1「佳織」
また、夜のニュースで出生率の低下についての報道があり、薄っぺらな男性コメンテーターの女性蔑視で無責任なコメントを聞かされ気分が悪くなった。
重ねて、ここぞとばかりに与党への批判から実現出来もしない絵空事の少子化対策を喚き散らす野党幹部への取材など、見るに堪えない悪趣味としか言い様がない。
そのタレント議員である野党幹部も、自らが所属する党が政権を握っていた際には、あろう事か国会議事堂内でグラビア撮影して悪怯れる素振りも見せない厚顔無恥さには呆れるしかない。
そもそも、毎年赤字国債を発行して膨大な借金を未来の子供達に背負わせ続けている国会議員が語る少子化対策など、これから子供を授かろうと考えている若者たちには何のメリットも無いのは明らかだろう。
現役の有権者への対策を重視しているのは明らかで、選挙権の無い若年層は計算外との思惑が透けて見える。
私も一度、当時お付き合いしていた彼との間に子供を授かった経験があった。
ただ、二人共に非正規雇用の派遣社員でボーナスの支給も無く、薄給で日々の生活がやっとの状態だったので、仕方なく両親に相談し堕胎手術の費用を工面して貰い折角授かった子供を諦めざるを得なかった。
その彼とは些細な事で喧嘩が絶えなくなり、子供を堕した失意もあり別れる事を決意。
その時に思ったのは、既にこの世に生を受けた子供の為の少子化対策も必要ではあるが、これから結婚、出産を考えている若い世代への非正規雇用から正規雇用への切り替えを会社に呼び掛け、正規雇用を行った会社への税の優遇措置などの助成を進めないと、一部の富裕層だけが少子化対策の恩恵を受ける事になり不公平感がいつまで経っても解消されないことである。
現在は、フリーでお付き合いしている男性は居ないけれども、良縁が見付かり次こそは愛する旦那と一緒に授かった子供を産み育てる事を夢みている。
でも、正社員の仕事に就くのが最優先なので、先ずは此処をしっかりと乗り越えたいと思い日々を過ごしている。
こんな不平不満ばかりを考えていては神様もそっぽを向くのも仕方がないと諦めるしかないのだろうか?
今夜もまた、憂鬱とした気分のまま寝るのだろう。
白馬に乗った王子様は現れるのだろうか?