コント「彼女」
色鉛筆「いやあ、今年も秋になりました。芸術の秋、スポーツの秋、食欲の……」
クレヨン「お前いつでも体重計気にしとるくせに」
色鉛筆「煩いわ! 体重計出されたら食欲の秋は言えんやろ!」
クレヨン「芸術もスポーツも程遠い、お・ま・え! やから体重計は必要やろ?」
色鉛筆「意味不明ー!」
クレヨン「いつでも、バクバク食いやがって! 今年くらいは可愛い女子をつかまえてみいぃ」
色鉛筆「捕まえるんやな」
クレヨン「警察無しで!」
色鉛筆「俺、無理せんから」
クレヨン「無理せん奴が、警察巻き込まむな」
色鉛筆「まだ、やっとらんやろ!」
クレヨン「……お前やる気満々やなぁ」
色鉛筆「はいはい……でも彼女欲しいわあ! 可愛くてボンキュッボンで、いつも笑顔て癒してくれて!」
クレヨン「……お前の家の鏡、全部割れてる理由が今分かったわ」
色鉛筆「割れとるか! 『いい男』って言うたら、天井抜けてそこからサッカーボールが跳ねて鏡にヒビ入ったたげじゃ!」
クレヨン「……突っ込めん、『いい男』が間違っとることしか」
色鉛筆「やかましいわ! でも、彼女欲しい! 人生の勝ち組になりたい」
クレヨン「わかるよ!」
色鉛筆「わかるか、永遠の負け組」
クレヨン「お前がな」
色鉛筆「他人顔で言うな!」
クレヨン「他人やし」
色鉛筆「こんな友達はいやや、こう言った時は! 合コンの計画するとか、合コンの計画するとか、合コンの計画するとか……」
クレヨン「合コン合コンて、俺にできるか?」
色鉛筆「醜男やで無理やな、悪かった悪かった!」
クレヨン「第一なぁ……俺、いるぞ。彼女」
色鉛筆「は?」
クレヨン「いるんや」
色鉛筆「だから地球に巨大隕石が落ちるんやなぁ」
クレヨン「お前、全人類巻きこむなや」
色鉛筆「お前が人類を巻き込む……あっ! スマホの画面の中のやろ?」
クレヨン「確かに今は二次元やな」
色鉛筆「やっぱし……ほっとしたわ」
[ここでスマホ鳴る]
クレヨン「あっ、さっちゃん、今、色鉛筆といっしょ! ……そう、今から? いいよ。じゃあねぇ」
色鉛筆「……スマホの画面からか? 二次元からやろ?」
クレヨン「あっ、この娘! 壁紙してるんやけど、さっちゃん! 可愛いやろ!」
色鉛筆「……何だ? 二次元って?」
クレヨン「お前なあ……早く彼女つくり! いいぞ三次元は! チューもできるし」
色鉛筆「……ここに犯罪者がいます! 皆さんここに犯罪者があ」
クレヨン「お前なあ! 誰が犯罪者じゃ! 器物破損マニア!」
色鉛筆「マニアじゃねぇ!」