家
一樹を家から送り出して、食器を洗い、洗濯物をし、朝の韓流ドラマを旦那と観る。
これが、私たちの朝の日課だ。
今日も大雨は気になりながらも、楽しみにしている韓流ドラマを観ていた。
すると、外からスピカーから声が聞こえた。
「ただ今、この地区に避難注意が出されました。もよりの指定避難場所まで移動をお願いします」
「・・・お父さん」
「よかよか、大丈夫たい。まだ注意やろうが、あれが指示とか命令に変わったら、考えんといかんけど、まだよか」
「そうね、ドラマよかとこやんけんね」
やがて、散々どんでん返しを繰り返すドラマが終わった。
「はー」
と、2人して息をつく。
今回の韓流ドラマはサスペンスタッチで、観るのに思わず力が入ってしまう。
「お父さん、お茶を淹れましょうか」
「ああ」
夫が頷くと、テレビから警報音が聞える。
それからテロップが流れ、この地方に大雨注意報と一部で避難警報をでているのを知らせた。
改めて窓から外を見ると、周りが全く見えないほど雨が降っていた。
「俺・・・ちょっと見てくる」
夫はランニングシャツと短パンという出で立ちのまま、気軽に言う。
「なんば言いよると、危なかよ」
「大丈夫っち、そこまでやけん」