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志望業種は――魔法少女で!  作者: 竹内緋色
第二傷 魔弾の射手
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第22歌 その3

第22歌 その3


「朝ですよー。早く起きてご飯を食べますよ」

 もうすぐ第2傷も10万字近くなります。

 無駄な文字数を使って申し訳ありません。番外編で主人公をやらされる羽目になったキワムと申すものです。

「早く起きてくださいよ!先生は生徒より早く登校するものなんでしょう?」

「そんな法律を俺は知らない」

 この春、俺はとある女子校の教師になったわけだが、何故か女子校の生徒たちが俺の家に上がり込んでいたりする。

 その筆頭がこの蕗谷メブキだ。

「そうだよ!先生☆早く起きないと先生の大きな胸にダイブしちゃうぞ!」

「俺の胸は薄い。それと、どうしてお前まで家にいるんだ。月影夜空」

「いいじゃんいいじゃんすげーじゃん。気にしない気にしない」

 俺はぼさぼさの頭を掻く。

「朝ご飯にする?お風呂にする?それとも、ツキちゃん?」

「寝る」

「ダメですよ!先生!」

「そうよ。そういうのが夫婦生活に亀裂を入れるのよ!求められたらきちんと返さないと」

「お前らは一体なんなんだ!」

「先生の恋人」

「先生の生徒です」

「そこ。俺はお前の恋人になった覚えはない」

「いやだなー。この前言ったじゃない」

「言っていない。10人未満の読者がその証人だ」

「少ないとダメだよね☆ということで!先生の恋人決定!」

「「ちょっと待った!」」

 俺の部屋に向けて二人のよく似た女の子が飛び出してくる。

「おにいちゃんはミワだけのものなんだけど!?」

「あらあら。幼な妻を放っておいて浮気とは。処刑ものよね~」

「すまんな、琴音。俺はお前の夫でもないんだが」

 ミワは最近知った俺の妹で、琴音は俺の幼馴染だった。教師と生徒が幼馴染というのはレアかもしれないがそういうこともある。

「それより俺は学校に行かなければならない。生徒より早くな!だから、お前たちは俺よりも遅く登校しないといけないわけだ!」

「何言ってるの?おにいちゃん」

「ミワちゃん。キワムさんは私たちと登校しないと言っているみたいですよ」

「ミワはおにいちゃんの妹だから当てはまらないよね!」

「いいや。お前も一緒だ」

 落ち込むミワを尻目に俺は階下に降りていった。


「いやあ、おはよう。キワム」

「おはようございますなのですわ――だぜ!」

「……」

 俺は無言で居間への襖を閉める。そして、背後を見る。

 8つの瞳が俺を見つめていた。

 俺は居間に入ることにする。

「どうして理事長がここに?」

「キワム。おままごとの約束はどうした」

「あれは冗談です」

「ひどいよ!キワムに乙女の純真な心を汚された!」

「あらあら。先生。いけませんのですわ――だぜ!小学生を泣かせてはなのですわ――だぜ!」

 小学生理事長はヒキコモリの波野司の胸に飛び込む。豊満な胸が小学生の頭を包み込んだ。

「どうしてヒキコモリと理事長まで俺の家にいるんだ」

 よくアニメなので目にする光景だが、すっごく迷惑である。

「あばばあばばあばばばば」

「わたくしは気を許してしまうと学校に行くことを忘れてしまうのですわ――だぜ!だから、この家に寝泊まりさせていただきますのですわ――だぜ!」

「いや、色々問題いあるだろ」

「あばばあばばば。うぐぅうぐぐぐぐ!」

「おい、波野。小学生が窒息しかけてるぞ」

 波野は理事長を包んでいた両腕を緩める。

「バハァ!まさか、地上で溺れることになろうとは……」

 一体どこのアンノウンの仕業だろうな。

「まあ、そういうことだから」

「どういうことなんですか!」

 気がつけば、女子高生たちはテーブルに食事を広げている。どうも朝食を作ってくれていたらしい。

「さ☆先生、お口を開けて。あ~ん」

「あん。ふむふむ。それで、お前は何故こんなことを?」

「だって、ツキちゃん、先生の恋人だし?」

「ただの教師と生徒だ」

「ミワだって食べさせるの!はい、あ~ん!」

「味噌汁はやめろ!冗談では済まされない」

「えっと、キワムさん。今朝頑張ったんですけど食べていただけますか?」

「謙虚そうに言って無茶苦茶口に放り込んでくるよな」

「うふふ。幼なじみの手料理こそキワムの大好物よね」

「お前、さっき何を隠した。下剤だと?まさか、それに入れたのか?」

 琴音はオホホと笑うだけで何も言わなかった。

 疑わずに食べていたら大変なことになっただろう。

「キワム。私に食べさせて」

「なんで俺が小学生に食べさせねばならん」

「だって、そういうの好きでしょう。キワムは。いつも二人だと悪戯してくるし」

「していない!あらぬ誤解を生むだろうが!」

「そうなのですわ――だぜ!先生はきっと男の人にしか興味がないのですわ――だぜ!こんな可愛らしい女学生が一つ屋根の下寝泊まりしているというのに胸の二つや三つ、触ってきませんもの」

「お前の胸は幾つついているんだ!」

「触って確かめますのですの――だぜ?」

 俺は波野の胸を直視する。豊かな胸は呼吸をするたび弾力を持って上下する。

「って、いかんいかん。そんなことはしない。そもそもにお前たちは俺にとって妹のようなものだ。妹に欲情する兄はいないだろう?」

「3次元にはいませんのですわ――だぜ!」

「でも、2次元相手だと多いですよね」

「ここはミワのターン!?」

「でも、それなら、幼なじみもチャンスがあるのではなくて?」

「幼女が最高だろ!」

「でも、結局は先に寝た奴が勝ちだから☆」

「だから!興味がないと言っておるだろうが!」


「ねぇ、雷先生」

「どうしたんですか?」

「俺、教師に向いてないですね。よく分かりました」

 職員室で俺は美しい雷先生に愚痴を言っていた。

「そんなことないですよ」

 雷先生は俺の頭をぎゅっと抱きしめる。大きな胸が心地良い。

「そのうち生徒にも好かれる時が来ますから。はじめのうちは誰でも挫折しますし」

「好かれ過ぎて挫折しそうなんです」

「キミたちは何をしているんだ」

 体育教師のザウエル女史が俺たちを睨む。ちなみに英語教師でもある。

「いえ。どうしたら生徒や小学生に嫌われるものかな、と」

「それを我に聞かないでくれ」

「そうですよねー」

 俺は机に突っ伏す。

「それより、そろそろ次の授業じゃないのか?」

「そうですね」

 自分のクラスの授業をするのがこれほど苦になるとは思っても見なかった。


「さて。授業を始めるが」

「オイ。テメェ」

「なんだ?えっと……」

「光だ。テメェ、体育館裏に呼び出しておいて二日も姿を現さねえとはどういう了見だ?」

「なんのことだ」

「ほぉう。本気でドル箱にぶち込まれてぇみてぇだな」

「それを言うなら、豚箱だろ」

 ドル箱なら、むしろぶちこまれてみたい。

「俺になんか文句でもあるのか?」

「さて、授業を始めるぞ」

「待ってください。先生」

 光ではない生徒が起立して俺に抗議をしてきた。

「光さんは授業態度も悪いですし、もっとはっきりと叱るべきではないでしょうか」

「おい、ソラ。テメェ!」

「それに、先生からはあまりいい噂を聞きません。足一本で花山薫を倒したというのは本当ですか?」

 俺は生徒が家に上がり込んでいることを指摘されるのではないかと肝を冷やしていたが、ほっと安心する。

「残念ながら、嘘だ。流石に左腕も使わねば花山薫は倒せなかった」

「そうですか。では、一部のクラスの女子が先生の家に上がり込んでいるのも嘘でいいんですね?」

 ごくり。

 俺は生唾を飲む。

「あぁ……」

「聞こえません。はっきり言ってください」

 この時、俺はどうすればあいつらが二度と家に来なくなるのかを考えていた。

 教師としての尊敬のまなざしを、汚物を見るような目に変えてしまえばいい。

 そうだ。俺は汚物なんだ。

「そうだ。本当だ」

 クラス中がざわめく。だが、そのざわめきをもろともせず、女子生徒は話を続ける。

「それがどういうことなのか分かっているんですか?」

 俺は事実を言ったまでなのだ。もっと嫌われるような言葉を吐かねば――

「俺はな!女子高生の寝顔をこっそりと一晩中除くのが趣味なんだ!だから、毎日毎日寝不足で、体力がもたない!」

 一瞬、クラスがしーんとなる。そして、次の瞬間に

「女の子の寝顔を覗く《《だけ》》なんて最低ね」

「そうですよ!甲斐性無し!」

「それで寝不足だ?もっと度胸出せよ。童貞」

「おにいちゃん、流石にそれだけなのは逆に不気味だよ」

「もっとコロネちゃんを目立たせろ!」

「こら。コロネ。こんなふにゃちんにそんなこと言っちゃダメでしょ」

「先生☆童貞なのは分かるけど、ちょっと、引くかな☆ツキちゃんでも☆」

「そんな――わたくし、先生がそっちの趣味だと信じておりましたのに!裏切られてしまいましたのですわ――だぜ!純真な乙女の心を返してくださいなのですわ――だぜ!」

「一つだけ、突っ込ませてくれ」

 俺は大きく空気を吸い込む。

「波野。腐っているお前に純真な乙女などと言われたくはない!」

 すると、波野は思わず泣き出してしまった。

「先生。ナミちゃんを泣かすなんて許しませんよ?」

 女子生徒は俺を鬼の形相で睨んでいた。

「アンタを教師でなくしてやる!」


 結論として、俺は自分から教師を辞めることにした。

 初めから俺には向いていなかったのだ。理事長は小学生のするふくれっ面をしてなにやら文句をのたまっていたが、もう、俺を拘束する根拠もなくなったのだから、適当に置いてきた。

 もう、この校門をくぐることもないだろう。

 一歩、校門から出て行った時である。

「アンタ、バカなの?」

 息せききって一人の少女が現れた。

「委員長か」

 俺は朝言い争っていた少女が委員長であることをこの時思い出した。

「どうだ?俺は教師を辞めるぞ。これで一安心――」

「心にもないことを言わないでよ!」

 俺は何故だか怒鳴られる。

「夢をあきらめてもいいの?アンタはそんなんで後悔しないの?」

 いや……別に夢とかでもなかったですし。

「わたしをツキちゃん、ヒカリちゃん、ナミちゃんはずっと仲良しこよしだった。でも、いつの間にかみんなバラバラになっちゃって。でも、アンタが来てからヒカリちゃんは大人しくなったし、ナミちゃんは学校に来るようになった。ツキちゃんは相変わらずだけど。でも、全部アンタのせいなの!」

「えっと……話の筋が見えないんだが?」

「わたしはアンタに嫉妬してた。だから、ついかっとなってやったの。後悔はしてない。けれど、けれど!」

 いや、後悔くらいはしてくれていいんじゃなかろうかな?俺、今日から無職だよ?

「わたしはアンタに教師を辞めて欲しくない!」

 今さらじゃねえか!

「フハハハハハ!私は神だ!」

「またおかしなやつが出てきたな」

 校門に向かって歩いてくるのは上半身裸の男だった。

 きっと、ゲーム会社の社長だろう。

「任×堂?」

「いや、ダメでしょ。世界規模でバッシングを受けると思う」

「私は究極の委員長キャラを求めていた!そして、それに該当するのが赤井南空。キミだ!」

 社長は役者じみた演技をする。

「さあ、私のもとで働かないか?」

「ごめんなさい」

 委員長ははっきりと言った。

「わたしは男性同士の行為にしか興味がないの」

 すると社長はウイルスに侵されこの世を去った。


「いや。もう何でもありだな」



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