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八十一話『ゴブリン』

「静かに…先に何か居るぞ」


「!」

四階層。奥に続く道の前。これまでの階層とは違う雰囲気。他の階層で見たコウモリやムカデなんかじゃない何かが居る…何かが動く音がする。一行に緊張が走る。


「準備は良いか…?」

「行くぞ…!」


息を合わせて飛び込んだ!中を確認するため、たいまつで照らす。そこに居たのはゴブリン。小さな人型の魔物。曲がった背中。緑色のぶ厚い皮膚。黄色くにごった瞳。吊り上がった耳。


中に入ったコチラを確認すると、ギザギザの牙をむき出し叫び声を上げる。この場に居るゴブリンの数は二、三十体ほど。ゴブリンの声が内部に反響する。


ここの空間はこれまでの階層と違い、内部が入り組んでいて迷路のようになっている。迷路の奥からもゴブリンの叫び声が聞こえる。何体のゴブリンが居るのか数は分からない。


先頭のハラダに向けて、五体のゴブリンがまとめて飛びかかる!しかしハラダは難なく自身が持つ大きな盾で攻撃を受けると、五枚まとめて弾き返した。宙を舞うゴブリン達。


「ケンジッ!」


「はいっ!【速脚(はやあし)】!」

目にも留まらない速さでケンジがその場から移動。その手に握る剣で、宙を舞うゴブリンを次々に斬り捨てる。


次々と襲いかかって来るゴブリン達だが、ハラダとケンジの連携は抜群だ。どんどんと先に進んで行く。ここに来る前に聞いた話だと、通常この鉱石場にはゴブリンは生息していない。


なぜここにゴブリンが居るのかは分からないが、アルフさんは"何者かがここにゴブリン達を持ち込んだ可能性が有る"と言っていた。


もしかするとゴブリン達は好きでここに居る訳ではないのかも知れない…僕達がここに入って来たから。侵入者の僕たちを追い出そうと、飛びかかってくるのかも。


ごめんよ。身勝手な理由で、彼らには悪いが先に進むため。地面に転がって居るゴブリンを横目にハラダ、ケンジに続く。


ピクリ。ケンジが切り捨てたゴブリンがぬるりと立ち上がる。その様子を一行の最後尾に居るテイトは気付いていない。


バッ!と飛び掛かる!ゴブリンの鋭い爪がテイトに迫る!その時。

「【完璧(かんぺき)】」


テイトの背後。空中に浮かぶ魔法陣。なんだ?テイトが後ろを振り向く。

「わっ?!ゴブリン?!」

「生きてたのか?!」


「ガキ、気を抜くな」


「わたしが!」

ヒイラがふところから短剣を取り出し、素早くゴブリンの首を()っ切る。生き絶えるゴブリン。ビックリした…息を整える。


「すみませんテイトさん!」

「ボクがトドメを刺せてませんでした…」


「いや、二人のおかげで大丈夫でしたぁ」

「それより…ヒイラさん?今のって?」

今の素早いナイフ(さば)きは…?


「こ、これでも冒険者の端くれですから」

「ナイフの扱いは心得てます」

カッコいい!助かりましたヒイラさん!それにアルフさんもありがとうね!って思った。


「カッコいい!」

「助かりましたヒイラさん!」

「アルフさんもありがとうね!」


「うるせぇ」


「お気になさらず、さぁ行きましょう」

いつも通り辛辣なアルフ。最初の自己紹介を聞いた時よりも、ヒイラの株が上がったテイト。テイトからの憧れの眼差しを背中に受けるヒイラ。


「どこからゴブリンか飛び出してくるか分からない、俺から離れないように」

ハラダの声に気を引き締める。血生臭い空間。一行は先へと進む。


「【挑発(ヘイト)】!」

キュイィィーーーン!うわっ嫌な音!金属同士が擦り合わされたような。モンスターからの攻撃を自分に向けさせる技らしい。使ったのはハラダさんだ。


さっきからゴブリン達は先頭のハラダさんに向かって攻撃を仕掛けていたので、効果がどれくらいあるのかは不明だが。


ここまで沢山のゴブリンを斬り捨て進んで来たが、まだまだゾロゾロとゴブリンは迷路の奥から湧き出てくる。流石にハラダとケンジの表情に疲れが見え始めた。


「ふぅ…数が多いな」

「…大丈夫かケンジ?」


「ボクはまだまだ大丈夫です」

額に流れる汗を拭うケンジ。大丈夫だとは言っているが、体力もだいぶ消費しているように見える。飛び出して来るゴブリンが止んだ。


「お二人、ちょっと持って下さい」

その時ちょうど、ヒイラが二人に呼びかける。前方の警戒は怠らずに二人が止まった。


「どうしました?ヒイラさん?」


目を閉じたヒイラは、何か唱え始めた。

「神聖なる力よ、ここに注がれん」

「身体を癒し、魂を安らかにせしめよ」

「【治癒(ヒイル)】」

二人の身体が温かい光に包まれる。


…しばらくして光が止んだ。二人の表情、どことなく二人が元気になった気がする!

「ヒイラさん!今のは?!」


「えっと、治癒の魔法を掛けました」

「お二人が疲れていると思ったので…」


「おぉ〜流石は僧侶のヒイラさん!」


「ありがとうヒイラさん!これならもう少し頑張れそうですよ!ね?ハラダさん?」


「ああ、ありがとう」

ガッツポーズして見せたケンジ、お礼を言ったハラダは先へと進む。恥ずかしそうなヒイラ。今の治癒の魔法は、島での特訓の時にトル爺に掛けてもらったやつかな?


ヒイラさんは魔法を使う前に何かブツブツと唱えていた。トル爺は何も言ってなかったような?何が違うんだろう?気になる…。


頭の中の"依頼が終わったら聞きたい事リスト"に追加しておこうね。よ〜し!みんなに置いて行かれないように先に進もう!

お読み頂きましてありがとうございました。


ゴブリン!


「なんか面白かったよー!」

「続きが気になった!」

と思って頂いた親愛なる読者様へ…


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