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七十九話『ハラダの場合』

「俺は"仕方なく"だ」


「仕方なく…?」


「いや、やっぱりこの話はいい…」


「え〜何でですかぁ?教えて下さいよ〜」


「ハラダさん、話してあげて下さい!」

「ボク達とテイトさん達はこれから一緒に鉱石場の最深部に向かうんですから、隠し事はナシにしましょ!」

「ねっ?ヒイラさんも聞きたいでしょ?」


「わたしはどっちでも…」

食い下がるテイトとケンジ。それほど興味のないヒイラ。この場に居ないアルフ。食い下がる二人の勢いに負けて口を開くハラダ。


「テイト君がどんなイメージを持っているのか分からないが…冒険者ってのは楽しい事ばかりじゃないぞ」

「…俺が若い頃、何者かに村を焼かれた」


「えっ?!村を…」


「魔物だったのか、魔人だったのか、あるいはそれ以外か…今となっては分からない」

「ろくに勉強もして来なくて、頭の悪かった俺は仕事を選べる立場じゃない」

「生きるためにはこれしかなかった」

「俺は仕方なく冒険者になった」


静かに聞いている三人。


「今居るギルドに拾われた俺は、ガタイは良くて体力も有ったから、冒険者としてそこそこ活躍出来た」

「依頼で訪れた村の娘と結婚して息子も産まれた」


「おぉ!これは!」

良い調子じゃん!順風吹いてきたんじゃない?!見るとヒイラさんも嬉しそうだ!顔を見合わせてお互いにガッツポーズする。


「いいや…息子が産まれてすぐだったか」

「"あの戦争"が起こった」

「俺も戦争には剣士として加わった」

「一緒に参加した嫁の兄貴は命を落とした」

「俺も戦争の影響で剣を握れなくなった」


「そんな…」

剣を握れない…?見ると確かに、原田さんの装備は大きな盾のみ。剣などの武器を装備していない。


ハラダさんは戦闘中、盾でのサポートに回るから武器を装備しない、使用しないんだと思ってた。けれど、使用出来ないんだ。時々聞く"あの戦争"とは一体なに…?


「戦争はアルフ…さまや他の英雄の活躍もあって、終わりを告げた」

「兄貴の事もあってなのか嫁は"もう冒険者なんて危険な事は辞めて、普通の仕事に就いたら?"と言ってくるようになった」

「俺にとっては冒険者(これ)が普通なんだがな」


「…」

ハラダさんの言い分も分かる。でも奥さんの"危険な目にあって欲しくない!"って気持ちも分かる。難しい選択を迫られたんだな…。


「それでも俺は冒険者を続けた」

「危ない場面に何度も遭った」

「そのうち重戦士(パラディン)なんて呼ばれるようにもなった」

「こんなだから嫁と息子には逃げられて、今でも細々と冒険者をやってるって訳だな」


「ここまで頑張ってきたんですねぇ…」

「貴重なお話ありがとうございました…」


ハラダさんが言っていた"冒険者は楽しい事ばかりじゃない"ってのが分かった気がする。何となくだけれど。


冒険者と言う職業は危険と隣り合わせなんだ。将来自分の身に何が起きるか分からない。ケガをしたり、命を落とす事もある。


僕は将来何がしたいんだろう?冒険者と言う職業について…漠然(ばくぜん)としか考えてなかったな。ロマンだけじゃ食っていけないと。考えとこ、将来の事。


「あっ、ハラダさん?」

「ちょっと気になってたんですけれど、盾の裏に貼ってあるその写真ってもしかして?」


「見えてたのか?最後尾から?」


「へへへ、目が良いんですわこれが」


「あぁそうだ、俺の嫁と息子の写真だ」

「嫁と別れたのが二十年前だから、息子は今頃ケンジやテイト君くらいの歳だろうな」


ハラダが自身の盾から剥がして見せてくれた写真。そこには一人の美しい女性と女性に抱えられた赤ん坊の姿があった。盾の裏に貼るくらいだ、今でも好きなんだろうなぁ…。


「ねぇ、テイトさん?」

「ハラダさんが最初にテイトさん達に会った時、ぶっきらぼうなオッサンだって思ったでしょ?」


「おいケンジ…オッサンは余計だ」


「あれね、テイトさんを見て別れた奥さんの元に居る息子さんの事を思い出してたからなんですよ」


「あぁ、そうだったんですねぇ」


「それと二人を見て"こんな子供達が依頼を?!危険だ?!"って思ったんじゃないかな?ね?ハラダさん?」


「それは言うなよ…」

「テイト君、悪かった」


「そんなそんな!気にしてませんよぉ〜」

なんだ!会えていない息子さんと僕達を重ねて身を案じてくれてたのか。優しい人じゃん。さらにずいずいと聞いていくテイト。


「今でも二人に会いたいですかぁ?」


「いや、たとえ会っても何を話せば良いか分からないし、きっと今も恨まれてるよ」


「はは!どうかな?」

「意外と帰って来るのを持ってるかも知れませんよ?ね?テイトさん?」


「う〜ん、どうだろうなぁ〜」

「でも別れたのが二十年も前だったら、会っても分からないかも知れませんねぇ〜」

「それに二十年も前だったら奥さん、許してくれるかも?分からないけれども」


「だったら嬉しいな…」

だったら僕も嬉しいよ。祈っとこう。拝拝。


おっと?座りすぎてお尻痛くなってきた。でも二人にだけ聞いてヒイラさんにだけ聞かないのも何となく気持ち悪いような気がする。

「ヒイラさんは?何で冒険者に?」


「わたしは…」

ヒイラが自分について話し出す。

お読み頂きましてありがとうございました。


全校集会とか。映画館とか。お尻痛くなる。左右に揺れると後ろから見ると楽しそう。


「なんか面白かったよー!」

「続きが気になった!」

と思って頂いた親愛なる読者様へ…


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