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9「プロポーズ」
予想通り彼からプロポーズされたので、私で良ければと喜んで受け入れた。
ただ、転勤先が決まったそうで、彼の実家からは程近いのだが、過疎化が急激に進行しているエリアで生活するにはかなり不便になるらしい。
彼の仕事はリモートワークも多く、担当するエリアが何処だろうと問題ないとの事。
また、暫く長期連休が取れないから新婚旅行は先送りさせて欲しいと言われた。
彼の仕事を優先させてあげたいので、新婚旅行の代わりにいつでも良いから何処かに行こうと約束した。
ただ唯一、懸念があるとすれば産婦人科が無い事である。
先日閉院したそうで、隣接する他県を含めても公共交通機関を使って通える範囲内に産婦人科はないらしく、車で3〜4時間離れた他県の産婦人科に通うしかないらしい。
彼には、その閉院した産婦人科で看護師として働いていた香織さんという妹がいるそうで、私と同じ26歳で漢字は違うが同じ「かおり」という名前である。
今週末に私の両親へ挨拶に来て、来週末には彼の両親へ後挨拶に伺う予定である。
とうとう、私も結婚出来るのだと思うと自然と涙が込み上げてきた。