表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/21

2-4

 話の主人公を皇木に戻そう。


 一年時の新人戦で皇木が42秒で負けた一方で御園が優勝し、その後関東大会を制し、田村との対戦にこだわり続けてぎりぎりのところで勝てず、しかし格闘家としての矜持を保ったことを、皇木はどう思っていただろうか。


 皇木は御園のように、あるいは豊田(赤穂)のようになりたかっただろう。彼らのように明らかな強さと「格好良さ」を得て、それを周囲に見せつけ認められ、尊敬され畏怖されたかったに違いない。そうしておおげさに言えば――ボクサーとしての、または一人の少年としてのアイデンティティを保ちたかっただろう。


 しかし皇木にはそれが出来るだけの才能が無かった。決定的にパンチ力が無く、そして顎はひどく脆かった。残酷なことに、才能はいくら求めても、その求めた者全てに与えられるわけではない。


 皇木は一年時の新人戦で負けた後もボクシングを続け、翌年二年時の関東大会予選とインターハイ予選に出場した。そしてそのどちらも一回戦で敗退した。


 皇木の公式戦の戦績は、二年時夏までで0勝3敗となった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ