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夢のその先へ  作者: zzz
【再会の章】
1/23

第0日 私と俺の約束の日

 




 ――風が木々を揺らして吹き抜ける。


 さわり、さわり、木の葉が囁き穏やかな陽だまりの中、人気の無い花畑で笑い合うのは二人の子供。




『約束――あなたの夢はわたしの夢よ』

『分かった。おれの夢はお前の夢、そして――お前の夢もおれの夢だ』



『『だから、一人で諦めるのは許さない』』



 約束。と互いに絡めた小さな小指。

 クスクスと二人だけの世界で満ちる笑い声は優しく世界に響いた。



『忘れないで、わたしの願いを』

『忘れるな、おれの願いを』



 互いのおでこに優しく落とす口付け。

 こつりと合わせた互いの額。

 陽だまりの中でも感じる互いの温もり。



『約束だからな?』

『約束だからね?』



 それが二人の別れの言葉だった。




 ――少女は故郷を離れ、辛く険しい旅に出た。

 幼い手を師と仰いだ男に引かれて……。

 旅のお供は両親の形見の耳飾りと少ない荷物。


 そして幼馴染の少年と交わした約束。



 ――少年は辛く厳しい鍛錬に励んだ。

 夢を語るその言葉を違えることが無いように。

 学べるものは貪欲に、知識を、技を、生き残る為には何でもした。


 彼の心を支えたのは両親の形見の耳飾りと少女との約束。





 やがて、時は流れ――約十五年の月日が経った。










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