首里城ダンジョンと魔法
探索は楽しく進んでいる。
別にクリアしなくてもいいというのもありがたい。
俺と高校生3人組は、沖縄で海水浴したり、ナンパに失敗したり、観光したり、ソーキそばを食べたり、ともかく楽しんだ。
テイムもそれなりに成功している。
逃げ足強化(極小)のエスケープラット。
睡眠回復(極小)の目覚ましテントウ。
4人とも1体ずつテイムした。
「強者のいかくは知能が無いと効かないんですね。」
「単純にレベルが足りないだけかもしれないが…。」
2週間は早く過ぎた。
俺と高校生3人組の班は解散となった。
高校生3人組が、宿題が終わってないそうなのだ。
確かに夏休みの宿題は、面倒だよな。
俺は、ここからは1人でダンジョン攻略をすることになる。
せっかく沖縄にいるので、首里城ダンジョンに挑戦して欲しいとの要請が来た。
首里城ダンジョンの中に入ったら、少しざわつきを感じた。
念のため、色々なスキルを使ってみたところ、強者の見極めが反応していることがわかった。
多分、このダンジョンのボスはかなり強そうだ。
俺は1度、ダンジョンの外に出て、そのことを上官に伝える。
「無理はしなくて良い。だが、観光名所のダンジョンは世間体も悪いから、早くなんとかして欲しいそうだ。特別手当も申請しておくからできるだけ上手くやってくれ。何か必要なものがあったら言ってくれ。」
俺は、切れないワイヤーと栄養バーと1日の野菜を注文してシルと一緒に再び首里城ダンジョンに潜った。
首里城ダンジョンの中は、赤と白の木材を使った建物の中にいるような造りだった。
1階層のモンスターはワカメのようなモンスターだった。
強者のいかくで簡単にテイム出来た。
能力は味覚強化(極小)で、10回のスキルコピーで、味覚強化(小)となった。
ちなみにテイムは同じモンスターを2体はテイム出来ないようだ。
2体目はいかく自体は効くが、何かに弾かれる感覚があるのだ。
2階層のモンスターは空中を泳ぐ魚だった。
魚は知能が足りず、テイム出来なかった。
スキルコピーには成功して、浮遊を手に入れた。
浮遊は10回コピーで、浮遊遊泳に変わった。
3階層のモンスターは水の魔法を使ってくるサンゴだった。
知能も高く、テイムが出来た。
首里城ダンジョンの探索はここでいったん休止となる。
連れ帰ったサンゴが鑑定の結果、魔力操作(極小)と水魔法(極小)を持っていたのである。
もちろん、自衛隊の人たちの中で強者のいかく(極小)を持っている人たちを動員してサンゴは乱獲された。
これにより、日本人は初めて安全に魔法を覚えられるようになった。
ちなみに、俺はしっかり、魔力操作(極小)を(小)に、水魔法(極小)を(小)にしている。
この件で、俺は特別手当が出たので、沖縄料理を少し贅沢に食べた。
味覚強化(小)のおかげで複雑な味がわかるようになったので、食べる楽しみが増えた。
ダンジョン探索の一般ライセンス発行は明日らしい。