六十七話『能力と色の関係』
「魔証石の色についてでしたね」
「分かりました、説明いたしますわ」
「こちらの表をご覧下さい」
普段センターに来たお客さんに、魔証石についての説明をする時に使用しているのだろうか。ホロさんが一枚の厚紙を取り出す。
「魔証石は持ち主の能力の総合値によって、色が変化するように作られています」
「魔力を込めていない魔証石は白色の水晶で、順番に橙、黄色、黄緑、緑、青、赤、紫、黒に変化します」
なんか虹みたいだね。見してもらったアルフさんの魔証石は紫色だったな。って事は…最後から二番目!!スゴいんじゃない?!
「ホロさん、魔証石の色が紫色ってどれくらいの強さなんですか?」
「強さですか?うーん、そうですね…」
「強さと言っても、その人の経験やセンス、相性、その日のコンディションや運なども関係してくるので、魔証石の色だけで強さを比べるのは非常に難しいですね」
「実際に戦ってみない事には何ともって感じかしら」
「そう言う物なんですねぇ〜」
「でも一つ参考になる物があって、冒険者ギルドで魔証石の色と持ち主のギルドランクの分布を確認しますと、魔証石が紫色なのはほとんどがギルドマスターですね」
「!」
紫色はギルドマスターと同じレベルって事か!でも色だけじゃ強さは分からないのね。
「そもそも魔証石が紫色の方は数える程しか居ませんし」
「ちなみにまだ魔証石が黒色に変化した方は居ませんよ」
って事は実質、紫色が現在の最上位って事だな!やっぱりアルフさんスゴいって事か!
「…ちなみに一般の人が持ってる魔証石って、何色が多いんですか?」
「一般の方は橙が一番多いですね、あとは下級や中級の冒険者の方が黄色か黄緑」
「上級冒険者の方だと緑や青、赤です」
「なるほど」
器具を修理していた職員がホロに近付く。
「器具の修理が終わったみたいですね」
「お待たせしましたテイトさん、改めて能力測定を始めましょうか?」
「ホロさん!最後にもう一つだけ!」
「?」
「どうしました?」
「一つどうしても気になっちゃって…」
「これまで能力測定をした人の、種目ごとの平均数値って見れますか?」
「種目ごとの平均数値ですか?」
「どうしてそんな物を?」
「何となくなんですが、他の人はどれくらいの数値なんだろな〜って気になっちゃって」
「どれくらい頑張れば良いのかな〜って」
「うふふ、確かに気になりますよね」
「多分見れると思いますが…」
「ちょっと待ってて下さい」
ホロさんが職員さんから用紙を受け取り、持って来てくれた。
「こちらが各種目の平均値ですわ」
「獣人とエルフなどはそれぞれ筋力や魔力が他の種族に比べて高いので、この表には含まれていません」
「ありがとうございま〜す」
「ちょっと見てみます」
「どれどれ…」
ズラリと数値が並んでいる。確認する。大きく分けて体力に関する種目と、魔力に関する種目の二つがあると。筋力測定はさっきやった引っ張るやつだな。上体起こし?これは…腹筋の事かなぁ?
シャトルラン?聞いた事ないな?これは何だろう?お尻に"ラン"って付いてるから、走りそうではあるけれど。
反復横跳び、立ち幅跳び…跳ぶ系が並んでる。ふ〜ん。じゃあお次は魔力に関する種目を見る見る。
魔力放出量、魔力属性、魔素許容量。こっちは三種目だけか。ふむ…いくつか何をするのか分からない種目もあったけれど、始まってからのお楽しみという事にしておこうかな!
よし。それぞれの種目の平均数値。頭に叩き込んだぞ!いま話しかけられたら忘れちゃいそうだ…。
そうそうそれと。何も本当に"他の人の数値が気になったから"ホロさんに頼んで表を見せてもらった訳では無いよ。
島でのフォス先生との修行のおかげで、基礎体力と魔力が上がった。竜の力を少しずつ理解してコントロールが出来るようになった。他にも色々。今の僕は普通の人より格段に強くなっただろう。自他共に認める。
でも、この竜の力。あまり他人に見せびらかしたいものではない。竜の力を狙っているのは何も魔人だけではないらしいのだ。
そもそも竜人は数がとても少ない。それに加えて僕の竜の力。軍事・医療・化学と様々な分野に役立つ。どんな手を使っても手に入れたい。それぐらいの価値があると言われた。
手に入れて何をしたいかは人によって違うだろうが、クエラを助けに行きたいのに、自分が捕まっている場合ではない。面倒事は極力避けたい。
これまで訪れた国々で、アルフさんは有名人だった。そんな彼女と旅をしている僕。僕は世間から見るとただの十代の男な訳で、そんな男の魔証石が上位の色だったら"何かあるんじゃないか?"と怪しまれるだろう。
なのでこの測定では"一般の人"のように振る舞う。さっき教えてもらった魔証石の色。橙、黄色、黄緑あたりを狙いたいと思います。
あ、それとこれらはアルフさんの入れ知恵ね。考え過ぎかも知れないけれど。用心するに越した事はないよね。
「…では、筋力測定からお願いします」
「は〜い!」
筋力測定器具の前に立つ。さっきは悪かった、筋力を測るやつ。次は壊さないように気を付けるよ。ハンドルを握る。
お読み頂きましてありがとうございました。
シャトルラン!懐かしいのぉ〜ふぉふぉ。
「なんか面白かったよー!」
「続きが気になった!」
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