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ネバーランドアンフラーゲ  作者: 水無月 彩
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ー 夢裏の林檎時計 ー

✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


「いらっしゃい、レディ」


ドアの奥にいたのは一見真面目そうと思わせる格好の男性だった。

『レディ』って……日常で使う人いるんだ。


銀髪にモノクルに白手袋……どっかの貴族にいそう。伯爵的な……。



「君は初めてかな?」


「はい、そうです」

初めて感漂わせてたか。質問する手間が省けて助かったけど。

「ふむ、依頼される前に注意事項だ。 此処の事はどれ位知ってる?」

「……一日一回だけ依頼が出来るということは」


「うん、それが基本である事は分かっているようだ。 あとは、それが『正夢になる』ことかな」


「ふぅん…………えっ、まっ!?」


……冗談だよね?夢の中の話だよね!?


「おや? 驚くことかい? 君にとっては得しかないと思うのだが……」

顎に手を当てて首を傾げる姿も上品だ。この人、少しズレてる所あるんじゃないか?



「ほ、本当に現実に表れるの?」

「ええ。 もし君が『死神屋』に人の死を望めば、現世でその人を殺すことができる。跡も残さない故、貴方が疑われることはない」

人差し指を立てて微笑む男性。

それに反して、私はゾッとする。その笑みが微笑みな訳が無い。

例えが人殺しって……。



「最初に私『時間屋』を選んだのは良い判断だ」

「は、はぁ……」

……と言われても、よく分からなかったから適当に選んだというのが正直な話である。


時間屋は、自分の首に下げられた懐中時計を私の目の前に出す。

「貴方の過去か未来、どちらを変える? それとも今の時間かな? ……ああ、時間を止めることも可だ」


「私は他人の時間をも操ることが出来るよ。 さあ、短い夜が明けぬうちに依頼をどうぞ」


「うーん……じゃあ、私がこの夜の時間を長くしてくれと言ったら?」


保険はかけておきたい。冗談で言ってみただけ。

「いつも起きる時間になってもまだ夜ということになる。 ……だが、依頼は回数制限がある。 もっと面白いことをしよう?」


時間屋は口角を上げた。楽しくて仕方が無いというように。


「んー」

顎に手を当てる。

時間、ね……。


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