七十一話『食べ合わせ』
家族三人テーブルに座る。食卓に並ぶカレーとみそ汁。疑った表情のクエラ。
「ねぇ?お兄ちゃん本当なの?」
「カレーとみそ汁が合うなんて信じられないんだけど?」
「合うらしいのよ」
「まぁ食べてみようよぉ」
三人とも手を合わせる。
「いただきます。」
「いただきま〜す」
「はいどうぞー」
「私も食べてみよ、いただきます」
余談。三人ともカレーの食べ方が異なる。ルイボルはゴハンを先にすくってから、カレーに浸して食べる。
テイトはゴハンとカレーを半々に載せ、スプーンの上に小さなカレーライスを作り上げてから食べる。
クエラはカレーを先にすくい、ゴハンを崩しながら食べている。余談終わり。続けてみそ汁を口に運ぶ三人。ズズズ。
「う〜ん…美味しいけれど」
「合うかって言われるとそれほどでも…」
首をかしげるテイト。食べる手は止めない。
「そうね、悪くないけど…」
「別に一緒に食べなくても良いかなって感じ?お父さんは?」
クエラも首をかしげる。食べながら。
「カレーとみそ汁の食べ合わせは…あ、そう言えば思い出した。」
「父さんの仕事仲間が昔、カレーライスにみそ汁をかけて食べてたな。」
「えっ?!何それぇ〜?!」
「シャバシャバになっちゃうじゃん?!」
「…美味しいのかな?」
「美味しそうな顔は…してなかったな。」
「でもすごい速さで食べ終えてたよ。」
「ふ〜ん」
「まぁその人が良いなら良いけれど」
「人の好みはそれぞれだし〜」
「そうね…」
「私も…やってみようかな?」
「!」
「攻めますねぇ!クエラさん!」
「それなら僕も!お供しますよぉ!」
…それ以降、カレーライスとみそ汁が一緒の食卓に上がる事はなくなった。目が覚める。毎度同じく寝相が悪いアルフ。今朝もテイトのお腹の上に居る。
「むにゃむにゃ…」
「カレーは飲み物…」
「…はっ!アルフさ〜ん朝ですよ〜」
「…ん」
魔証石センターの食堂で昼ごはんにカレー。宿の夜ごはんでもカレー。朝ごはんもカレー。カレーラッシュですな。いただきます。
「へぇ〜」
「朝はみそ汁も一緒なんですねぇ!」
「あっそう言えば…」
「ふん」
アルフは用意されたみそ汁を手際良くカレーライスにかけた!テイトが驚いている間にそれをかき混ぜ、口にかき込む!
「それ…!」
「美味しいんですか…?」
「うめぇ訳ねぇだろ!」
「あっ、そうですか…」
あれ?何で今怒られた?まぁいいか。朝ごはんを食べて宿を出た。よ〜し!魔証石センターに向かって、完成した魔証石を引き取ろう!テクテク。センターに向かう途中。
「ん?」
「センターが騒がしくないですか?」
「…!」
「急ぐぞ!」
「はっ、はい!」
アルフを抱き抱えてセンターに走り出す。
センターに到着。室内に職員の悲鳴が響く。ガラガラガラ!とたくさんの魔証石が転がる音。転がった魔証石が一点に吸い込まれるように集まる。その先に人影。誰か居る!
「バククク!」
「来たか竜の子!それに完璧の魔女!」
筋肉質な男性。胸元のボタンを大きく開いた黒いスーツにサングラス。胸毛。
「プルルル!」
「遅かったですね、待ちくたびれました」
細い男性。スーツをピッシリ着て、サングラスの隙間からはみ出すくらい長いまつ毛。
「その魔証石…どうするつもりですか?」
テイトの問いかけにニヤリと笑う二人。
「どうするってお前…決まってんだろ?」
「こうするんだよ!」
バキッ!バキッ!バコッ!筋肉質な方が足元に集まった魔証石を踏みつぶし次々に砕く!
「バククク!簡単に壊せるなこの石!」
「プルルル!どんどん壊しましょう!」
「ああぁ魔証石が…」
その光景に愕然とするホロ。その場に崩れ落ちる。近くにいた職員が駆け寄る。
そんなホロさんの様子を確認したテイト。
「それ…大切なモノって知ってますか?」
「"魔証石"って言って国境を移動するのに必要なモノなんですよ?」
「あ?知らねぇよ小人族が大事そうにしてるから壊してんだろ」
「何でそんな事するんですか?」
「僕を捕まえるために来たんなら壊す必要ないと思うんですけれど?」
「ついでだよ!ついで!おれらは人が悲しむ姿を見るのが堪らなく好きでよ」
心底嬉しそうに笑う二人。その様子を静かに見つめるテイト。
「それ…一ついくらするかって知ってますか?新規で作ると四万円で…紛失とか破損して再作製になると十二万円かかるんです」
「なんだお前?」
「んな事知らねえつってんだろが!」
イライラし始めた筋肉質。見つめるテイト。
筋肉質の大声でハッと我に返ったホロ。テイトに注意をうながす。大声で。
「テイトさん逃げて!そいつらは魔人!」
「普通の人間には太刀打ちできないくらい強力な力を持ってるわ!」
「ホロさん、大丈夫ですか?」
「すみませんこの人たちがここに来たの、多分僕のせいです」
「そんな訳?え…?」
「それに大丈夫です」
「ホロさん測定してくれましたよね?」
「僕ジャンプ力だけはあるんで」
「ジャンプ力だけじゃダメじゃ…」
困惑するホロ。
「アルフさん、僕がやります」
「ホロさんと、あと倒れてる職員さん達を非難させてもらっても良いですか?」
「もしヤバくなったら助けて下さい」
「誰に指図してんだ…」
「ハァ…行くぞホロ」
「でもアルフさま?!」
小人族は小柄なので、幼女のようなアルフでも引っ張り出せる。引っ張り出されている途中のホロ。昨日と今でテイトの雰囲気が違うのに気付いた。息を吸うテイト。深く深く。
お読み頂きましてありがとうございました。
同期がカレーとみそ汁を一緒に食べます。
合うのかしら?私はやった事有りません。
「なんか面白かったよー!」
「続きが気になった!」
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