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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

汚れなき狂気

作者: 八衣風巻

以前投稿していたものと同タイトルですが、中身はほぼ別物と考えていいです。

恐らくこれは夢だろう。私の本能というものがそれを教えてくれる。たしか明晰夢といったはずだ。

私は広野に立っていた。そうだ、なにもない荒野だ。しかし、ここに意味がないところだとは到底思えない。私にとってとてつもなく大事なものが隠されている気がする。

空に浮かぶは赤い月。まさに血で色を塗ったかのように真っ赤だ。赤い月は私に力を、でも私はそれを見たことなど数度しかない。それは私の唯一の肉親である姉の仕業だ。

私の能力を危ぶんで私を後百年近く幽閉している、クズで優しくて憎くて愛おしいお姉さま。

気がついたのだが、どうやら曇り空なようだ。しかし妙に明るい。いや、私がこれをおかしいと思うのもおかしい話だ。こんな明るい空の下を歩くことなど皆無だったから。

でもこの灰色はなんだか居心地が悪い。嫌いではないけど、慣れるまで時間がかかる気がする。まるで生き物のように意識を持っているようで、反射的に破壊しそうになったが、私はそれを押し止めた。

しかし私はこんなに自制が効いただろうか。いつもならここから訳がわからなくなって気持ちよくなって悲しくなって、苦しくなって、そして身が覚めたらあいつの顔が見えるのだ。腹立たしい、憐憫のこもった目で、時にはまるで無表情で感情を圧し殺した目で。

そんなことをぐるぐる頭で回していても、雲はその灰色の身体で地表に覆い被さろうとしてくる。まるでメルヘンだが、そんなことは勘弁願いたい。あんな気持ちの悪いものが私に触れることなど論外だ。

ふと意識を戻すと、目の前に檻があった。真っ黒で私でもとても壊せそうにないほど頑丈で頑なな檻。もしかしたらここはサーカスの中かもしれないと思ったら、一瞬のうちに風景がガラッと変わった。テントの内部のような印象で、私が外のことを知る唯一の手段である本で見た、大きくて人がたくさん入りそうな場所だ。

もしかしたら牢獄かもしれない。そしたらまた視界が巡った。石造りの廊下だった。明かりもなく窓の代わりに鋼鉄の柵が嵌め込んである狭い牢屋が私の目の前にあった。外から赤い月の光が流れ込んでいる。

いや、これはこんな場所には不釣り合いだ、と思ったその時には私は元の荒野へと戻ってきていた。

最初檻の中は空だと思っていたけど、そうじゃなかった。私が無視していたわけでもなく、ただ認識できていなかった。気がつかなかっただけだ。

中には一匹の獣が丸くうずくまっていた。果たしてあれはなんだっただろうか。ライオンか、虎か、ワニか、あまりにも知識不足な私には判別がつかなかったが、それは扱いを少しでも間違えたら命の保証はないということだけは理解できた。

それでも私は近づいてそれをよく見てみたかった。私は何を覚えていたのか、哀れみ、悲しみ、優越、破壊衝動、親近感、同一視、共感共鳴、そのどれかでありどれでもある気がする。

獣は低く唸ると、その顔を私に向けてあげた。泣いている気もしたが、なにかを待ち続けている期待のこもっている表情でもあった。

私は声をかけた。何を投げかけたのだろうか、励ましかもしれない。もしかしたら罵りかもしれない。その言葉は私にはまるで聞こえなかった。それは私の口から発せられた言葉だったというのに。

獣は次に自分の回りを見回した。見ているというよりも探しているといった方が適切だろう。それは助けを求めているし、どこか抜け道があるはずという希望を抱いていることが私にも見てとれた。

しかしそれはすぐに諦め再び面持ちを床に伏せそのまま動かなくなってしまった。

こいつはここから出たいのだ。この檻はこいつを縛り付けている鎖だ。自分ではどうすることもできない、でもここから出るためには自分からも動かなければならない、そんな矛盾を孕んだ拘束。

この荒野は獣にとっての自由そのもの。ここから出ることに意味があるし、しかし糸口が見つからない。そのまま何年も何十年も囚われ続け、自分で自分をさらにきつく縛り上げた。諦めの念がそれを支配しつつある。

まるで見ていられないほど痛々しい。見るものによってはもういいと止めに入るほどだ。そんな行為を繰り返し続け限りなく虚しいのだろう。それをこいつ自身自覚しているのだ。けどそんな姿は健気で、純粋で無垢で清らかで、だからこそ悲しい姿だった。

またこいつが目を覚ました。しかし結果は同じ。しばらくしてこう。また時間が過ぎてこう。何回繰り返してきてもこう。これを延々と繰り返してきているそれ。

そうこいつは私だ。私そのものだ。それじゃあ私は誰なのだろうか? こうやって自分自身を冷静に分析している私は何者?大きな不安が私を包み込む。そして私は強烈な浮遊感を感じると、目の前が真っ暗になり何もわからなくなってしまった。








―汚れなき狂気 ~The pure insanity~―








最悪の夢から覚めて、まず目に入ってきたのは黒い鉄でできた天井と、それからぶら下がっているシャンデリアだ。身を起こして見回すと、いかにも強固そうな鉄製のドアと、四方を囲む、無機質な壁。これもまた魔術によって錬成された特別な鉄によって作られたものだ。すべてに強力な魔術がかけられていて、よほどのことがない限り壊されることはない。

いつものように気だるい体をむち打ち、かぶりを振って眠気を覚まそうとする。しかしあまり目も冴えないし気分も晴れない。

わたし、フランドール・スカーレットは今日もまた、この暗い部屋の中で目を覚ました。

私は今どんな夢を見ていたのだろうか。些細なことしか思い出せない。たしか荒野の中に檻が孤立しているところまでは思い出せる。しかし肝心のその後がダメだ。明晰夢だというのに何一つ明らかにならない。フラストレーションが溜まりついつい力を行使してしまう。右の手を握ると、部屋の隅で何かが爆ぜた音と、ほんの少しの衝撃が私の髪を揺らす。しかし私は気にもかけなかった。気分も少しも晴れなかったし、なんだかあいつの顔が急に浮かんできてよくわからない感情が喉を逆流してくるのだ。

時間も何もわかったものじゃないこの地下室だが、一つだけその手がかりとなるものが存在する。

「フランお嬢様、朝食をお持ちしました」

くぐもった声が封印されたドアの向こうから響いてくる。

「わかった」

返事をするのも億劫で、私はぞんざいな返事を返してしまう。

「失礼します」

入ってきたのはこの館のメイド長、十六夜咲夜だ。この館を一手に取り仕切る彼女はその遂行能力や戦闘能力を存分に発揮している。その一貫として、ここの腫れ物である私のところにいろんなものを運んできてくれる。彼女だけが外界との唯一の繋がり。しかし彼女もかわいそうだ。敬愛しているレミリアお嬢様の命令できたくもないこんな気味悪い地下室まで派遣されるのだ。咲夜もたまったもんじゃないだろう。

彼女に一回そういう旨のことを伝えたが、咲夜は表情一つ変えずただあいつに対する忠誠心とやらの口上を述べただけだった。なんとも憎めないやつだ。

なぜこんなにも毛嫌いされるのか。理由はただ一つ。

わたしの心が狂気に弱いからだ。些細なことですぐに気が狂ってしまうし、無差別に破壊したくなるのだ。その激情は誰にも止められない。止められた試しがない。

……私は時々思うのだ。こんな自分は生きていていいのだろうか。周りに害を与えるだけ与えておいてそれが私が狂っているからと片付けられてしまうことがとてつもなく苦痛なのだと。

私はあいつが嫌いだ。でもあいつもあいつなりにわたしのこの狂気を抑えようと努力をしていたのも、今もその努力をしているのも、わたしは知っている。

ごくたまにわたしの様子を見に来るあいつが、部屋から出るときに、一瞬、とても辛そうな顔をするのも、見えてしまう。

だから、そんなお姉様を苦しませている自分に腹立つし、殺してしまいたいほどに憎いのだ。お姉様もお姉様なりの考えがあった筈なのに、当主としての建前もあったはずなのに。

こんなゴミみたいな私のためにお姉様にそんな顔をさせてしまうのが、ものすごく辛い。

咲夜にも、一杯迷惑をかけている。今日は機嫌が悪く冷たくあしらってしまったが、ついつい我が儘を言ったりもするし散々困らせている。それでも咲夜は嫌な顔一つせず可能な限りわたしの我が儘を聞き入れてくれる。咲夜が仕えているのはあいつのはずなのに。

パチュリーや小悪魔だって私が暴走したときなんかは一生懸命、体も弱いのに命を懸けて止めようとしてくれる。

それでも、わたしの狂気はおさまることはない。私はもう限界だった。どうかどんな方法でもいいから私を救いだしてほしい。私だけのメシアが欲しかった。



私はいつも思うのだ。いくら語り継がれる聖人にしろその心の奥深くには暗い闇が、狂気が、悪意が見え隠れしている。ギリシャ神話だったりの神様だってそうなのだ。

誰も彼もがあふれる恐怖を抱え蹲る。身を守るために、自分という敵から目を背けるために。


私は昔咲夜にこう質問した。

「何が正しくて何が間違ってるかなんてどうやったらわかるのさ」

咲夜が私の前で表情を崩したのはこれが最初で最後だったかもしれない。しばらくして咲夜はこう答えた。

「それは個人個人の価値観の問題だと思います。私のとっての善悪はお嬢様のもので、それ以外のことだったら……常識、とか言われるものだったり道徳的倫理観と呼ばれるものだったりしますし……私にもよくわかりませんわ」

咲夜もわからないみたいで、ならば私がわからないのも当然のことだ。でもそれは一人一人の価値観だったり集団の価値観だったりと、膨れ上がっているではないか。どれを選択すればいいのか、またどれを適応すればいいのか。

それほど世界は大きいものなのだと私は理解しても、知ることができない。あまりにも知らなさすぎて、そして私は今日も狂う。

たった一人、じめじめしたこの地下室の中で。



そんなときだった。

その日も私は自分を殺したくなるほどの強い殺意を抱いていた。なんだかパチュリーも調子が悪いみたいで、どんどん館の被害が大きくなっていく。

ざまあみろ、という感情と、馬鹿な私、という冷めた私の意見が頭を攻めていた。でもそれは無意味なことで、頭ではわかっているけど体が言うことを聞かない。まるで体だけが別の生き物になってしまったように。

そして、私はメシアに出会った。

「一緒に遊んでくれるのかしら?」

「いくら出す?」

「コインいっこ 」

「一個じゃ、人命も買えないぜ」

「あなたが、コンティニュー出来ないのさ! 」

その子はごく普通の人間のはずだった。でも、魔法を使って私に勝負を挑んできた。

負けるはずがない、そう私は思っていた。妖怪じゃない魔法使いなんてたかが知れている。そうして弾幕ごっこが幕を開けた。

私は負けた。信じられなかった。あの子は満身創痍のはずなのにケラケラと笑って、私に手をさしのべてきた。

「わたしは霧雨魔理沙。普通の魔法使いだ」

その子は満面の笑顔だった。私が久しぶりに見た、他意のない心の底からの笑みだった。

「う、うん」

私は魔理沙の手を握った。その瞬間、私の世界すべてが変わった。

その日は二人とも咲夜に怪我の手当てを受けたあと、夜遅くまで話し込んだ。魔理沙も泊まるつもりだったらしく、就寝時間だけ気にしていれば問題なかった。

私は彼女に自分のこれまでのことをすべて話した。あいつにも話していない、心の本音を。

魔理沙は熱心に聞いてくれたし、私も心が洗われていくのがはっきりとわかった。誰かに想いをぶつけるだけでこんなに楽になるのか、と私は驚愕した。

魔理沙は私の同情するわけでもなく、むしろ私の話を遮ってこういったのだ。

「今までのことは十分わかった、辛かっただろうな。そうだ、今度一緒に星を見ないか? 太陽はさすがに無理だからな」

私は自分の耳を疑った。取り外して精密検査でもしてもらいたものだった。魔理沙は外にどんなことがあるかとか、自分の武勇伝を面白おかしく私に話してくれた。その中に、私の過去を振り返るという意図など存在しなかった。

そんな魔理沙の心遣いに、私は惚れてしまったのかもしれない。

「また会おうな!」

彼女はそういうと牢獄みたいな私の部屋から立ち去っていった。

そろそろ寝ようと思ってもなかなか寝付けない。目を積むってただひたすら魔理沙のことを考える時間だけが過ぎる。

ようやく寝付けたのはいつだったか知れない。

その日の夢はあの場所だった。赤い月と気味の悪い雲、地平線まで続く荒野の中に檻が孤立している。

しかし、檻は外側から無理矢理こじ開けられたように曲がっており、獣はもうそこにはいなかった。

自由という荒野へと、獣は一歩を踏み出すことができたのだ。


霧雨魔理沙のことを想うと胸の鼓動が高まる。彼女と過ごす時間を想像すると、そわそわして居ても立ってもいられなくなる。

汚れきったこんな私でも受け入れてくれたあの女の子、霧雨魔理沙。

私は間違いなく彼女に恋をした。そう認めざるをえなかった。



そう、あの子なら私を救ってくれると思っていた。









あれから何度も魔理沙は私のところに来て一緒にお茶したりおしゃべりしたり遊んだりした。すべてが幸福な時間だった。気持ち発狂してしまう回数も減った気がする。

そんなある日、私は意地悪にもこんな質問をしてみた。

「ねえ、なんでわざわざわたしのところに来てくれるの?」

それは私にとっては禁句だったのだと思うが、もう遅かった。

もう引き返せないところまで来てしまった。死刑の執行を待つ死刑囚のような心地だった。

魔理沙は紅茶を一口、香りまで楽しむとこう答えた。

「お前が遊びたいからって言うのもそうだけど、パチュリーのところに来たんだったらな、って思ってな」

目の前が真っ暗になった。私の頭が一瞬一切合切の情報を遮断する。その間に魔理沙の言葉を解析することにした。

魔理沙は私のために来ているんじゃない。アクマデモツイデダッタンダ。

期待した私がバカだったなぁなんて思える。今までの私からしたらそんなこと絶対しない考え方だったから。

私は、魔理沙がわたしのために来てくれてればな、なんて心のどこかで待ち望んでいたから。いや、はっきりと自覚していた。

彼女には彼女のことがあるのだけれども、虚しくて、悲しかった。

あの子は、私のために来てくれてたんじゃなかったんだ、そう思った。

その晩は泣き腫らした。泣きつかれて寝て、そして起きて魔理沙のことを思い出してまた泣いた。



深夜、白い月が幻想郷の大地を照らしていたその時、わたしは紅魔館の時計台の針のところに座っていた。私の夢の景色と大違いだ。

ひんやりとした空気がわたしの肺に入って血液の流れに乗って体全体を駆け巡る。

今日の夜空はやけに星屑がはっきり見える。まるで魔理沙みたいだ。

顔をあげて星空を見上げる私。溜まりに溜まった涙をこぼしたくなかったからかもしれない。

こうやって星たちを見ていると思い出す。魔理沙と弾幕ごっこをしたあの時を。彼女の弾幕は、それこそ今日の夜空みたいに綺麗に輝いていて、そしてまっすぐだった。私はそれに魅了された。そして、私の心に寂しさを募らせた。

半ば呆然として眺めていると、夜空を一筋の光の矢が引き裂いていった。それを見てまた魔理沙を連想する。久々の空は私の敵だ。

その流れ星は月から落ちてきているようで、それはまるで月が泣いているようにも見えた。月に感情があるものか、とそんな考えを一笑に付す。

そんな私にある妙案が降りてきた。

『そうだ、月が雫を降らせるなら、今日の夜はそれを私の涙の代わりにしよう 。そのちっぽけなプライドのために涙を流せない私の代わりに。心に生まれた空虚な空間をその雫で満たすために』

そうして夜は更けていく。私はいつまでも、時計の針の上で踞り私自身を呪うのだった。

私にかぶさる孤独の影は 長く深く包み込んで狂気を呼び覚ます。 なぜ彼女に出逢い、その優しさに触れて、時間が経てばまたひとりになると知っても傍にいたくて。

私の始まりは何処で、いつが終わりかと深い深い思考の迷路に迷い込んで行き止まって慄えているばかりの私にはもううんざりだ。




私は何より、優しさに怯えてたんだということに気がついた。

私は魔理沙と出会って少しして館の中なら自由に動き回ることを許された。あいつの計らいもあったようだが、魔理沙があいつに交渉した結果だとも聞いた。

館の住人と話せる機会が多くなった私は、いろんなやつに話を聞くことにした。

なぜあなたは生まれ、なぜ死んでゆくかと。

あいつの食事の準備をしている咲夜はこう答えた。

「私は好みすべてをお嬢様のために捧げています。私の生も死もお嬢様のもの。それが答えです」

なんのこともなく慣れたように答えてくれた。きっと以前にも聞かれたことがあるのだろう。誰とは言わないが。

パチュリーは眠そうな目をしながらもきちんと答えてくれた。

「私はただ知識を蓄えるだけよ。死ぬまでずっと」

それから私に興味を無くしたようにまた読書に戻ってしまったけれども、パチュリーの答えは私では噛み砕くことができなかった。小悪魔に聞いてみたけど彼女は答えられなかった。そんなこと気にしている暇があるなら図書館の蔵書を整理する方がよっぽど有意義だと言った。

最後に、顔を会わせるのも嫌だったがあいつにも話を聞いてみた。

「私は不死の王。死とは無縁だけれども……私はこの先も楽しんで暮らしていきたいわね。ただそれだけよ」

あいつは一緒にお茶をしようと誘ってきたけれど、そんな気分でもなかったから無視してやった。気にしてないようにも見えたが、私が部屋を出るとき目を擦るような動作をしていたから、どうなのかわからない。

結局参考になるものなどなかった。私の精神年齢というものは過ごしてきた年月に比べれば大分遅れているのだろう。

そんなわたしが幼いままその答えを探しつづけても、いつまで経っても答えは見つからない。

ああ、彼女と出逢い、その背を見送って、また逢えると信じて、待つのは愚かなのだろうか。今の私には判断できない。





それでもたった一つのことはわかった。

私だけの為に来てくれてなくても、魔理沙は私のことをちゃんと見てくれている。

今は、それだけでいい。ということを。









私の心には誰もが抱えている暗い闇が、狂気があり、 あふれる恐怖に怯え蹲る。

いったい何が悪なのか、そして善なのかなんてまだわからないし、この目が捉えるのには世界は翳りすぎているようにも思える。

けど、まだわたしは始まったばかりだ。

お姉様や咲夜、美鈴やパチュリー、小悪魔たちと、もっともっと傍にいられるように、そして、魔理沙と一緒に外に出ていっぱい外の世界を知るために、わたしはわたし、狂気に勝つ。

だから、そのために、私が折れないように、あなたにそばにいて欲しい、そう私は強く願う。


……魔理沙。



ALI PROJECTの汚れなき悪意を聞いていて書きたくなりました。

ハッピーエンドになるかならないかはわかりませんけどね

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