ボス
扉の奥には、俺の腰くらいの大きさのスライム、俺の胸くらいまであるゴブリン、銀色の狼がいた。
まだ向こうはこちらに気づいていないようだ。
俺は、向こうに気づかれる前に毒霧を使った。
銀色狼は、霧がおさまるとすでに、近くにいて噛みつこうとしてきた。
俺は、それに合わせてカウンター気味に鼻先を殴った。
すかさず、スキルコピーを使う。
銀色狼のスキルコピーは運の良いことに一発で決まった。
強者のいかく(極小)
さらに追撃で、銀色狼を蹴る。
いったん銀色狼は距離をとった。
次に、近づいてきたのは、大ゴブリン。
殴りかかってきたのに合わせて蹴りを入れようとしたが、銀色狼の邪魔が入った。
この部屋にも、罠はあるかもしれないので、足元には常に気を配る。
遠くを見ると大スライムがマイペースにポヨンポヨンと跳ねてこちらに向かって来ていた。
スキルコピーで大ゴブリンを狙っていく。
銀色狼の動きが回復してきたので、毒霧をもう一度使う。
銀色狼には毒霧がさっきより効いていないような気がする。
大ゴブリンは変わらず、動きは良くなっていないので、毒霧もしっかり効いているのだろう。
俺は、銀色狼に気をつけつつ、大ゴブリンにスキルコピーを使い続ける。
多分、17回目。
スキルをとることが出来た。
筋力強化(極小)
大スライムがやっと、こちらにたどりつく。
とりあえず、蹴り上げる。
後ろに、ポヨンと転がる大スライム。
ついでに大ゴブリンにも一発。
さらにダメ押しの毒霧。
銀色狼には多分もうほとんど効いていない。
大ゴブリンは相変わらず息をきらしている。
毒霧の効かない銀色狼は結構、動きが速かったが、こちらも徐々に目も慣れてきて、タイミングも掴んできたので、しっかりカウンターを当てている。
そんな状態で、さっきとった強者のいかくを使ったら、銀色狼は、寄って来なくなった。
そのうちに、大ゴブリンは倒せた。
銀色狼は、ボス部屋の隅で、座り込んでいる。
大スライムは、相変わらず、ポヨンポヨンとぶつかってくるが、10にした防御と、物理打撃ダメージ半減の効果で、1回のダメージはHP換算で2ほど。
休憩してMPを回復しながら、スキルコピーを使っていった。
しばらく粘り、物理ダメージ半減をスキルコピーして、大スライムを倒した。
銀色狼は、もうすでに敵対しておらず、いじめるのも可哀想なので、放っておいたが、どうやらそれでもクリア判定になったようだ。
部屋の中央に3つの宝箱が、あらわれた。
俺は1つずつ開けていくことにした。
何故か銀色狼は俺の近くで、おすわりをしていた。
1つ目、開けた瞬間体が光って、何かのエネルギーが入ったような感覚になった。
2つ目、俺だけでなく、銀色狼も体が、光っていた。
3つ目、金の塊らしいものが入っていた。
金をリュックにしまうとボス部屋が、光に包まれる。
気づくと俺は自分の部屋にいた。
夕方の俺の部屋。
重いリュックを背負ったままの俺。
ほほをつねるとしっかり痛かった。
そして…。
「ワフ!」
しっかり、銀色狼も部屋にいた。