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九十話『一難去って』

真上へ向けて放った閃光はサイクロプスに直撃。首から勢い良く噴き出す鮮血。雨のように降り注ぐ。しばらくしてバランスを崩し、後ろ向きに倒れる巨体。その様子を見届け緊張が解けたテイト。竜化が解除される。


「ふぅ…よしっ!倒したぞっ!」

今回は発射の瞬間、衝撃に抗わないよう流れに身を任せるように上体をぐるりと大きく横回転させて、腕が受けるダメージを逃してみた。


ゆっくりと大きく背伸び。…良かった!腕が動かせる!島の時みたいに脱臼するのは免れたみたいだ!…いかんいかん!そんな事より!一目散(いちもくさん)に吹き飛ばされたケンジの元に駆け寄る。


「うわっ…!」

「あんなもん絶対身体に悪いじゃん…」

現在も上の階から毒々しい色をした煙がゆっくりと降り注いでいる。ひと目見ただけでも毒だろうと予想出来る見た目。…不味いぞ。早くケンジさんを連れて逃げなくてはっ!


「ケンジさん!ケンジさん!」

見ると吹き飛ばされたままの姿勢のケンジ。顔面蒼白のテイト、頬を伝う汗。おそるおそる肩を揺するも返事は無い。意識も無いが、わずかに呼吸はしている。生きてはいるようで安心したが、ゆっくりしている時間は無いだろう。


「ヤバい…ヤバいよ!どうする?どうする?!」

はっ!そうだっ!僧侶のヒイラさんにだったら助けてもらえるんじゃないか?!


って言うか思い出したぞ!上の階ではハラダさんとヒイラさんが取っ組み合っていたんだっけ?そうだ、それを止めようとした時に床が消えて…二人はどうなったんだ?取っ組み合いの原因も分からないし。


いや…このまま考えていても(らち)が開かない。どっちにしても急がないとっ!直ぐに上の階に戻らないとっ!上の階に続く階段は…あった!あそこだ!ちょっと距離有る。


こんな状態のケンジさんを動かして良いのかは分からなかった。けれど、ここにこのまま置いておいても毒煙に巻かれてしまうと思ったので、ケンジさんを背負って歩き出した。


ケンジさんが気を逸らしてくれたおかげでサイクロプスに勝てた。今度は僕が助ける番だ。振動をなるべく与えないように。でも迫る毒煙よりは早く。ゆっくりと走る走る。


「はぁはぁはぁ…」

ケンジを背負ったまま、やっとの事で五階層に戻って来たテイト。毒煙はテイトが開けた穴から六階層に全て流れ落ちたようで、通常通り呼吸出来る。


「!」

周囲を確認する。目に飛び込んで来たのは、首から上が無く横たわる超巨大な魔物?本で見たドラゴンのような見た目。一体誰が…?


五階層では現在も戦闘が続いている。ハラダ、召喚されたミルフ、鎧も戦っている。困惑した表情のテイト。ワンツの事は知らないし、ヒイラも一緒に探索していた時と、表情も動きも全く違うし、ローブを身に付けたガイコツが動いているし。


「いや、どういう状況?」


テイトを確認したワンツはアルフ達から距離を取ると、艶っぽい声で語り掛ける。ヒイラが挑発的にベロをペロペロと動かす。

「へえ!上がって来たって事はやっぱり、サイクロプスを倒して来たんだ!今回の"品種改良"は結構自信あったんだけどな」


品種改良?この人があのサイクロプスを作った?魔物を作るって何だ?疑問顔。話は続く。

「ねえ?突然だけどテイト君?"アタシのモノ"にならない?」

「そんなちんちくりん(アルフ)放っといてさ?」

「そしたらヒイラと二人で良い事してあげるよ?」


「!」

けしからん!突然何なんだこの美人は?良い事って何だ!ねぇ何?…でも、さっきまでアルフさんとハラダさん二人がかりで戦ってたぞ?誰かは知らないが、敵だし手練(てだ)れだ。それに…。


「どなたか知りませんけれど、僕はアルフさん達の"仲間"なんで…ごめんなさい」


「あーあ、振られちゃったか残念だな」

「じゃあさ…ここで死んで?」

ワンツのネックレスが光る。


「!」


テイトの元にミルフが駆け寄る。

「テイト!アイツはワンツ」

「あの身体は姐さんの身体なんすよ!」


そうか!あの人が鉱山に来る前に聞いた"アルフさんの因縁の相手"!って事はあれが奪われたアルフさんの身体!状況を理解したテイト。そんな彼の前に光の中から現れたのは、下の階で苦しめられた”あの魔物”だった…。


「テイト、あの魔物知ってます?」


「うん、サイクロプスでしょ?さっきやっとの事で倒して来たもん」


「えっ?!サイクロプスを倒した?!」

「コイツら魔界の奥に住んでる魔物っすよ」

「…こいつらもお願いして良いっすか?」


「無茶言わないでよぉ〜」


「ははは…こう何体も巨体が整列してると、逆に笑えてくるっすね」

引きつった笑顔のミルフ。召喚された青い巨体は三体。一体でもあれだけ苦しめられた。それが同時に三体って。ピンチすぎる。


「最後にもう一回だけ聞くけど"アタシのモノ"にならない?」


「嫌です」


「…()れ」


「!」

ワンツの合図にサイクロプス達が動き出す!来るぞっ!最初に竜化して、それから…。


「【回収(コレクト)】」

テイトの背中が軽くなる。背負っていたケンジの事を、アルフが異空間に仕舞い込んだ。

お久です。今北産業です。

→初めての一人暮らしスタート!

→これまで以上に怠惰な生活!

→3ヶ月空いちゃいました!すまん!


詳細・今後の展開は"活動報告"に置いときます。

この後20:00に投稿する91話で第一部終わります。





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