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「よろしく頼む」 by黒田健太
次の日の放課後、俺とツヨシと徳永の3人はグランドへ向かっていた。
なぜなら今日はついに野球部の練習があるのだ。
「ついに」というのもおかしな話だが・・・
俺たちがグランドにつくと野球部の部室の前に
誰かが立っていた。
「野球部の部室ってここか?」
鬼塚だった。
後ろから先輩がやってきて
「だれだ?」「新入部員か?」
とか言っている。
「鬼塚明也だ。今日から野球部に入部させてもらうぜ」
「よろしく頼む」
俺は手を出した。
「ああ。よろしく」
鬼塚は俺の手を握った。
「ついにそろったか」
後ろから聞き覚えのない声が聞こえた。
「監督・・・」
キャプテンがそういってるから監督なのだろう。
「新入部員のみんな、はじめまして。
野球部監督の増川浩二だ」
30代くらいの人だ。
「じゃあ今日から練習がんばっていくぞ」
監督はそう言うとキャッチボールから始めろと
指示して校舎に戻っていった。




