「人魚」(ショートショート)
姉 「てかさー、人魚っているじゃん?」
妹 「んー」
姉 「けど、考えて見たら人魚っていうと、みんな“女”だよね」
妹 「んー、そうだねー」
姉 「“女”ばっかで、“男”はいないワケ?」
妹 「んー」
姉 「てか男の人魚がいたらキモくない?ちょー引くんですけどw」
妹 「んー、どうなんだろうねえ。
それはでも、その人魚がどんな男の人かにもよるんじゃない?
ジャニーズ系とかならカッコいいよねー」
姉 「え?何、ジャニーズ・・・?
ジャニーズとか私的には全然ないんだけど、
けどジャニーズでってならもう、
錦織?」
妹 「えッ・・・!?」
姉 「あの、何ていうか、ちょっと頭のてっぺんがハゲ掛かってる感じが・・・」
妹 「ちょ、ちょっと!ちょっと・・・!w」
姉 「だからISSAなんかでもいいかなw」
妹 「ちょ、ダメだよ、何でそんなみんな・・・w」
姉・妹 「wwwwwww」
妹 「けど童話だと確か、海で助けた王子に恋に落ちて、
それで魔女の所に行って自分の声と引き換えに足を付けて貰うんだけど、
王子様には全然気付いて貰えないって・・・、
切ないよねー」
姉 「ん~、けどあれってぶっちゃけ、人魚って要は深海の生き物なんだよね?」
妹 「んー、そうなるのかなあ」
姉 「けど深海の魚ってさ、
水圧の関係で、陸に上げられたら内臓が口から飛び出して
ひでぶ状態になっちゃうじゃんw」
妹 「え~、ちょっと止めてよ~・・・」
姉 「あ、アタシなんかだったら逆に見付かっちゃうよ。
こんな、腹ポンポンに膨らまして、
両手で口塞ぎながら“う~!う~・・・!”ってw」
妹 「え~、ちょっとちょっと・・・!」
姉 「でさでさ、“もしもし大丈夫ですか?”なんて、
聞かれた途端、
瞬間、ゲロゲロwww」
妹 「と、とてもお茶の間の皆さんにはお見せ出来ない光景だよ~w」
姉 「けど、だからさ、例えば人間の巨大化なんてのもさ、
あれもでっかくなったら絶対に立って歩けないよ」
妹 「え~、何で?」
姉 「内臓が重くなり過ぎてさ、内臓がお腹ん中でズルッと下に
おっこちて行っちゃうじゃん」
妹 「あ~、なるほど。それも結構グロだね」
姉 「だからあれも横になって寝てるしかないよ」
妹 「なるほど~」
姉 「だから大きくなるより、小さくなった方が絶対強いよ」
妹 「え~、小さくなったらただの昆虫とかでも凶暴なバケモノに変わらない?」
姉 「違うよ、だからもっと小さくなるんだよ。
中途半端なサイズではなく、それこそバクテリア並みに」
妹 「あ~、なるほど~」
姉 「そこまで小さくなればハッキリ言ってもう、無敵じゃない?
どんな敵だって身体の中に入って攻撃すればイチコロじゃん。
ヤバくない?
無敵、あたし無敵」
妹 「なるほど~、でもバクテリアサイズだと風に飛ばされそうじゃない?」
姉 「風?あ~、風ね・・・・・」
妹 「ん~」
姉・妹 「・・・・・・・・・」
姉 「ん、何かメール来た」