華厳の宴
業を背負いし廻天の踊り子
無明の焔を纏いながら
泡沫の世に咲く
曼珠沙華
杯の底に消える幻影
五蘊尽くして酔いしれよ
慈悲も破戒も手を取り合い
六道の果てに見える景色
ただ月影に溶ける色彩
嗚呼これが悟りの狭間
輪廻を超えた宴の幕開け
歓喜も虚無もひとつに溶けて
南無妙法蓮華経
時は巡る
永劫の夜を彷徨うならば 今一度
杯を満たそうか
破戒の夢も成仏の詩も
この空虚の中で踊り続ける
現世は夢
夢こそが現世
嗤え叫べ舞え
たとえ業火に焼かれようとも
我らは死してなお
美しく
法華の詠とともに
杯を交わし
酔いしれよう
明けぬ夜の先に何があろうとも
ただ輪廻の波に身を任せ