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「ふざけんじゃねーよっ!!」 by鬼塚明也
俺たちは1年2組の教室を覗いていた。
ちなみに俺のクラスは1年4組だ。
別に女子の着替えを覗いているというわけではない。
鬼塚明也を見ているのだ。
「金属バットを持ち歩くなんて野球が好きなんだな」
ツヨシ、バットを持っている理由はそれじゃないだろう。
「手紙に気づくかな」
徳永がつぶやいた。
俺たちは鬼塚の机に手紙を置いておいた。
「放課後体育館裏で待ってます」と書いてあるはずだ。
鬼塚がその手紙に気づいたのを確認してから
俺たちは教室に戻った。
俺とツヨシと徳永が体育館裏で待っていると
鬼塚が金属バットを肩に担いでやってきた。
「何の用だ」
鬼塚は低い声でつぶやいた。
「野球部に入ってくれよ!」
ツヨシがいつもの調子で元気よく言った。
「それだけのために俺を呼び出したのか・・・
ふざけんじゃねーよっ!!」
鬼塚の言葉には怒りが込められていた。
そして鬼塚はツヨシに近づくと
ツヨシめがけてバットを振り下ろした。




