EX2.まりゅうのおとぎばなし
むかし むかし
あるところに
くろくて おおきな まほう の りゅう が
たしかに いました
その まりゅうは おおぞら を おおう ほどに おおきく
そして きょうだい な ちからを もって いました
まりゅうは まいにち おだやか に しずか に くらして いました
ある ひ
まりゅう は ひとびと と くらして みたく なりました
まりゅう は むかし にんげん に たすけられたことがあった ので
こんど は じぶん が たすけになりたいと おもったの です
まりゅう は にんげん が だいすき です
そんな まりゅう に にんげん は 声 を かけました
「なら うちの むら に おいでよ」
まりゅう は うれしくて
その ニンゲン に ついて いきま した
まりゅう は それから
ちじょう に いきる ひとびと と とてもなかよく くらしています
笑い あい
助け あい
たのしくたのしく くらして いました
あるとき むらの ひとびと は いいました
「ねぇ まりゅうさん やまのむこうに とても こわい せいぶつが いるんだ やっつけてくれないかな」
ひとびと は とても こまった かおをして います
まりゅうはつよく こころやさしかった ので その お願いを こころよく ひきうけました
ごう ごう ごう
まりゅう が 火をはくと たちまち こわい せいぶつたちは もえました
ひとびと は かんしゃして まりゅうといっしょに えんかい を たのしみ ました
つぎのとし も
「まりゅうさん かわのむこうから こわい せいぶつが やってきてる んだ」
まりゅう は ふたたび こころよく ひきうけました
その せいぶつ たちは まえに たいじした せいぶつよりも すこしだけ 強く て
まりゅう は すこし きずを おい ました
「まりゅうさん だいじょうぶ ? きず を なおして あげるね」
ちじょう の ひとびと は やさしく まりゅうを てあて します
みんなの やさしさ で まりゅうは たちまち げんき になりました
つぎの としも
つぎの としも
まりゅう は ひとびと の ために
がんばりました
がんばって
がんばって ■■ ました
いっぱい
いっぱい ■■ ました
あるとき
まりゅう は
たたかえなく なりました
たびかさなる たたかい で
つばさ は やぶれ
つめ は おれ
きば も くだけて しまったの です
まりゅう は ぼろぼろ に なった じぶんのからだを みて
ごめんなさい ごめんなさい と あやまり ました
ひとびと の 願い を きくのが むずかしく なってしまった のです
もう こわい せいぶつ と たたかえない と
ちから の 無さ を なげきました
ひとびと は こまったかおを しています
だから まりゅう は さいごのちからを ふりしぼって おおぜい の こわい せいぶつ に
火 を はきました
ごうごうごう
ごうごうごう
こわい せいぶつ たち は
つぎからつぎに もえて いきました
まりゅう は
ひとびと の うれしそうな かおを みて
うすれゆく 意識 の なか
さいごの ことば を はっしました
「ねぇ わたし は
やく に たてましたか?」
まりゅう の ことば に
ひとびと は 笑って こう こたえ ました
「もちろん だとも
これで ニンゲン たち を みな■し に できるよ」
まりゅう は
めの まえが
くらく なりそう でした
魔竜 が ちじょう だと おもっていたのは 地獄 でした
魔竜 が ひとびと だと おもっていたのは 悪魔 でした
「これで 地上を 征服 出来るぞ」
悪魔たちは
魔竜の炎により弱った人々を 次々と■■ていきました
魔竜はもう 一歩も動けません
魔竜はもう 目の前が見えません
人々の ために 頑張って きたのに
頑張って きた はずなのに
こみ上げる感情に 押しつぶされて
魔竜は、泣きました。
そうして
しばらくの のち
まりゅう の ぼうぎゃくさ を しった かみさま は
おこって まりゅう を くさり で 天界 に 幽閉 しました
「いままで きみが 人々に おこなってきた ことを すべて うけてもらう ぞ」
まりゅう は
なきながら うなずいて
せんねん ばつ を うけました
これが――――




