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五十九話『魔力切れ』

殴る殴る殴る殴る。


何度も拳を叩き込んで来たテイト。しかし、ここまでのパンチはことごとくグリにガードされ、大きなダメージは与えられていない。


構わず殴り続けるテイト。パンチの途中で、キックを織り交ぜてみたりもしているが、致命傷は与えられていないように見える。


それでも殴り続けていると、今まで腕や手の平で受け流されたり、はばまれていたパンチが一発、顔に当たった。その後も少しづつ攻撃が当たる回数が増えてくる。


ここぞとばかりに攻撃を続ける。すると、テイトの攻撃に耐えられず、グリの身体が大きくのけぞる。ついにすきが生まれた。このチャンス…ここでデカい一撃を叩き込む。大きく振りかぶるテイト。が、身体に異変。


「…!」

突然、立ちくらみ。続いて腕が重くなる。その後全身も同じように重くなる。なんとか立っている状態。トル爺に一番最初に【弱体呪文デバフ】をかけてもらった時みたいな。なんだ?グリに何かされたのか?


テイトは初めての経験なので知らなかった。本当は今日、ランニング後の座学で教わるはずだった内容。身体の中に蓄えられた魔力を使い過ぎると、"魔力切れ"が起こる。魔力切れになると、貧血に似た症状や、身体のダルさなどが現れる。


フォスが言っていた"空気中の魔素を運動のためのエネルギーに変換する"は一応出来ている。しかし、竜化状態の維持は想定していた以上にエネルギーを消費するようだった。


竜化の維持に足りない分のエネルギー。その代わりとして、身体の中の魔力を消費していた。ここまでの戦闘で身体の中の魔力が空になってしまったテイト。魔力切れが起きた。最悪のタイミング。呼吸が乱れる。


そんな様子のテイトを、グリが放って置く訳もなく。口元に付いた血をぬぐう。まるでこうなる事が分かっていたかのような様子。髪をき上げながら口を開く。


「はい、ご苦労様でした」

「中々良いパンチでしたが、まだまだ魔核ここまでは届きませんね」

「じゃあ、次はボクの番って事で」

大きく振りかぶるグリ…。


「ぐあっ!」

殴られる。腕でガードするも、グリの拳は容易にテイトに届いた。吹き飛ばされるテイトの身体。…何とか意識は保っているが、重い一撃。まだ頭がクラクラする。


グリがゆっくりと近づいて来て、ゆっくりと振りかぶる。また吹き飛ばされるテイトの身体。…グリのパンチ。何発も受けられるものではない。どうする?解決策は見つからない。


三発目のパンチ。吹き飛ばされ、森の入り口まで来た。たった三発で身体中ボロボロ。右目の上にたんこぶが出来て、左目しか見えない。あばら骨も折れてる気がする。呼吸する度に痛い。腕も足も痛い。ピンチ過ぎる。


ふと、ある事を思い出す。動かない身体にムチを打ち、這いつくばって進む。

「はぁはぁはぁ…」


「おや?どうしましたか?」

「まさか、逃げるつもりですか?」

地面を這いずり進むテイトを見下しながら一人思うグリ。…この程度か。◯◯さまが探している竜の子は、彼では無かったようだ。


本物の竜の子はパワーも、スピードもこんな程度では無いと聞く。一般の魔人ならば一撃で魔核コアを破壊し、戦闘不能に出来るだろう。


竜の子なら、幹部相手でもここまでボロボロにはならないだろう。オクトさんがやられたと聞いたが、油断していたのか?あの魔人ひと、もう歳だしな…。さて、青年はどこに向かっているのか?おや?森を抜けた先に泉があった。呆れた様子のグリ。


「こんな時に水分補給ですか?」

「はぁ…お手伝いしますよ」

テイトのわき腹を蹴り飛ばす。勢い良く泉に落ちるテイト。がっかりだな。こんな事なら、そのまま冬眠してれば良かった。あくび。


◯◯さまも"見込みがなさそうなら、殺してしまって良い"と言っていたらしいし。サクッと殺して、パパッと帰ろう。…忘れていた。ライネは大丈夫か?この時間まで帰って来ない所を見ると、上手くやれているだろうか?


泉に目を向ける。水面が揺れている。まだ生きているか。ん?水が減っている気がする。グリの疑念は確信に変わる。

「…へぇ!面白いね!」


この島の地下にある"魔素溜まり"がある。この泉の水は地下からの湧き水。魔素が含まれている。ごくごく。水を飲み続けるテイト。


泉の水をほぼ飲み干し、立ち上がる。身体に付着していた水はテイトの高温の体温で蒸発。身体から湯気が立ち上る。ボロボロだった身体はすっかり元通りに回復。辺りに響くテイトの笑い声。


「hahahahaha!!!!」


笑ってる。…雰囲気が変わったな。身体の傷も元通りになっているように見える。これは…期待出来るかも。ニヤリと笑うグリ。


手をグーパーグーパー。腕を回す。ふぅ。"エネルギー切れ"だと思って、魔素水をがぶ飲みしてみたけれど。…合ってたみたいだ。体の自由が利くようになった。意識も残ってる。


「はぁ…」

「"第二ラウンド"つってたか?」

「次はこっちの番だな」

「かかってこいよクマ野郎!皮をいで絨毯じゅうたんにしてやる!」


あれ?言動が攻撃的になってる。自分で自分の変化に驚くテイト。第二ラウンド開始。

お読み頂きましてありがとうございました。


第二ラウンド開始!


「なんか面白かったよー!」

「続きが気になった!」

と思って頂いた親愛なる読者様へ…


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