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八十六話『ネクロマンサー』

ハラダの足元に、禍々しいオーラを放つ赤色の魔法陣が浮かび上がった。途端にハラダが頭を抱えて苦しみ出した。瞳が赤く光る。

「ぐっ…ぐあぁぁぁ!」


したり顔のワンツ。ハラダに向けて手を差し伸べるポーズを取り、ひと言放つ。

「【強制…


ワンツが呪文を言い終わるより速く。ワンツの声をさえぎるかのようにアルフが言う。

「【完璧】」


ハラダの身体を【完璧】の防護壁が覆う。ハラダの足元にあった魔法陣が跡形もなく消え去った。それと同じく普段の表情に戻るハラダ。大粒の汗が頬を伝う。拭う。


何だ今のは…?頭が割れるように痛くなったかと思ったら、一瞬意識が飛んでいたようだが…?一体何をされそうになったんだ?


不服そうなワンツ。不満そうな声を漏らす。

「やっぱり面倒くせえなその呪文!」

「まあお前(ハラダ)はいいや、もういらない」


ワンツは大きな輪の中に逆五芒星が一つ入ったネックレスを首から下げている。そのネックレスに触れ、目を閉じる。

「来い"ネクロマンサー"」


ネックレスが怪しく光り出す…。


…六階層のテイトとケンジ。予想していた通り、この階層にも魔物が居た。地面を揺らしながら、こちらに近付いてくる一つ目の巨人。ゴブリンよりも、オーガよりもはるかに大きな青い身体。オーガよりも筋肉質。


「サイクロプスだ…生で初めて見たな」


「…あれはこっちに向かって来てますよね」


「多分そうだと思う、ははは…」

今日一日で色々ありすぎて笑っちゃってるケンジ。疲れた表情をしている。疲れ顔の理由はそれだけでは無い。この階層はこれまでの階層と比べると、更に酸素が薄く魔素が多い。


通常の人間は呼吸をするのも困難だろう。だいぶ無理しているはずだ。テイトは"僕に任せて下さい"とケンジに言う。


ケンジさんはフラフラで立っているのもやっとのはずなのに、今度は自分が(おとり)になって僕を逃がそうとしてくれていた。


今日初めて会った僕のためにそこまで出来るとは。ハラダさんもそうだった。そう言う意味ではケンジさんとハラダさんは似ているのかも。お礼を言って隠れておいてもらい、迫り来るサイクロプスを待ち構える。


「やるしか無いよなぁ〜ふぅ…」

そろそろ竜化出来そうな気はする。魔素の多い環境も僕にとってはメリットだ。早く仕留めて上に戻ろう。みんなで一緒に。指先に魔力を集めて点火する。炎を見つめる…。


「【竜化(ドラゴナル)】」


…アルフの前に現れたのは、魔法使いが着るような黒いローブを身にまとったガイコツの人物。大きな紫色の宝石があしらわれた杖を手にしている。本来なら目がある部分は空洞で、先ほどのハラダと同じように赤い光を覗かせている。


「よぉホネ、元気か?」


「…」

現れたガイコツはアルフの問いかけには答えない。ワンツがガイコツに命令する。


「ネクロマンサー、()れ」

ネクロマンサーの目が赤く光る。持っている杖で地面を叩くと、魔法陣が浮き上がった。その魔法陣からドロドロと粘性の強い黒い液体が噴き出す。


液体は近くにあったオーガ達の亡骸(なきがら)へと意思を持ったかのように近付くと、テイトによってバラバラにされた部位同士をつなぎ合わせ出した。所々にヒビが入り、金継ぎみたいな見た目。立ち上がるオーガ達。


立ち上がったオーガ達に生気は無く、ネクロマンサーによって操られているのだろうと容易に想像出来た。しかし、脅威である事は間違いない。先ほど倒したはずのオーガ達がそっくりそのまま立ち上がっているのだから。


「…はぁ」

「ハラダ、そこから出るなよ」


「アルフさま?」

「何をするつもりですか?」


「来い"カメ"」


アルフのネックレスが青く光ると、現れたのはトル爺。久々の登場。ハラダの方を向く。落ち着いた様子で。


「外の様子は異空間(あちら)から見せてもらっておった」

「ハラダ殿、テイトを助けて頂き感謝する」

喋った?見た目はどう見ても亀だが…?困惑しているハラダ。気にせず続けるトル爺。


「さて、問題はオヌシじゃワンツ」

「その身体…アルフに返す気はないかの?」


「何を言い出すかと思えばそんな事か…」

呆れたような表情から一変。怒りの表情に。


「まさかっ!ぜってえ返さねえよ!」

「この身体は何年もチャンスを待ってやっと手に入れたんだ、返すわけねえだろ!」

「ふう…殺れ、ネクロマンサー」


トル爺とアルフめがけて操られたオーガ達が迫る!オーガ達の動きは生前と遜色ない。むしろ操られている分、脳のリミッターが外れてパワーもスピードもこれまで以上。


「そうか…オヌシも見知った顔」

「最後の情けと思ったが残念じゃ」

「【洗浄(ウォッシュ)】」


これまでテイトや他の仲間達をキレイにしてきたのと同じ呪文。オーガの頭上に魔法陣。水の輪っかが現れる。くるくると回転しながら上から下へ。速度はいつもより速い。


オーガの身体をつなぎ合わせていた黒い液体。水の輪っかが通過した部分は黒い液体がキレイに洗浄される。オーガの攻撃はトル爺とアルフには届かない。頭上からバラバラと崩れ落ちた肉片が降ってくる。続けて攻撃。

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