ヤンデレ娘とお兄ちゃん part3
「ねえ、お兄ちゃん
今日はどうして遅くなったの?遅くなるなら連絡しといてっていってたのに。」
俺の前で烈火のごとく怒ってるのが俺の妹も蓮花だ。
今日は委員長さんと遊んで帰ったのだが妹に連絡するのをわすれてれいたのだ
「すまん、連絡するのを忘れてた。
次からは気を付けるからこの通り、ゆるしてくれ。」
だから俺に責任がある。
俺は必死に謝った。うちは父親だけなので料理は妹が作っている。
機嫌を損ねるとテーブルにカップめんとポッドがおいてあるということもあるのだ。
「はあ、もうしょうがないな。許してあげる。それでなんで帰ってくるの遅くなったの?」
どうやら許してくれたようだ。
一人でカップめんをすするわびしさを味あわないでよくてたすかった。
「あ、ああちょっとな。」
「ん?そう。」
委員長と遊んでたんだけど言ったらめんどくさくなりそうだったからな。
妹はブラコンだから。ちょっと異常なぐらいに。
多分俺のことを異性として好きなんじゃないかってぐらい。
いや俺はナルシストじゃないぞ。
考えてもみろよ。洗濯物がなくなってたらするんだぞ。
それに布団に入ってこようとしたりもするし。
飯を作ってもらってるから指摘してないしあれでも妹だから大目に見てるけど、
これで妹がかわいくなかったら速攻縁を切ってたね。
いやまあ、かわいい女子に好意を寄せられてたら嬉しいだろ。
たとえ妹だったり少し気味が悪かったりしても。
「まあ連絡さえくれたら大丈夫だから。
作り直すのもあれだからレンジでチンするね。お風呂にでも入って待ってて。」
「りょーかい。」
ブラコンて言うこと以外はよくできた妹だ。
家事を一人で担当している。
いや俺もたまに皿洗いぐらいはするけど、
蓮花がやらないでいいっていうからついつい甘えちゃうんだよなあ。
今日も甘えてとりあえずお風呂に入ってくるか。
ーーーーーーーーーーーー蓮花サイド
お兄ちゃんが今日も遅く帰ってきた。
この頃結構そういうことが増えた。
それにおにいちゃんなんか隠してた。
・・・・・・・・カバンの中を調べよう。
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カバンの中からプリクラを発見した。
プリクラにはお兄ちゃんと委員長さんが写ってた。
お兄ちゃんと委員長さんが楽しそうに写ってる。
楽しそうに
たのしそうに
タノシソウニ・・・・・・
ーーーーーーーーーーーーーーー
「蓮花ー上がったぞー」
「お兄ちゃん準備はできてるよ。」
机の上にはおいしそうなご飯がおいてある。
ただ妹が不機嫌になってる。
俺なにかしたかな?
「いただきます」
「めしあがれ。」
理由もわからないからどうすることもできずに、その日はご飯を食べてからすぐに寝た。
あしたはカップめんかな?と思いながら。
「おー委員長、昨日は楽しかったな。」
学校で委員長を見つけてあいさつする。
「ええ、げーむせんたーっていうのは初めて言ったのだけどなかなかに楽しかったわね。」
「そんなこと言ってかなり楽しんでたくせに。」
「そっそんなことないわよ。」
昨日は委員長がゲームセンターに行ったことがないっていうんでゲームセンターに連れて行ったんだ。
そこで委員長はむっちゃくちゃはしゃいでた。
普段の物静かな委員長はどこ行ったんだっていうぐらいに。
「あーあーそうですねー。」
「ちょっとなによ。その棒読み。」
「ぜんぜんぼうよみではないですよー。」
「ちょっと違うってばそんなにはしゃいでなかったって。」
楽しいなぁ。
「お兄ちゃん、委員長さんとはどういう関係なの?」
妹と夕飯を食べているとこんな質問をしてきた。
ちなみに夕食はカップめんじゃなくてハンバーグだった。まあそれは置いといて。
妹が深刻だなあ。
これはあれだろお兄ちゃんのことが好きで、お兄ちゃんと親しい女の子が気になってるってことだろ。
やっぱりどうにかブラコンを矯正したほうがいいんだろうか?
「普通だよ普通。」
とりあえずこのままこの話題をしてたらそのうち妹が委員長に迷惑をかけかねない。
早めにこの話題を終わらせよう。
「それよりか、お前の方は学校とかどうだ?いじめられたりしてないか?」
「ふふ、なにそれ。会話に困った父親みたいだよ。」
「いやー、すまんな。ははは。」
「ふふふ。」
うん何とか話を逸らせたみたいだ。
このままどうにかして去ろう。
「そういえば風呂ってもうわいてるか?」
「あ、うん沸いてるよ。」
「じゃあ先に入るぞ。」
「うん、どうぞ。」
ふー、よかった。
昔俺のことを好きだって言ってた子が不登校になったことあってな。
その時証拠はなかったけど絶対妹のせいだったと思うんだよな。
もし本当にそうだった時の対応に困るから聞かなかったけど。
それがぶり返さなくてよかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー蓮花サイド
やっぱり委員長さんとお兄ちゃんの中は私に隠すようなものなんだね。
お兄ちゃんは私が重度のブラコンだって思ってるからそれで隠すっていうことは恋仲なんだね。
そんなのだめっ。
どうにかしないと。
お兄ちゃんが委員長に取られちゃうなんて
・・・・・・・・そうだっ、
ふふふ、いいことを思いついた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夜俺は一回でごそごそという物音がして起きた。
なんだ?泥棒か?
俺はおみやげで買った木刀を持って階下に注意して降りて行った。
キッチンから音がすると思ったら妹だった。
ただなんか様子が変だ。
かなり思いつめているような?
だから俺はとりあえず何も言わずに様子を見ることにした。
ーーーーーーーーーーーーーーー蓮花サイド
私からお兄ちゃんを盗ろうとするやつなんて死んじゃえばいいんだ。
だから私は委員長を殺そうと思う。
お兄ちゃんはさっき部屋に入って寝たから大丈夫。
行動を起こそう。
私は委員長を殺すためにキッチンから包丁を取り出す。
それに委員長の家の場所もばっちりだ。
何回か遊びに行ったことがあるからね。
昔はこんなメス猫育つと思わなかったんだけどお兄ちゃんを私からとろうとするならしょうがない。
殺してしまおう。
委員長の家の前に来た。
ここまで人に見られたってことはないと思う。
これからもお兄ちゃんと一緒に暮らしていくには誰にも見られないように、
証拠を残さないようにしないといけない。
今は夜すっごくおそいので見られるってことはないだろうけど注意は必要だ。
手袋はしてるし髪がおちないようにゴムで縛ったうえでフードを目深にかぶってる。
もし髪がおちてたとしてもお兄ちゃんの服に私の髪がついていてそれが委員長の家に落ちていたって解釈ができるし、そこまでの道にある監視カメラに映らないようなルートも知ってる。
えっ?なんで知ってるかって?
まあそれはね、昔お兄ちゃんに懸想してた子の情報を集めるときにストーカーみたいなことをしてたからだよ。
まあストーカー程度で監視カメラをそこまで気にしないでもよかっただろうけどお兄ちゃんに迷惑をかけられないからね。
私は完璧主義だからね。
それにストーカーだけじゃなくてそのあとにしたのはさすがに監視カメラに写ったら面倒だったし。
そのあとに何をしたのかって?
まあ秘密だよ。
それは置いといて。
委員長の家に侵入していこう。
委員長の家には監視カメラはついてない。
それに中で誰かが活動してる様子はない。
つまり全員寝てるってこと。
だから侵入は簡単。
縁側の方の窓から入っていこうと思う。
方法はメジャーな方法。
窓ガラスをライターで熱して水をかけるだけ。
ライターは誕生日ケーキにのろうそくに火をつけるために買ったコンビニで売ってた一般的なの。
水は二リットルのペットボトルを何個かもってきてたけど庭にホースがあったからそれを使った。
音もあんまりしない簡単な侵入方だ。
さて確か委員長の部屋は二階だったね。
さて委員長はぐっすり眠ってるかな?
ああ、ぐっすり眠ってるね。
ねたましい。お兄ちゃんの愛を一身に受けて。
「あなたが悪いんだよ。
私のお兄ちゃんを取ろうとするから。だからこれは当然の報いなんだよ。」
そういって私は委員長へナイフを振り上げ・・・・・・
「死ねっ!「蓮花っ!」・・・・・えっお兄ちゃん!?」
そうその声はお兄ちゃんだった。
私がお兄ちゃんの声を間違えるはずはないんだからおにいちゃんなんだけどなんでここに?
いやそれよりお兄ちゃんに見られた。
お兄ちゃんと一緒にいるためにはお兄ちゃんに軽蔑されたらいけないのに。
委員長を殺そうとしてたなんてお兄ちゃんに怒られちゃう。
私は今更意味がないっていうのにあわててナイフを隠す。
お兄ちゃんは何にも言わない。
何にも言ってくれない。
「おっお兄ちゃん?何か言ってよ。お願いだからっ!」
私はお兄ちゃんが何にも言わないことにとっても不安を抱いた。
叱ってもくれない。
昔悪いことをしたら叱るのは愛してるからなんだってお母さんが生きてるときに言われた。
だから叱ってくれないってことは・・・・・・・・
「蓮花。」
「ひゃいっ。」
お兄ちゃんが急に話しかけてくれてびっくりして声が裏返っちゃった。
でもよかったお兄ちゃんは私のことを見捨てたんじゃなかったんだ。
「お前はなにをしてるんだ?
委員長の部屋に侵入してそれからどうしようとした?
そのナイフで何をしようとした?」
「えっあっえっと・・・・・」
お兄ちゃんが淡々と責めてくる。
けどそれは愛情なんか全然こもってなくて、ただただ私を責めるような・・・・・
「お前が俺を好きなことは知ってた。」
えっ、知ってたの?はずかしい。
「だけどこんなことまでするとは思ってなかった。
前に言ったよな。
他人を殺すなんて最低だって。もしやったら縁を切るだろうって。
あの時は半分冗談だったんだけどさ。
俺わかったよ。あの時の言葉は本心だったんだって。」
「えっ、お兄ちゃんなにをいってるの。
やだ、お兄ちゃんがお兄ちゃんじゃなくなるなんて。
だっ大丈夫だよね。まっまだ殺してないし、ほっほら委員長だってぐっすりと眠ってるだけだし。」
「ああそうだな。委員長は生きている。
それだけが救いだな。だけどな、蓮花。
俺はお前を許容できないんだ。」
「おっおにいちゃん。」
「だまれっ!俺を兄と呼ぶなっ!
お前など妹だと思いたくもない!さっさと俺の目の前から消えろっ!」
そういってお兄ちゃんが木刀を一振りして言う。
お兄ちゃんが?
えっ、
だってさっき縁を切られて、・・・・・・・・・
お兄ちゃんはお兄ちゃんじゃなくなって・・・・・・・・・・・
けど私が大好きなお兄ちゃんはおにいちゃんで
けどわたしの目のまえの人はお兄ちゃんじゃなくなって
・
・
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・
・
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たっく蓮花がこんなことをするなんて思いもしなかった。
殺人未遂だなんて。
はあ、これがテレビで報道されたらきついよなあ。
これからどうしよ?
そんなことを考えていると蓮花が震えだした。
「お兄ちゃんはそんなこと言わないっっ!
私のお兄ちゃんはそんなこと言わないっ!」
いやそんな現実逃避されても俺は俺だし、そもそも蓮花がこんなやつだとは思ってなかったし。
「お兄ちゃんをどこに隠したっ!!さっさと答えろっ!偽物めっ!」
おいおいとうとうそこまで現実逃避しだしたか。
っと危ないな。
蓮花は今刃物持ってるんだった。
俺は突進してきた蓮花を木刀で重いっきし殴った。
あっ、大丈夫かな、蓮花。
思いっきり殴ったから「ゴツッ」っていう感じの音がしたんだが。
殺してなんかないよな。
これでもし俺が蓮花を殺しちまったらミイラ取りがミイラって感じなんだが。
っと、うん大丈夫だな。
血は結構流れてるけど傷自体は深くもないし頭蓋骨も陥没してない。
まあ、とりあえず救急車でも呼んどくか。
「あっ、えっなになになんで私の部屋に二人が・・・・・・?」
おっと委員長が起きちゃった。
今の状況を説明せよって言われたらいろいろとややこしいからなぁ。
「委員長、とりあえず救急車呼んでもいいか?」
「へっ、救急車?
って妹さん血がすっごく流れてるじゃない。大丈夫なの?」
俺が救急車って言ったことでやっと蓮花が倒れてるみたい。
気づくの遅いよ委員長。
「んー、見た感じ大丈夫そうだったよ。だから一応救急車を呼ぼうと思って。
今の固定電話借りるよー。」
「えっあっうんどうぞ。」
とりあえず俺は寝ぼけてるのか反応の遅い委員長から電話の使用許可をもらって救急車を呼んだ。
「それで、どういうことか説明してくれるんでしょうね。」
俺の前には烈火のごとく怒ってる委員長がいる。
なんでかっていうと委員長はパジャマを着てなかったからだ。
暑かったから下着のみで寝ていたとこ所に蓮花と俺が来たってわけだ。
蓮花に命を狙われてた時はよかったんだけど(よくはないけど)、起きた時に布団もずり落ちたわけでその時目の前にいた俺は委員長の下着を拝むことができたのだ。
いや事故だよ。
事故なんだけど思春期真っ盛りのおれには少々刺激が強かったからついガン見してしまったのだ。
しかも悪いことに委員長は起きた時に自分が下着一枚っていうことには気づいてなかったようだけど、
俺が委員長のことをガン見していたことは覚えていて・・・・・・
まあいまおれの前には不動明王も真っ青な委員長さんがいるわけだ。
あっ、今はちゃんと服も着てるよ。
「それで本当に何があったのよ。
あの妹さんの頭の傷、その木刀でやったものなんでしょう。
ううん、その前になんで妹さんとあなたがここにいるかってことから話してもらいましょうか。」
とりあえず委員長に俺のこれまでの行為を語った。
蓮花の様子がおかしいからついていったこと。
委員長の家に入っていったのが見えたこと。
それでばれないように少し時間をおいて入って行ったら、蓮花が委員長にナイフを突き立てようとしてたこと。
それで蓮花にお説教したら俺にナイフを持って突進してきたってこと。
それを木刀で思いっきり殴ったこと。
まあその後らへんは委員長も起きた後なので省いた。
これを聞いた委員長は絶句していた。
まあそうだろうなあ。
命を狙われたっていうだけでショックなことだっていうのに、
その命を狙ったのが知り合いの妹でそれなりに交流のあった相手なんだから。
委員長は俺にくっついてきた。
「少しだけ、少しだけこのままでいさせて。」
「おう。」
蓮花が暴走したのだっておそらく俺が原因なんだろうしそれぐらいはするさ。
ただな、委員長。
委員長は服を着たとはいえ夏用のうっすいパジャマでさ、
それでなんか汗とは違う良い匂いさせてさ、
普段意識することのなかったその女らしい体を密着させてくるわけよ。
もう俺の理性がやばいね。このままやってやろうかっていうぐらい。
まあやらんけど。
委員長、無防備すぎ。
その後の話をすると委員長さんが落ち着いて離れた後(何もやましいことはしてないぞ)、
警察の人から事情聴取された。
まあ俺も委員長の家に不法侵入してるし、今回のことで傷を負ったのは結局蓮花だけだったしな。
まあそれで事情を話したら、委員長に事実確認をしてた。
委員長は起きてたけど怖かったし寝ぼけて頭はまわってなかったから動かなかったけど、俺が言ってることとか聞いてたらしい。
これで寝てたってなったら証拠とか面倒なことになってただろうなあ。
ああ、それと蓮花だけど、殺人未遂についての裁判をしてから精神病院に入ることなった。
病名はなんだったかな?まあ忘れたけどとりあえず精神病院に入ったので安心だ。
マスコミとかのほうも何とかなった。
殺そうとしたのは蓮花だけど、それから守ったのが兄である俺だったおかげで社会的に死なずにすんだ。
そうそう、それから俺と委員長の関係なんだけど
「陽介君、送れてごめん。」
「おー委員長、大丈夫だぞ。スマホいじってたから。」
「もーそこは今来たところって言うところだよ。
それに名前で呼んでって言ったでしょ。」
「わるいわるい、でも綾だって呼び捨てでって言ったのにいまだに君ってつけてるし。」
「えーっと、それは少し恥ずかしいなぁって。」
「いやもう俺たち付き合ってるんだしさあ。」
俺は苦笑しながら言った。
そう俺たちは付き合ってるんだ。
あの事件の後、委員長から告白してきたんだ。
あれだ、委員長・・・じゃなかった、綾は自分を守ってもらったっていうことで「ありがとう」っていう感謝の言葉とともに告白してきたんだ。
綾が言うには結構前から好きだったっていう話だ。
俺意外と鈍感なのかもな。全然気づかなかったし。
まあ吊り橋効果で好きになったんじゃなくてよかったよ。
吊り橋効果で好きになってって言うんだったら多分そう長くこの関係は続かないだろうしな。
だってさあ、命を守るなんてかっこいい時に俺を好きになったんだったら普段のおれはすっごい色あせて見えるだろうし。
「どうしたの?考え事?」
おっと思いだしてたら綾を放置してたみたいだ。
「それで行くのは今日もゲームセンターか?」
「うん、そうだけどダメ?」
「いいやそれでいいさ、行こうか。」
デートがゲームセンターばっかていうのは困りものだけど俺は今日も幸せに青春を過ごしてる。
Bad End
その後委員長(綾)とお兄ちゃん(陽介)は結婚して、子供を産み、幸せに暮らしたそうです。
なぜBad Endかというと、
これはあくまで妹ちゃんが主人公のお話ですから。
妹ちゃんは精神病院に入らされ、お兄ちゃんと会えないまま一生を過ごすことでしょう。
その日々は色あせた日々。
つまりそういうことです。