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勢いに乗って5回目です。
今日は簡単なキャラ紹介?でも(笑)
イヅル:28歳 179cm 人 ファルティバティールにある相談所の職員
ゴン爺:100cm未満 一つ目人 コルの村を作り現在は村長補佐
うわー箇条書きで少な(笑)
「おふぁよー」
毎朝必ず飲んでいる味よりも香り重視のお茶を口に含んでいると、眠たそうな声が背後から聞こえてくる。口に含んだお茶を喉に流し顔半分だけ向けて、「おはよう」と手短に返す。鮮やかなオレンジ色の髪がボサボサのせいでその鮮やかさを損なっている少女が、目を擦りながらテーブルを挟んだ対面の椅子へと腰をおろす。今にも閉じそうな瞼と必死に戦う少女は、すぐに戦意を無くしたのか頬をテーブルにつけて規則正しい寝息をたて始めた。
おいおい、などと思っていると自宅のドアノックする音が三度。いつもの様に一言告げるとそのノックの主は、そのドアをあけて中へと入ってきた。目の前でテーブルで寝息を立てる少女と違い、きちんととかされた毛先がカールした青い髪、非常時の動き易さを重視したパンツタイプの職場の制服を着たルミカは、俺とと少女を交互に見やりため息を吐いた。
「なんだよ」
「イヅル君はもうちょっと女の子に気を使ったら?自分だけお茶飲んでないで、この子にも出したりとか」
面倒くさいという表情を浮かべた俺を見る前に、手際良く棚からコップを取り出しポットからお茶を注ぐ。コップは二つ、少女用と自分用だ。このやりとりは今に始まった事ではなく、一週間前から続いているもはや恒例のイベントとなりつつある。
「アリーシアちゃん、おはよう」
テーブルにお茶の入ったコップを2つ置いたルミカは、寝息を立てているアリーシャの体を二度程揺らす。良くわからない言葉を発しながら再び体を起こしたアリーシアは、ルミカに「おはよう」と挨拶すると目の前に置かれたコップを手に取りお茶を口に入れる。
「熱っ!」
油断していたのかそのお茶の温度に驚き急いでコップをテーブルに置くと、舌を出して手で扇ぐ。
「ご、ごめんね」
「あははは、だいひょーぶだいひょーぶ」
そんなやり取りの後アリーシアは今度は息で冷ましながら、ゆっくりとお茶を口に運んだ。
アリーシアがこの俺の自宅に来たのは一週間前。彼女がコルの村の森から出てきた迷子であり、狼達に狙われていた少女。森を抜ける際に枝にやられて傷ついていた以外傷はなく、狼達は彼女に手を出していないことは明らかであった。目覚めるや否や、ゴン爺や猫人族で農場を営んでいる女性のコネット等を見て驚いてはいたものの、この一週間の間にこの世界のヒトにはなれてきたようであり、少しばかり俺は安堵を覚えた。
◇◇◇
三匹の狼達が硬直するほどの存在、二メートル程あると思われる三匹の狼達の倍近い大きい体のその狼は、神々しささえ感じる白い毛並みをしている。狼達の後ろの森から現れたその白狼は、双眸に宿す金色の瞳で俺を見下ろす。その瞳の鋭さと迫力は、この三匹とは比べ物にならないほどに圧倒的な差がある。
「助かったよ」
そう告げて手にしていた剣を剣帯に吊るしながら、俺はその白狼の方へと歩みを進めた。ヒト集まりの前で指示していたゴン爺もその警戒を解いたのか深く息を吐いているのが見て取れる。
「お前達は下がっていろ」
そう告げられた三匹の狼達であったが、その内の一体だけが身動きせず白狼と視線を交じらせる。俺が彼等の立場だったら納得いかないだろうな、と内心思いながらやり取りを見ているとその内観念したのかゆっくりとその体を動かし白狼の後ろへと下がっていく。
「すまなかったな、うちの若い者が迷惑掛けたな」
「いやいや、こちらも状況を把握できていないのに出しゃばってしまってすまなかった」
白狼は瞼を閉じ軽く頭を下げるのを見た為、俺は少しばかり早口になりながらも謝罪する。
「なぁに、迷子とはいえこの時期にお主達の神聖な森に入ってしまったんじゃから、若い彼等に迷惑を掛けてしまったな」
「いやいや、彼等は今夜が始めての巡回役だから気が張っていたんだろう」
「迷子についてはこれから確認してみんとなぁ。わかったらお主にも報告しよう」
「ゴン爺がそういうなら待つとしよう。もしかしたらいつぞやの勇者……みたいなのかも知れないな。なぁイヅルよ」
「はは、はははは」
白狼の言葉に俺は乾いた笑いを返すしかできず、きっと相手から見たら顔が引き攣っていただろう。クックッ、と笑うと白狼は森の中へと消えていき、三匹もその後に続いて森の中へと消えて行った。
「あやつが出てきて助かったのぅ」
ほんとうに、とゴン爺に賛同しながら緊張の糸を解き、俺は肺に押し込めた空気を吐きながら空を仰いだ。まだお昼を少し過ぎた太陽が高く明るいこの時間帯に、あの白き狼が出て来る事はあまり期待していなかった。主に彼らは夜行性の為、昼間の巡回組を除いては大抵寝ている。三匹の様に小柄に属する狼が、何かの拍子に森の外に出てくる事はあっても上位の存在が出てくる事はほとんどない。ましてや白狼はこの一体の森を統べる主、森の外を治める統主がグロノスならば、森の中を治める統主が白狼のアンブロウプである。
とくにプロットとか決まってなくて、のんびりさぐりさぐりです。
それでも書いてて気楽です。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。