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駿河へ2
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「はぁ。。。」
鼻をすすり溜め息を一つつく。春が近づくと調子が悪くなる。涙が勝手に流れてくる。数年前からお時は春が来るたびにその事が悩みの種になっていた。
辰五郎親分に有無を言わさず連れて行かれた先からお時には縁談の話はなかった。
年をとるにつれ、行かずゴケになっていく。そしてもう、一生独りだなぁと何となく思っていて、それはなんだか何に対しても諦めが先に経つようで、お時はドン底にいるような気がしていた。
「鎌太郎親分は好きな人と一緒になれたかしら?」
お時は、鎌太郎の事をふと思い出して空を見た。空は晴れ渡り青空が綺麗だった。
「幸せになれたらいいわね、あ、もうなってるかしら?どうなのかしら?辰五郎親分に聞いてみようかしら。。。お節介おばさんみたいね。でも気になるわ。」お時は出掛けるついでに辰五郎親分のところへと向かったのだった。
3につづく