶しない事。(違法薬や麻薬、媚薬、興奮剤などは除外)


 四つ、いつ何時でも病に倒れた者、傷付いた者を治療する事。


 そんなたった四つがアイビーがシャルルの店を貰い受ける条件だった。



 アイビーにとってはこれだけなの?と驚くほどの簡単な条件。寧ろ当たり前だと思う程のものさえある。


 だが、これが大事で難しいのだとシャルルは告げる。




「アイビーちゃんはあの坊やと一緒に色んな国を見てきたんでしょう?」


「はい。たぶんこの十五年間で大体の国は周ったと思います」


「だからこの条件はすごく簡単な事だって言えるけど、悲しい事に私達薬師もそして医師もルーデントルワの教えを、反故にする者もいるのよ」


「それは――“欲流者”の事ですか?」



 それは地位に、権力に、金に、名声に、人の欲望に流されその知識や技を己の為に使う者のことを指す言葉。

 それらに関与せずただ傷付いた者達を治療する事を掲げるルーデントルワ教の教えに背く違反者。


 地位に固執し患者の差別をするもの。

 権力を望み国と癒着するもの。

 金を望み法外な治療費をせしめるもの。

 名声の為に人の研究を奪うもの。

 自らの探究心を満たすだけに人を傷付けるもの。


 それらを総じてルーデントルワ教及び協会では欲望に流される者――“よくりゅう者”と蔑称していた。



 それらは王都で数少なく無いのだとシャルルは言う。





「私が引退を決めてから随分とこの店を欲しがる者が多かったわ。でもね、でも、皆この条件に文句を言うの……やれ『ここは王都なんだからこれぐらいの値段が妥当だろう』と私の薬の何十倍の値段にしたり、『なんで他人の患者を見なきゃいけないんだ』とか『金を積まれたんだから』って麻薬同然の薬を売ろうとしたり、『何故貧民街の奴なんか診なきゃならん』って言ったり、『他人に邪魔されるなんて我慢ならん』って馬鹿みたいでしょ?医師の癖に患者が呼んでいるのにそれを拒否するなんて医師免許剥奪してやろうかと思ったわ」


「……」


「でもアイビーちゃんは違うでしょ?貴女から提示された販売価格の設定表は寧ろ私の薬より安かった。坊やからも色々話を聞いたわ。どんなに不眠不休でも泣く声一つ聞き逃さず駆け付けるんですって?奴隷だろうが王族だろうが分け隔てなく順番に診て的確な診断を下し、他の医師や薬師が匙を投げた患者を最後まで診て、そして見届けたって……だから私は貴女なら、ううん、貴女だからこそこの店をあげたいと、引き継いで貰いたいと思ったの」


「シャルルさん……」


「だからね?お願いしても良いかしら、この店を」



 私の想いを、託しても良いかしら。




 そう告げるシャルルにアイビーはその皺くちゃの傷だらけの手を掴んだ。

 幾つもの命を救った尊い手を握り大きく頷く。



「勿論です!私は決して患者を見捨てはしません。差別しません。それは両親がそうだったから。師匠がそうあったから。それを見てきたからこそ私はそうなりたいと夢見てここまで来ました」



 阿鼻叫喚の光景を見た戦争の中で、

 流行り病や新種の病気が猛威を振るう中で、

 飢えの辛さと寒さに震える中で、


 人間の欲望の強さに、汚さに、絶望を抱いても

 人間の精神の弱さに、脆さに、慟哭を叫んでも



 それでもアイビーは挫けなかった。


 否、挫ける事は許されなかった。



 それは――



「私は大切な幼馴染と約束したんです」


「約束?」


「『彼の夢は私の夢、そして私の夢は彼の夢』そう約束して夢を交わしたんです。だから私は彼に顔向け出来ないような事はしません。だって私のこの夢は、彼の……ローの夢でもあるから」


「そう、とても素敵な約束ね」


「彼はもう騎士になる夢を叶えました。だから今度は私が夢を叶える番なんです!だからっシャルルさんが良いと仰ってくれるならばこの店を受け継いでも良いですか?シャルルさんの想いを受け取ってもいいですか?」



 アイビーはいくら医薬師としての称号を得たとしてもまだまだ若い。知識や経験を十分持っていたとしても積み重ねた月日はシャルルには遥かに劣る。

 それでも良いか?と不安を覗かせる少女にシャルルは満面の笑顔で喜びを露わにした。




「――勿論よ。宜しくね?アイビーちゃん」


「はい!」





 ――こうしてアイビーは王都トレシャスにて店を構える事になった。



 その噂は協会にて随分と話題となった。



 それはアイビーが店を持った事以上にその前任者であり、薬師シャルルの店という事が問題だった。





 路地裏にありながらも王族さえも御用達の店。

 老若男女身分の貴賎を問わず患者の為だけに薬を作る女神ルーデントルワの使徒。

 知る人ぞ知る薬師でありながら“精霊の司”と呼ばれる女傑。


【シャルル・ナニータ】



 既存の薬の改良、新薬開発の第一人者であり、死病と呼ばれていた治療不可能の病気の原因を突き止め様々な治療法の考案、公衆衛生の提唱。

 希少薬草の処理方法を発案など協会の礎の一つを作り上げた偉大な人物。



 その後継者として、アイビーは一躍有名になったのだった……。












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