湯船は猫足
あまりにも引越し業者が可哀想だったので、とりあえず移動することにした。
真「なんかあきちゃんの所有してるアパートの風呂トイレバス付きの広めな部屋があるから、そこに引越せって書いてあったんだけど、慎ちゃん知らない?」
慎「知ってる知ってる。案内するよ。門入るとまず店があるだろ?店の裏にアパートがあるんだ。あんまりアパートに見えないけどな。こっちだ。」
慎ちゃんについて門をくぐると、ちょっと広めな庭に温室にオシャレな建物がくっついているお店があった。これが、あきちゃんのカフェだろう。
そこを通り過ぎれば、そこにはカフェに負けないくらい可愛い建物があった。
真「慎ちゃん…コレ?アパートに見えないんだけど。」
慎「そうなんだよな。カフェの雰囲気壊さないように、ちょっとこだわったんだよ。」
真「そうなんだ。庭もカフェもアパートも可愛い。」
慎「そんで、お前の部屋はここ。さっきの鍵でピンクのキーホルダーついてるのが、ここの鍵だから。」
慎ちゃんはピンクのほうの鍵を使って、2つあるドアの右側を
開けた。
するとそこは、まるでモデルルームみたいにセンスの良いつくりになっていた。
玄関を入ってすぐ右がトイレ、左が洗面所とお風呂。ちなみに湯船は猫足だった。奥には広めな部屋があり、キッチンと繋がっていた。テーブルやテレビやソファもあり、少し奥まったところにはベットもあった。
真「す、すごい良い。部屋とかインテリアの趣味が私のどストライクなんだけど!」
慎「パソコンとか服とか小物類と、あと家具が少しなくなってるけど、ほとんど置いてってるな。
あー、あとそこのカーテンの奥がウォークインクローゼットだから。」
思わず部屋の隅からすみまで探検してしまった。
真「他の部屋もこんな感じなの?」
慎「いや、こんなに広くてすごいのは此処だけ。他はもっと狭い。ところで、マコん家から持ってきた家具どうすんの?」
真「あ。確かに…どうしよう。」
慎「じゃあ、物置にしてる空き部屋があるから、必要なもの以外そこにいれとけば?俺、業者に言ってくるから、必要なものリストアップしとけ。」