【ゆっくり解説】ハズレスキル【歩行】が雑魚だと追放された俺、実はチートスキルだったので美少女仲間と勝ち組冒険者ライフを謳歌する〜追放した元仲間は落ちぶれてざまあ!今更戻ってこいと言われてももう遅い!〜
ゆっくりユウシャだ。
ゆっくりセイジョですわ。
なあセイジョ、なろうファンタジーに出てくる『スキル』は知っているか?
義務教育で習ったので当然知っていますわ。
10歳や15歳など特定の年齢になった時に使えるようになる特別な能力のことですわ。
【鑑定】スキルを持っていれば物を見ただけで詳細な情報がわかるようになり、【剣術】スキルを持っていれば剣術の腕が上がるといった具合ですわね。
ギフトや恩恵と呼ばれることもありますわ。
その通りだぜ。
他には生まれた時から全員が持っていたり、スキルを持っていることが珍しかったり、レベルアップや鍛錬の成果として誰もが修得できたり、神のような上位存在から与えられることもあるぜ。
個数に関しても1人につき1つだけの場合もあれば、持っているスキルの数が多いほど才能があるとして高く評価される場合もあるぜ。
このようにスキルの設定は作品によって様々でここでは語り尽くせないが、基本的に魔法や体質などとは別系統の異能として扱われることが多いぜ。
スキルは魔法と並んでなろうファンタジーを語る上で欠かすことのできない重要な要素ですわ。
逆にスキルも魔法も登場しない方が珍しいくらいですわ。
ハズレスキルが実はチートスキルだったことが判明してざまあする話やハズレスキルが覚醒してざまあする話は、なろうの中でも特に根強い人気を誇るジャンルの1つだぜ。
というわけで今回は、ハズレスキルの無能役立たずだとパーティを追放されたが衝撃の理由によって元パーティメンバーが落ちぶれてざまあな話を紹介するぜ。
よろしくお願いしますわ。
この話の主人公はアルク・ホッコーという少年だぜ。
種族は人間で一般的な家庭で生まれ育った平民だぜ。
成長して16歳になったアルクは冒険者ギルドに所属する冒険者になり、とあるA級冒険者パーティで荷物持ちをしていたぜ。
冒険者ギルドと冒険者については義務教育で習っているはずだから説明は割愛するぜ。
特に語ることのないどこにでもいる一般人ですわね。
もちろんアルクはスキルを持っているぜ。
15歳のときにスキル修得の儀式で手に入れた【歩行】というユニークスキルだぜ。
ユニークスキルについては義務教育で習っているはずだから説明は割愛するぜ。
なんだか弱そうな名前のスキルですわね。
ですがユニークスキルということは何か特別な能力がありそうですわ。
いったいどのようなスキルですの?
【歩行】の能力は『どれだけ歩いても疲れなくなる』というものだぜ。
この能力の対象は自分だけだぜ。
スキルが適用されるのは歩くことによって発生する疲労だけで、走ったときや戦闘したときなどの疲労は無効化できないぜ。
うーん、何とも言えませんわね。
荷物持ちとしてなら便利なスキルと言えなくもありませんが、冒険者は基礎体力をしっかりつけるのが当たり前ですわ。
それに自分にしか効果がないのなら味方の疲労を軽減するといった使い方もできませんわ。
総合的に考えて、冒険者としてあまり使えるスキルではないと思いますわ。
アルクのスキルは【歩行】だけですの?
ああ、他のスキルは持っていないぜ。
この世界では1人が持つことのできるスキルはスキル修得の儀式で手に入れる1つだけなんだぜ。
だからレベルアップや鍛錬などでスキルを追加で手に入れるといった概念は存在しないぜ。
これはアルクも例外ではないぜ。
なるほどですわ。
ですがハズレスキルは発想力次第でチートスキルに化けることがありますわ。
ここからどのようなざまあ展開になっていくのか楽しみですわ。
続いてアルクが所属しているA級冒険者パーティについてだぜ。
アルク以外のメンバーは全部で4人いるから駆け足で紹介するぜ。
1人目は男剣士のマイセルだ。
剣と盾の連携でモンスターを抑えながらパーティリーダーとして指揮をとっているぜ。
スキルは【剣術】だぜ。
2人目は男拳闘士のゼルガだ。
パーティの中で最も身長が高く、拳による連続攻撃を主体にしているぜ。
スキルは【見切り】だぜ。
3人目は女魔法使いのヒルネラだ。
後方から土属性の攻撃魔法を使って前衛2人をサポートするぜ。
スキルは【土属性魔力】だぜ。
4人目は女魔法使いのサミーだ。
ヒルネラとは魔術学院の同級生で、主に回復魔法とバフ魔法で支援を担当しているぜ。
スキルは【魔力効率上昇】だぜ。
前衛2人と後衛2人でバランスのとれたパーティですわね。
えーと、男剣士のマイセルがリーダーで、男拳闘士のゼルガは……。
4人の名前と情報は今後一切出てこないから覚える必要はないぜ。
それに主人公を追放したムカつくキャラの名前を覚えようとするなろう読者は存在しないぜ。
それはありがたいですわ。
どうせ追放ざまあ後は出番がないモブ未満の存在に覚える価値なんてありませんわ。
このパーティはC級からA級に短期間で駆け上がったことで他の冒険者たちから注目されており、ちょっとした有名パーティだったぜ。
A級に昇格してしばらく経ったある日、アルクはパーティからの追放を言い渡されるぜ。
理由はアルクが荷物持ちしかしておらず戦闘では全く役に立たないからと、ユニークスキルの【歩行】の能力がショボいからだぜ。
ちょっと待ってくださいですわ。
【歩行】に対する評価はともかく、荷物持ちとしてパーティに加入したアルクを荷物持ちだからという理由で追放するのはおかしいですわ。
そもそも荷物持ちは食料や薬といった大切な物資を運搬して守るのが役割ですわ。
戦闘で役に立たないから追放するという理由は全く筋が通っていませんし、あまりにも支離滅裂な思考だと思いますわ。
この辺りは深く考えてはいけないぜ。
なろうではよくあることだぜ。
そうですわね。
なろうではよくあることですわね。
アルクの追放は4人の総意だったぜ。
突然の追放宣言に戸惑うアルクに対して、4人はゴミやクズや無能といった罵詈雑言を浴びせたぜ。
こうしてアルクはパーティを追放されたぜ。
絶対に許せませんわ!!!!!!
アルクは荷物持ちとしてパーティを支えてきたのにあんまりですわ!!!!!!
下衆で愚かな4人には一刻も早く神の裁きが下ってざまあされるべきですわ!!!!!!
追放されたアルクは翌日から新しいパーティを探し始めたぜ。
1人でも冒険者を続けられないわけではないが、やはり複数人でパーティを組んだ方が安全で色々と都合がいいからだぜ。
アルクは荷物持ちがいないパーティを中心に仲間にしてほしいと声をかけてまわったぜ。
しかしいくら探してもアルクを入れてくれるパーティは見つからなかったぜ。
アルクはA級冒険者パーティに所属していたのにおかしいですわね。
A級を担当できるほどの荷物持ちの実力なら歓迎されてもおかしくありませんわ。
理由は簡単だぜ。
実は元パーティメンバーたちが他の冒険者に、アルクのことを無能で役立たずの寄生虫だと笑い者にしてよく話していたんだぜ。
脚色を加えて誇張したアルクの滑稽な話は4人にとって最高のネタだったぜ。
このせいでA級冒険者として評価されていたのはアルク以外のメンバーだけとなり、荷物持ちのアルクを評価している冒険者は誰もいなかったんだぜ。
この寄生虫未満の下等生物共め!!!!!!
一刻も早くざまあを与えるべきですわ!!!!!!
ざまあ展開をくださいですわああああああああああああああああああ!!!!!!
追放されてから2日後、アルクに転機が訪れるぜ。
アルクは昼過ぎに路地裏で2人の美少女が4人のチンピラに絡まれているのを見つけるぜ。
チンピラたちは2人がとても迷惑そうにしているのにしつこく話しかけており、しかも逃がさないように取り囲んでいたぜ。
迷惑な人間はどこにでもいますわね。
でもなろう系のチンピラならよくあることですわ。
アルクは困っている美少女たちを助けるために双方の間に割って入ったぜ。
するとチンピラたちがアルクの顔を見てニヤニヤ笑い出したぜ。
このチンピラたちはB級冒険者でアルクのことを知っていたぜ。
そしてA級に寄生して追放された雑魚荷物持ちが調子に乗るなと煽り散らかしたぜ。
ムカつくチンピラですわ!
早くボコボコにしてざまあしてほしいですわ!
アルクは挑発を無視して冷静にチンピラたちの行動を非難したぜ。
すると苛立った1人のチンピラが殴りかかってきたぜ。
しかしアルクが咄嗟に放ったカウンターパンチであっさり返り討ちにしたぜ。
ざまあきたあああああああああ!!!!
ワンパンでやられた仲間を見て、残りのチンピラたちが一斉に襲いかかってきたぜ。
3対1で体格差もあったがアルクは全く苦戦することなく、むしろどうしてこのチンピラたちはこんなにも弱いのか疑問に思いながらあっという間に全員を返り討ちにしたぜ。
馬鹿にしていた荷物持ちに手も足も出なかった4人は圧倒的な実力差に恐れをなして逃げていったぜ。
こうしてアルクは2人の美少女を無事に助け出したぜ。
素晴らしいざまあ展開ですわ!!!!
やはりアルクはA級冒険者に相応しい強さを持っていましたわ!!!!
イキりチンピラを返り討ちにして成敗するのは最高のエンタメですわ!!!!
圧倒的パワーからのボッコボコのけっちょんけっちょんで気分爽快ですわ!!!!
これぞなろう系の醍醐味ですわ!!!!
実はこの時、アルクはチンピラたちに勝てるとは思っていなかったんだぜ。
自分を囮にしてなんとか隙を作って少女たちを逃がすつもりだったんだぜ。
そうですの?
てっきりA級の実力を持つアルクがその実力通りにイキりチンピラを成敗しただけだと思いましたわ。
それとも自分の強さに気付いていない無自覚無双系ですの?
半分正解だな。
詳しい理由はもう少し後で話すぜ。
アルクが立ち去ろうとすると、助けた2人の美少女が自分たちのパーティに入ってほしいと頼んできたぜ。
2人は姉妹で駆け出しのD級冒険者だったぜ。
これも何かの縁だと思ったアルクは、もう一度D級からやり直すことを決めて姉妹のパーティに加入したぜ。
やりましたわ!
冒険者パーティには美少女が欠かせませんわ!
盛り上がっているところ悪いが、ここでアルクの話を一旦区切らせてもらうぜ。
どうしてですの!?
これからがいいところなのにあんまりですわ!
アルクの更なるかっこいい活躍を見て美少女姉妹が2人共惚れる展開が見たいですわ!
美少女がどんどん仲間になってアルクを褒め称えて尊敬して惚れまくるハーレム展開が見たいですわ!
おいおい、何か肝心なことを忘れていないか?
肝心なこと……?
アルクが実は強いことはわかりましたし、これから美少女姉妹がアルクに惚れる展開よりも大切なことなんてありますの?
一方その頃、アルクを追放した元パーティメンバーに異変が起きていたんだぜ。
ああああああああああああああ!
すっかり忘れていましたわ!
寄生虫未満下等生物のざまあがまだでしたわ!
追放されたのにざまあをしないなんて世界の摂理に反しますわ!
アルクを追放したことを一生後悔する最高のざまあを期待していますわ!
さて、4人はダンジョンに来ていたぜ。
ダンジョンについては義務教育で習っているはずだから説明は割愛するぜ。
4人はA級以上しか入ることのできない階層を進む途中でモンスターと遭遇して戦闘を開始したぜ。
そのモンスターは特に珍しい種類ではなく、4人も何度か戦ったことがあったぜ。
しかしいつもなら簡単に倒せるはずなのに自分たちの攻撃が通用しないことに焦っていたぜ。
それどころか何故かモンスターの動きに対処できないせいで全滅寸前まで追い込まれていたぜ。
いい気味ですわ。
そのまま1時間ほど死なない程度に痛めつけられるといいですわ。
偶然通りかかった別のA級パーティが加勢してくれたおかげで、なんとか切り抜けてダンジョンを脱出することができたぜ。
街についてからギルドで4人の力量が再計測され、全員がA級にふさわしくないことがわかり冒険者ランクがC級まで下げられたぜ。
ざまあですわ!!!!!!
嫌な奴が落ちぶれるのは最高ですわ!!!!!!
これぞなろうの醍醐味ですわ!!!!!!
でも、4人が突然弱くなった理由は何ですの?
簡単に言うとアルクを追放したからだぜ。
実は【歩行】には本人も知らなかった隠された能力が2つあるんだぜ。
それはおかしいですわ。
この世界では1人が持つことのできるスキルはスキル修得の儀式で手に入れる1つだけのはずですわ。
ユウシャ様もそう説明していましたわ。
確かに1人のスキルは1つだけと言ったが、1つのスキルの能力が1つだけとは言ってないぜ。
そんなのありですの!?
どんな屁理屈や都合のいい後出し設定でも言ったもん勝ちだぜ。
なろうではよくあることだぜ。
そうですわね。
なろうではよくあることですわね。
【歩行】の隠された能力1つ目は『どんなところでも歩くことができる』だぜ。
スキル所有者のアルクが「ここは歩くことができる」と認識すれば、水の上、壁、天井などはもちろん、瘴気が濃い土地や燃え盛る火山地帯のような生身では命の危険がある場所でも、近所を散歩するような感覚で歩くことができるぜ。
少し難しいがコツを掴めば何もない空中を歩くこともできるぜ。
そして歩いている間はアルクに対するあらゆるダメージを無効化するぜ。
微妙なハズレスキルから一気にユニークスキルらしくなりましたわ。
危険地域の偵察を安心安全に行ったり、モンスターの注意を引く陽動としての活躍が期待できますわ。
ですがこの能力は4人が弱くなったことには関係なさそうですわ。
ということは、2つ目の能力ですわね。
その通りだぜ。
隠された能力2つ目は『一緒に歩いた味方と自分に歩数に応じたステータス上昇バフがかかる』だぜ。
これは歩けば歩くほどパーティ全員が強化されていく支援系の能力だぜ。
アルクは荷物持ちをしていたから必然的に元パーティメンバーと一緒に長距離を歩いていたため、無意識のうちにバフをかけていたんだぜ。
そのことを知らずにアルクを追放して能力の恩恵を受けられなくなったことで4人は弱くなったんだぜ。
正確には弱くなったというより本来の実力に戻ったと表現するのが正しいぜ。
自分たちの実力だと思っていたものは、馬鹿にしていた荷物持ちのおかげで得ていた強さだったということですわね。
今更戻ってこいと言われてももう遅いですわ。
バフの強化値はどれくらいですの?
1歩につき0.1%で持続時間は24時間だぜ。
イメージとしては1歩ごとに0.1%のバフがどんどん追加されていき、それぞれが24時間の制限時間を持っている感じだぜ。
これはアルクたちが冒険者を続けていくうちに訪れたスキルの研究施設で行った検査によって判明したぜ。
思ったより少ない強化値ですわね。
0.1%と聞くとそう感じるかもしれないが、1000歩で100%、つまり2倍のバフになるぜ。
この世界の支援魔法や支援スキルの強化倍率は10〜30%で、最大でも何かしらのデメリットや条件ありの50%程度だぜ。
それらと比べると準備に時間がかかるとはいえ【歩行】の強化値はかなり破格だぜ。
ちなみに1000歩歩くのにかかる時間は個人差はあるが約10分だと言われているぜ。
アルクは美少女魔道具技師に作ってもらった特別な万歩計を使ってスキルの管理をしているぜ。
なるほど、地理も積もればということですわね。
【歩行】のバフに支援魔法を重ねがけすれば、相乗効果によってより大きな効果が生まれそうですわ。
しかも支援魔法を使う術者にもバフが適用されることを考えると、最終的な強化倍率はとんでもないことになるぜ。
こうして新たな仲間と共にアルクの第二の冒険者生活が始まったぜ。
というわけで、ハズレスキルの無能役立たずだとパーティを追放されたが衝撃の理由によって元パーティメンバーが落ちぶれてざまあな話を紹介したぜ。
締めとしてセイジョの感想を聞かせてほしいぜ。
とても素晴らしい追放ざまあで大満足ですわ。
特にチンピラを返り討ちにするところと、美少女姉妹が仲間になるところと、追放した元パーティメンバーが落ちぶれるところが気持ちよかったですわ。
喜んでもらえてなによりだぜ。
ついでにここから先の話を少しだけすると、アルクが美少女仲間と勝ち組冒険者ライフを謳歌する展開が待っているぜ。
何故だかそのような展開になることを最初から知っていたような気がしますわ。
とても不思議ですわ。
本当にとても不思議だぜ。
だけどなろうではよくあることだぜ。
そうですわね。
なろうではよくあることですわね。
それじゃあ今回はこれで終わるぜ。
セイジョが喜びそうな話があればまた紹介するぜ。
楽しみに待っていますわ。
ここまでのご精読ありがとうございましただぜ。