表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

85/91

八十五話『何かがかすめた』

「ほらあれ!ハラダさんとヒイラさんケンカしてません?」


遠くに居る二人。ここからだと取っ組み合っているように見える。不思議そうなケンジ。

「えっ?ケンカ…?ハラダさんは普段、滅多に怒らないけど…何かあったのか?」

「とにかく急いで戻ろう!」


「はいっ!」

徒競走の"位置について、よーい…"のポーズを取るテイト。そんなテイトの頬をスゴいスピードで何かがかすめた。


「んっ?何だっ?」

「うわっ!血出てるじゃん!」

「…痛っ!」


指で確認すると血が。頬が切れていた。パックリと。ケガに気付いていない間は痛くないのに、ケガに気付き意識すると痛みを感じるあの現象。あれって名前あるのかな?


いや!今はそんな事より!

「早く!急ぎましょう!」


「そうだね、急ごう!」


急いで走り、二人の表情が確認出来る距離まで来た。険しい表情!やっぱりケンカか?!

「お〜い二人ともぉ!」

「ちょっと…どうしちゃったんだいっ?!」


うん。近くで見てもやっぱり取っ組み合ってるわコレ!止めなくては!二人の間に割って入ろうとするテイト。水泳の"位置について、よーい…"のポーズを取る。しかし。


「来るなっ!」


「!」

これまで声を荒げなかったハラダさんが大きな声を?あっ!待って!ハラダさんの手にナイフ?さっき僕の頬が切れてたのも…ハラダさんがあそこまでナイフを投げたのか?!


ヒイラさんは捕まっていたのか!とにかくヒイラさんを助けないと!でもあれじゃあ人質ですやん!どうするぅ?!


テイトが水泳の準備姿勢のまま戸惑っていると、地面が揺れ出した。あれ?これってもしかして…?はい。テイトさんご名答。


再び"床が消えた"


…落ちるテイト。さっきのオーガ達との戦いで竜化を解除したばかり。直ぐには変身できない!地面が見えないこの高さ!ペシャンコ待ったなし!いや!そんな事言ってる場合じゃ!


…う〜む。しかし、ハラダさんはどうしちゃったんだろうか?ヒイラさんにナイフを向けるとは。これまではそんな様子は微塵(みじん)も見せなかったのに。僕達が荷物を取りに行っている間に一体何が?いや!そんな事考えてる場合じゃ!


…って言うかヤバいよね?!ここは最終層。この第六層には何が居るのかも分からないのに、落ちたのは僕とケンジさんの二人。ケンジさんは武器の剣を持ってないまま落ちている。僕が何とかしなくては!いや!今はそんな事思ってる場合じゃ!


「…長くね?」

「全然落ちないじゃん」

「本当に落ちてるよねコレ?」


…うん。ちゃんと落ちてます!やっと見えましたよ地面!しかしこのままでは!

「うわあぁぁ!本当に死んじゃうぅぅ!」


「【速脚(はやあし)】!」

二人と一緒に落下していた、崩れた床を足場にして、ケンジがテイトに素早く近付く。テイトを抱えると、生えていた木を利用し落下の衝撃を抑え込んだ。着地&安堵(あんど)


「ふぅ…大丈夫?」


「た、助かりましたぁケンジさん」

「まさかまた落ちるとは…」

ここは明るいな。都合良く。周りを確認するとこれまでの階層よりも広く、天井がとても高い。一から四階層を繋げたくらいの高さ。


よくこの高さから落下して無事だったよね。一人だったら危なかったなぁ…。

「そうだった!ハラダさんどうしちゃったんですかね?」

「ケンジさん…?どうしました?」


…この床が消えるギミック。ゴブリン達がオーガの階層に落とされるのと同じ。とすると、五階層に居たオーガ達も"エサ"なのかも知れない。ここに居る何かの…!


一方その頃、第五階層。


距離を取ったヒイラとハラダ。ハラダの手には今もしっかりとナイフが握られている。


「ハラダ…」

警戒した表情のアルフ。睨みつけるような表情のハラダ。


「…悪りぃな、助かった」

二人の目線の先にはヒイラ。これまでの口調・表情・雰囲気とは異なる様子。


「…あーあ、残念残念」

「竜化を解除して直ぐの状態なら、ただのナイフでも殺せると思ったんだけど」

「アンタ…いつから気付いてたの?」


「会った時から」

「殺気がダダ漏れだ」

「お前は…何だ?」


「…」


質問しておいて自分への質問には答えないヒイラ。突然嬉しそうな表情になる。

「あ!来た来た!」

「ご主人さまー!」

「アーシ、しくじっちゃいました!」

「あとで"おしおき"して下さい♡」


「!」

"コツコツ"と足音を立てながら、暗闇から一人の人物が現れる。魔法使いが着るような黒いローブ。大きく開いた胸元。セクシー。褐色の肌。黄緑色の瞳とパーマのかかったショートカット。対面する二人をあざ笑うような表情。


「どうもアルフさま…あれ?」

「しばらく見ないうちに縮みました?」

「違うか!アタシが小ちゃくしたんだった!」

「アハハハハ!」


「…アルフさま?彼女は?」


「アイツは"ワンツ"…」

「アタシの身体を奪った"クソ弟子"だ」


「アハハハハ!」

「クソ弟子でーす!」


無表情になったワンツ。ハラダを指差す。

「さて…お前ずっとヒイラ(コイツ)の事を警戒してたよな?」

「竜の子からアルフさまが離れる時は、攻撃出来ないように間に入っちゃって」

「なかなかやるねえ?ずっと見てたよ?」


ワンツは両手で自身の顔を覆う。指の隙間から見える不気味な表情。

「良いなあ、欲しいなあ…」

「ねえ"こっちにおいでよ"」


「!」

ハラダの足元に魔法陣が浮かび上がる。

お読み頂きましてありがとうございました。


あの現象なんて言うのかしら?本当疑問ですな


「なんか面白かったよー!」

「続きが気になった!」

と思って頂いた親愛なる読者様へ…


画面下部の☆☆☆☆☆から

作品への応援お願いいたします。


面白ければ星5つ、つまらなければ星1つ

評価頂けますとうれしいです!


ブックマークもしてもらえると喜びます。


どうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ