国を救った王女の話
この王国には開けてはならない箱がある。
「誰かいませんか?」
私は呼びかける。ほんの数日前には女官、メイドたちが集まったのに。
来たのは一人だけだった。私と同年代、女魔道士、王宮魔道師のローブを羽織っている青い目の子だったわ。
「王女殿下!こちらにいられたのですか?早くお逃げ下さいませ」
「あら、貴方は?」
「魔道師見習いのニッキーでございます」
「そう、なら良かったわ。この扉の魔道鍵を開けて下さい」
「はい」
王女教育で習ったわ。この部屋にある箱は異世界人が持ち込んだ武器が入っている。
王国で大いに魔獣狩りを行ったが、爵位を断り。最期、王宮に封印を願いでた。
扉を開けたら木箱と的があった。箱の中には油紙で包まれている物があった。開けてみたら鉄と木で出来たボウガンのような物だわ。
武器かしら?
「お姫様、説明書がありますよ!」
「まあ、・・・・・」
この世界の言葉で書かれていた。
『この武器は64式7.62ミリ小銃である・・・・』
「まあ、これは転移者が持っている武器と同じだわ・・・」
この国はたった1人の異世界人の侵略に悩まされていたわ。
異世界人は強力な武器を持っており。民衆を巻き込んで反乱が起きたわ。
王都付近で決起し近衛騎士団は壊滅。
お父様とお兄様は戦死だわ。
この武器を使う間もなかった。
妹達は外国に避難したわ。お母様も先に行き調整したわ。
「グスン、せめて一矢を報いますわ」
説明書には使い方が書かれていた。
「まずは1日目、分解結合を覚えること」
図が書いてある。手順に応じてやるべきね・・・
「お姫様、必ずこの武器の下に毛布を敷いてやることと書かれております」
「まあ、本当だわ」
『部品をなくすのを防ぐためである』
『尚、この銃の分解結合は各国の幼年学校の例から12歳の知能で出来るものとされる』
12歳・・・私は16歳だわ。出来るはず。
『原理は後で分かる。今はそうなっていると思うべし』
何とか数時間で分解結合が出来た。
『分解結合が出来たら機能点検をすべし。やり方は・・・』
「まず。安全の(ア)・・この文字ね。ここにレバーを合わせて、引き金が引けなければ大丈夫。(タ)にして、・・・撃鉄をあげて・・こうするのね。引き金を引き。カチャと撃鉄が落ちた音がすれば・・・いいえ。このまま引き金を引き続けて、また、撃鉄をあげて・・・音がしなければ大丈夫・・・(レ)は引き金を引いたままにしておけば撃鉄の音が連続でする」
「ニッキー、後、何日後に反乱軍が来るかしら?」
「グスン、早く見積もって後二日後です」
「そう、もう1日、すすめるわよ」
『まずは伏せ撃ちを習うべし。もっとも安定する撃ち方である・・・』
『照準を合わせ呼吸する。吸う、吐く、止める。が一般的である』
『照星を的に合わせる。的の周りを円を描くように照星が回れば合格である。まず当たる』
照星・・・銃口の先についている突起物ね。これはボウガンでもあるわ。
『姿勢が良かったら、引き金を引く』
カチャ!
「やったわ。これで良いのかしら・・・」
『一発を200メートル先に当てるのは誰でも出来る。二発目以降、単発の連射が難しい。伏せ撃ちの姿勢のままに相棒に撃鉄を起してもらうべし』
「ニッキー、ここを引いて」
「はい、お姫様」
「あら、私の名前はソシリアよ・・」
「ソ、ソシリア様・・・はい、ニッキーでございます」
『相棒に撃鉄を起してもらった時の衝撃が弾を撃ったときの衝撃とほぼ同じである。力を抜き。自然と体が元の位置に戻るように演練すべし』
「分かったわ。ニッキー、続けて・・・」
1時間ほど練習をしたころだろうか?城外が騒がしくなったわ。
「ソシリア様、早すぎます。異世界人が来たようです・・・」
「分かったわ。実戦ね・・・城のテラスに出るわよ」
テラスに出たら・・・ノブナガがいた。女に囲まれているわ。1人は虎?猫かしら。獣人がいる。ノブナガ軍の幹部ね。
その後ろに銃を持った子供達がいるわ・・・
「子供に銃を渡すなんて・・・」
「ソシリア様、そそのかされたとしても反乱罪です。ご覚悟を決めて下さい。向こうも覚悟があるはずです!」
「そうね・・・」
弾を込める。安全装置ヨシ。コウカンヨシ、銃に押し込めてからコウカンを元に戻す。これで装填だわ。
「装填ヨシ・・・」
「ソシリア様、毛布です。ここに伏せて下さい」
「ありがとう、ニッキー」
照準合わせ・・・あら、距離・・・
「ソシリア様、私が測れます」
「危ないわ。ノブナガの銃もここに届くのよ!」
「ソリシア様も同じです!」
ニッキーは立ち上がり魔法杖を掲げたわ。
「照射!」
ピカッと魔法杖が光る・・・
☆☆☆城門付近
「ノブナガ様、何か魔法を放っている奴いますよ」
「リリアが入れば大丈夫だ。防御してくれたのだろう?」
「距離を測る魔道波みたいだわ。あら、あそこに魔道師が立っています」
「ギャオ!僕の爪で引っ掻いてやる」
「フフフフ、ギャオ子、リリア、僕が撃つよ。それよりも子供達をよろしく。大事な軍団の戦士たちだ」
「みなさま~、ノブナガ様が撃ったら城に入るわよ。爆弾を持った子たち、よろしくね」
「「「は~い」」」
僕は小山田信長、まさか、転移するとは思わなかった。
この国は貧しい子があふれている。
だから、僕が銃を配って訓練した。連戦連勝、そして、遂にこのルキア王国の王になる。
「このベルギーで開発されたFS2000は未来的、マグロとも呼ばれるが未来的なデザイン、気に入っている。未来の扉を開けるのさ・・・」
バン!バン!
「お、当たった!魔道師が・・・・」
言葉途中にノブナガは倒れた。いや、頭が吹き飛んだのだ。ソシリアの7.62ミリ弾が直撃した。
すぐにまた銃声が響く。
「ノブナガ様・・・・ギャアアーーー、背中が熱いわ!」
「ギャオー!痛いよ!お腹が痛いよ!」
側近の2人にも時間をおかずに着弾した。
現地人にも銃を持っている者がいるとは思いもしなかった。
まさか、自分たちも銃で撃たれるとは想像すらしなかった。
完全な奇襲だ。
☆☆☆王城テラス
「はあ、はあ、はあ、ニッキー、大丈夫!」
「ソシリア様、杖が壊れました・・・魔石に直撃しました・・それ以外は無事です」
「そう、買ってあげたいけど・・・もう、おしまいね・・」
「ソシリア様、子供達の銃が消えています!」
「まあ、本当だわ。ノブナガが死ぬと消えるのね」
「召喚魔法の術者が武器の実存・・・いえ、魔力でコピーしていたタイプです。ソシリア様のは対価を払い召喚元の矛盾を解決するタイプですよ!」
「そう・・フフフフフ、これで王国は安泰だわ」
その後、城外にいた騎士団の残党が孤児達をとらえ500余処刑されたと年代記に記述にある。
突然銃が消えたと書かれているだけだ。理由は銃の秘匿ともソリシア女王は暴走異世界人殺しの名声を拒んだからだとも推測されている。
最後までお読み頂き有難うございました。




