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夢から覚める。  作者: 冬目投石
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帰ってきたといっても今だけ一時的にだろうし、父親と母親が帰ってくる夕方ごろには姿をくらますだろう。


うちのガレージは少し変わっている。灰色の床に落ち着いた雰囲気の色の壁。日本ではあまり見かけることがないスイッチで開くシャッターに

車二台が十分に収まるスペースを擁しているいわゆるアメリカンガレージなのだ。


外国ではこれが普通なんだろうけど。


このガレージは、昔兄が作業場として使っていた。両親は兄の趣味である科学に肯定的だったのでガレージを自由に使っても何も言わなかった。 


ただガレージの壁に銃火器類を隠した時と、勝手にガレージに地下を増設した時は流石に怒っていた。


そんなガレージに今兄はいるのだろうか。


ガチャ


「……………..」


兄はいなかったがその代わりいつの間に置かれた長机と大量のダンボールがあった。


長机の上にはパソコンのモニターや溶接道具、怪しげな色の液体が入ったビーカー、車の部品らしきものが。


そしてその段ボールの中には世界地図やロボットアームに人体の本?


すごくとっ散らかっている。


床にも部品やアームが散乱している。


とてもじゃないけど、今日の朝から夕方までの時間だけで散らかしたとは思えない。


それよりも重要な兄がいない。 さては地下か?


両親にバレて大目玉を食らっても結局破棄しなかったはずだ。


僕はそう考えてガレージのシャッター側の床の地味に灰色が濃い部分へ親指を押し付け灰色の粒子でカモフラージュされていた地下へと続くハ

ッチを露わにする。


ハッチを開けて梯子を降り、地下へと入る。最後に入った時と変わっていない。


僕は、兄が出て行った時からなるべく入らないようにしていたのですごく懐かしい気持ちになった。


バクタタンクや宇宙全域を表す地図や怪しい黄色の光。


そしていくら聞いても教えてくれなかった地図に書かれた三角形。


地下にもいない。


最もこの地下以外に隠し部屋があり、兄がそこにいなければ地下にもいないというのは正確だ。


「兄ちゃーん? 春ー?」実名で呼んでみるが応答はなく、声は反響するばかり。


僕は地下を出て、段ボールの上に座った。


その時、赤い閃光がけたたましい音と共に上下左右に広がり、そこから父親の車が出てきた。


反動で吹き飛ばされてシャッターにぶつかり、たくさんの書類や部品の下敷きになる前に最後に僕が見た光景は、突然として現れた車に潰された大きな部品と、コイルそして小さめの機械だった。


衝撃で縦に積んでいた段ボールの山が崩れ落ち、中に入っていた色々な細かい部品から大きい部品まで、車の屋根へと降り注いだ。


僕はなんとか書類の中から手を出し、書類をかきわけ状況を確認しようとした。車の中にいる人物は大体予想がついている。


兄だろう。 事件が起こる前家で変な現象が起こったりするとその原因や発端は大抵の場合兄だったのだ。


だがもしそうではなかったら? その可能性もある。兄は色々な手段を使って外国や宇宙を飛び回り、特殊な部品などの取引をおこなってき


た。 取引の中で、交渉人を怒らせたことも一度ぐらいはあるだろう。つまり、兄には少なからず敵がいる。


いままで、襲撃してくることはなかったが、今までの話だ。もし、もしもこの車の中の人物が兄でないエイリアンや殺人鬼だったとしたら?


僕は兄から学んだ。


異常な状況に自分ただ一人だけが遭遇した場合大切なのは平常心だと。


車の扉を凝視する。


大丈夫。


もし出てきたのが兄出てはなかったとしても、これまた結局破棄しなかった、壁の内側に隠した銃を収納しているコンパートメントをひらけば

いい。開閉手段はシャッターのレールを触ること。指紋認証がどうとか言っていた。


一人で緊張していると、車の扉が開く。


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