1.宮廷教師の募集
30歳までの中等教員資格を有する者1名を王室教師として募集する。
そう王室からお触れがあったのがつい昨日。
遠路はるばる王都にたどり着いたのが今朝。
そして、王室教師の面接が始まったのが今だった。
会場には多数の男性と少数の女性が揃っていた。
元々学問を修めるのは男性が多数を占めるこの国にしては女性の――尚且つ見目美しい女性の姿が目立っていた。
この国 の東方の田舎町である から、王都 までたどり着く間、王政など無縁な田舎の馬車でさえ知れ渡る噂があるからだ。
王室教師、すなわち王族付きの教師が教える対称は20未満の王族である。
王の子ども達は公表されているだけで4人。
19歳の第一王子、16歳の第一王女、14歳の第二王子、12歳の第三王子の4人。
女神と歌われる王妃の子供というだけあって、揃いもそろって美男美女だともっぱらの噂だ。
ただ、王族は20歳を迎えるまで公表されないという習わしがあり、世間にはそのご尊顔は伏せられている。
それにも関わらず、漏れ聞こえる美しさを称える声からしてその容姿も察せられる。
一体どの王子、または王女に仕えることになるのかは明らかとなっていないが、4分の1で美麗の王子とお近づきになれるとあれば、浮き足立つ女性の応募が殺到することは当然である。
中等教員資格を持つという条件でふるいに掛けられるとしてもだ。