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変身


私は、視力がかなり悪い。普段は外出時だけコンタクトで過ごしているが、めんどくさくて最近はずっとメガネだ。



用意されていた髪の短いカツラにいつもの黒縁眼鏡をかけて鏡を見れば、溜息がこぼれた。




「この顔と身長がこんなところで役立つとはね……。」




父はイギリス人と日本人のハーフで、母は日本人だ。そんな二人の子供である私は、クォーター。



父に似た中性的な顔立ち、高めの身長、翠のような蒼のような瞳。



髪は母に似て黒いがパーマをかけているわけでもないのにウェーブがかっている。



そして元から色白なのに、最近引きこもっているせいで、病的なまでに白くなってしまった肌。



「なんかちょっと頭良さそうにみえる…よりもガリ勉って感じでヤダな。でもなんか変だな…。」



ひとしきり鏡で全身を眺めれば、ふと置き手紙の一文を思い出した。



「んー…?あ、胸か……。」




私はこの若干大きめな胸が嫌いだ。友達には羨ましがられるが、肩は凝るし、ジャマ過ぎてしかたがない。



むかし親友に「この胸わけてほしいわー」と言われたとき、「あげれるなら丸ごと取り外して、アンタにくっ付けてやりたいわ!!」と返したら、ガチでひかれた思い出がある。



懐かしいなー、元気かなぁ、なんて思いながらサラシを巻いて胸を潰した。わざわざ着替えるのもめんどくさかったので、服装はパジャマがわりのスエットのまま。基本的にまことはめんどくさがりなのだ。




「うし、準備完了。」



部屋から出ると業者さんにビックリされたが、「カツラ被ってるんですよー。あははー。」とか適当に誤魔化して私はマンションを後にした。






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