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Growing Survivors  作者: 桐生 長門
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Tutorial Ⅱ

  Growing Survivorsオフラインイベント会場

 会場の中は人で埋め尽くされており、身動きが取れない程だ。

「やっぱ人多いなぁ」

「そうだなぁ、多いな」

 俺達は、動く事も出来ずただただ会場の人の多さに感心しつつ、人の流れを眺めていた。

「なぁ、ロック」

「どったんだ?ユウ」

「俺達、どうすればいいんだろうな」

「さぁな、まぁ発表が始まればもうちょい動きやすくなるだろー」

「……だと良いな」

 そして、数分後。遂に最新情報の発表が始まる。

 照明が消え、辺りが暗くなる。そして、その後すぐに照明で一部が照らされる。そこには、開発陣の数人で大きな黒い箱を台に乗せて持って来ていた。

 それを見ると、辺りの人達はざわつき始め、俺も不思議に思いながらもその箱を見ていた。

「何だろうな、あれ」

「最新情報ってなんかリアルの方であんのかねぇ」

「だとしたら、俺達にはあんまり関係無いかもな」

「ははっ、違いないな。まぁ噂のVR化云々じゃないか?」

「それにしては大きすぎな気もするけどな」

 それにしても、ゲームの最新情報発表、オフラインイベント、黒い箱、か……どこかで、似たような展開を見たな、どこでだったか……。

 そんな思考を遮るように、司会はマイク越しに大声を出す。

「皆様! 大変お待たせいたしました! これよりGrowing Survivors略してGS!オフラインイベントを開始します!」

 その声と共に、周りの客は歓声を上げる。

 一体どんな情報が来るのやら、これで普通のアプデ情報とかは無いだろうし……。

「おー、始まったなぁ、ユウ」

「そうだな」

「さて、どんなの情報が来るんだろうな」

「そうだなぁ……課金要素追加発表、しかも重要品」

「うーん、なかなかプレイヤーの財布を喰ってくな、そりゃ」

 それから1時間前後、箱の事には一切触れず。今後のアップデートの予定を軽く話したり。ああしたい、こうしたいという話が続くばかりだった。

 そして、一旦休憩と言う事で、午前中の部は終わりを告げた。

「休憩タイムか、なんか食い行くか? ユウ」

「そーだな、近くにレストランあっただろ、行くか」

「おう、んじゃ行くか」


  付近のレストラン

 会場から来てる奴もそこそこ居て、空き席が少ないレストランで、俺達は箱に関しての話題で盛り上がっていた。

「結局、箱に関してはまだ触れてねぇな、どう思うよユウ」

「んー……あれじゃ無いか? VR化の奴にしちゃ大きいしアーケード化とかで、中に筐体」

「なるほどねぇ。で、実際そうだとしたらお前やる?」

「ああいうのってコストの割にアレだろ、多分やらん」

「お前そういうとこあるよな。コスト気にしてちゃ楽しめねぇぞー?」

「いいんだよ、俺にはGSでやる事残ってるし」

「そーかい、まぁ俺もだけどな! そーいや、次っていつからだ?」

「……そういや言ってなかった。そもそも俺午前だけと思ってたしさ」

 そう言いつつ改めてGSの公式ページのオフラインイベントについての情報を確認する。場所やら開始時間は書いているが、それ以外の事は全く書かれていない。今見直すとかなり雑な案内だな、これ。

「俺は午後もあると思ってたぜー。予定されてた時間短すぎたし」

「で、その予定とやらに午後の部の開始時間は? 公式見ても特に書いてないけどどこ情報だよそれ」

「SNSで誰か言ってた気がする、ちょっと見た程度だからうろ覚えだけど」

「そんな曖昧な情報を……まぁ、周りの誰かが行ってるの見たら俺達も行けばいいか」

「そーだな、そうするかー」

 暫く待っていると、俺とロックのスマホが震える。スマホの通知センターを見ると『Survivors Link』に俺宛てのメッセージが来ていた。


GS:午後からの部は午後5時より開催です


「……SLのほうで5時っつってるな」

「5時? 俺の方はあと1時間で始まるって来たぞー」

「なんじゃそりゃ。俺とロックで来てる情報違うってミスか何かか」

「んー、フェイクかぁ?」

「……なんかめんどくさくなって来た、帰っていいかな、これ」

「まぁまぁ、もうちょいここで待ってみようぜ。俺も向こうで待ってる奴に聞いてみるし」

「…おう、んじゃ待つか」

 正直帰りたいとと言う思いを抑えながら、俺はロックとレストランで待つことにした。

 そして、2時間ほど経ち、流石に帰るか?と言おうとした瞬間、ノイズのような音が聞こえたド同時に、会場の方向から何かが爆発したような音が聞こえた。

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