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息子がみそ汁しか食わしてくれないでござるの巻

休日.朝ーーー



チュンカチュンカチュンカ


俺「ん・・・。朝か・・・。ふぁーあ」


スタスタスタ




俺「・・・おい、親父。朝だぞ」


親父「んががー、ぐごー」


俺「しかしこんな状態でよく熟睡できるな。」


親父「んごおー。ずぴー」



俺「起きろよ。今日は誰か来るんだろ」


ゴチーンゴチーン <ーチョップしてる音


親父「んご・・・」


親父「んふふ・・・人違いですよ、アントニオ・バンデラスじゃないですよ・・・」


俺「図々しい夢見てんじゃねーよ」


ゴスッ


親父「んがっ!」


親父「人の心に闇ある限り、私はまた蘇るぞ!!鈴木いいいいいいいいい!!!」


親父「なんだ夢か」



俺「どんな夢だよ」



* * *


朝食



親父「ズズ。あーみそ汁うめぇー。お父さんはもう、朝メシにみそ汁を飲む事以上の幸福はいらんね。これ以上はバチが当たるよ」


俺「それは楽でいいわ。これから三食みそ汁な」


親父「欲を言えば子供にもっと愛されたいかな」


俺「ところで、今日お客さんが来るって行ってなかったか」


親父「あー、ちょっとした事情で。今日一日だけ親戚の子供を預かる事になったんだよ。」


俺「ふーん。どんな子」


親父「物静かな大人しい子だったよ。前に会ったときは」


俺「へえ、何時ぐらいに来るの」


親父「実はもう来てる。お前の後ろ見てみろ」


少女「・・・」


俺「うおお!び、びっくりした」


親父「こんにちはー、久しぶりだねー」


少女「・・・」コクン


俺「あ、ああごめんね。びっくりして。初めまして。今日一日よろしく」


少女「よくもここまで来たものだ。

   貴様等は私の全てを奪ってしまった。

   これは許されざる反逆行為といえよう。

   この最終鬼畜兵器をもって貴様等の罪に私自らが処罰を与える。

   死ぬがよい。」


俺「   」


親父「はいはいよろしくねえ」


俺「いやいやいやいや」


俺(おいコラどういう事だ。あれは何処の大佐だ。何か聞いた事あるぞあのセリフ)ヒソヒソ


親父(いやー挨拶だろ多分、昔は大人しく物静かな子だったんだけどね)ヒソヒソ


俺(本当かよお前)


親父(きっと照れ隠しか何かだろーかわいいなー。あっはっはっは)


俺(めっちゃ睨んでんですけど、目がマジなんですけど。)


親父「そうだ!今日は動物園に行く約束だったなあ。でもおじさん壁に埋まっちゃってて身動き取れないから。このお兄さんと一緒に行ってきなさい」


少女「構わぬ。」


俺(オイコラ聞いてねえぞ。何言ってんだお前。お前何言ってんだ)ヒソヒソ


親父「こっちのお兄ちゃんも昨日から動物園楽しみで眠れなかったんだって」


少女「救えぬガキだ」


俺(親父てめえええええええええ!)



* * *



動物園



俺(結局来ちまった・・・。畜生あの親父・・・)


チラ


俺(無言でガンガン歩いて行くなあの子。何か見たい動物があるのか?)


少女「ぬ・・・」ピタ


俺(あ、キリンの前で止まった。)


少女「・・・」


俺「え、えーっと。キリンさんが好きなの?」


少女「ニヤァーーーー」


俺(うわーすげー笑ってるよ。怖っ)


少女「奴をどう料理するか考えていた」


俺「あ、そうスか・・・」


少女「奴の長い首は長所であり短所だ・・・。巨体はまず末端から攻める・・・。

   まずは足を払い体勢を崩し、頭が下がった所で首に組み付き関節を極める」

   ここから先は純粋な力の勝負だ・・・。

   奴の首がくびり切れるのが先か・・・。己が首ごと振り回され叩きつけられるか・・・」


俺(キリンさん見ながらそんな事考えてたのかよこの子。どこの最強生物だよ)


少女「ククク、勝敗は明らかだがな・・・。ぬ、あれは・・・」


スタスタスタ


俺「あっ、どこに」


俺(乗馬コーナー?)


少女「・・・」じーっ


俺「・・・・馬、乗りたいの?」


少女「いらぬ!!おれが体をあずけるのは黒王号のみ!」


俺「世紀末覇者かよ」




* * *



パカッ。パカッ


少女「・・・・・」←馬乗ってる


馬「ヒヒンヒヒン」


俺「結局乗りたかったのな」←なんか扱いに慣れた


少女「・・・食えぬ男よ」


馬「ヒヒィン」


少女「フン、中々良い馬だ。いいだろう。この拳王の物になるか?」


俺「ノリノリだな・・・。でもそれ動物園のだから。公共の物だから」


少女「従順か死を選べ!!」バッシィ! 


馬「ブルッッヒヒィィー!!!」


俺「うわっ馬鹿!暴れさせるな!!」


パカラッパカラッ!!


少女「フハハハ!心地よい乗り心地だ!」


俺「降りろって!あぶないから降りろって!!」


少女「この拳王、馬などは屈さぬ!!」


俺「そういうのいいから!!なんか人集まってきたから!」


少女「愚民ども頭が高い!ひかえいひかえい!我こそ天下なり!」


俺「もう黙れお前!」




* * *


その後



俺「・・・・・」


少女「・・・グス」


俺「・・・飼育員の人にすげー怒られちゃったじゃねーか」


少女「グス・・・フン、どこまでも下衆なやつらよ」


俺「・・・ハンカチやるから目と鼻をふけ」


少女「・・・」グシグシ


俺「まったく・・・ケガが無かったから良かったようなものの」


少女「・・・」


俺「すっかり夕方になっちまったな。そろそろ帰るか」(ほとんど怒られてただけだったな)


少女「・・・ぬ」


俺「ん・・・?出口に誰かいるな、迎えにきたのか。母ちゃんか?」


少女「・・・」コクリ


少女母「あらあら、どうもこんにちは~」


俺「こんにちは」


俺(母ちゃんは普通っぽいな)


少女母「今日はごめんなさいねぇ、ちょっと主人と地方の武闘会に出場しててねぇ」


俺(普通じゃなかった)


少女母「ほら、お兄ちゃんに今日一日ありがとうございましたーってお礼は?」


少女「・・・・ふん」


少女母「ほらちゃんと言わないと」


少女「・・・この拳を土産にもっていくがいい!」


ゴスッ


俺「うぼっ・・・」


少女「・・・さらばだ!」


ダダダダ


俺「・・・あ、あの野郎」


少女母「あらあら!ごめんなさいねぇ、ちょっと愛情表現が苦手な子で」


俺「そういう問題です、か・・・」


少女母「でもきっと気に入られてるわよあなた。自分の認めた猛者以外は殴らないようにって、私教えてるもの」


俺「・・・なにその教育方針」




* * *


夜ーー

自宅.夕飯


親父「おつかれさん」


俺「ひでえ目にあった」


親父「はっはっは!あの年頃の子供は多感だからなあ!」


俺「・・・」


親父「ところで」


俺「何だ」


親父「お父さんの食卓にみそ汁しかないんだけど」




俺「お前今日から一週間みそ汁だから」




サブタイが迷走しているでござるの巻

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