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「ダメだ・・・不安要素追加・・・」 by黒田健太
次の日俺が教室に入ると、ツヨシが俺を呼んだ。
「おはようケンタ!紹介したい人がいるんだ!」
ツヨシの後ろから男子生徒が出てきた。
見たことない人だ。隣のクラスか?
「えっと・・・僕の名前は矢部宗一です。
今日から野球部に入部します」
矢部は深く頭を下げた。
一人称が僕の絶滅危惧種がもう一人・・・
矢部は身長は低くちょっとポッチャリしていた。
俺は質問してみた。
「ポジションは?」
「野球やってないです」
「何かスポーツしてたの?」
「学校の体育だけです」
「野球のルールは?」
「あまり知らないです」
「なんで野球部に入ろうと思ったの?」
「誘われたからです」
ダメだ・・・不安要素追加・・・
「あと2人いないと試合できないだろ」
ツヨシは自信満々に言っている。
「そりゃそうだけど・・・」
「僕頑張ります!」
矢部は元気よく言った。
「やる気あるから大丈夫だろ!」
そういう問題じゃないんだが・・・
だけどせっかくの入部希望者を断るわけにはいかんので
「矢部くん。これから頑張ろうね」
こうして矢部宗一の入部が決定した。




