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五十五話『良い調子』

集中力の修行。人間どんなに大好きなものでも、ずっと見ていると慣れるようで。現在、今日も現れたネルネさんに耳元でささやかれていますが、冷静を保てています。


背中に胸が押し当てられた。柔らかい感触。本当は叫んで走り出したいところだが我慢。平常心平常心。じっと炎を見つめこらえる。


「…」

不満そうな表情をしたネルネさん。木の裏に消えて行った。ごめんねぇ。悲しいけれどこれ修行なのよ。炎を見つめる。


しばらくして後ろから声。フォスさん。

「おやアルフさん、どうしました?」


「あぁちょっとな」

「おい」


「…」

呼ばれた声。アルフさん?いや、本当にアルフさんかな?フォスさんが作り出した幻の可能性も有る。ここは…。炎を見つめるテイト。


「おい、聞こえてねぇのか?」


「…」

我慢我慢。


「へぇ、無視とはいい度胸じゃねぇか」

「どうやら千切られてぇみてぇだな?」


「…」

あれ?本当に幻か?本物のアルフさん来てない?ザッザッザッと背後に近付く音。


「まだ無視すんのか?」

「…へぇ、良い度胸じゃねえか」

「分かった、覚悟はいいな?」

大丈夫だよね?幻だよね?本当に千切られないよね?テイトに緊張が走る。目を閉じる。


両方の耳たぶに触れられた感触。

「よーし、行くぞ!」


あ。千切られる。覚悟したテイト。その時。

「はいここまで」

「終了です、お疲れ様でした」


目を開けると燃え尽きたロウソク。終了を告げるフォスさんの声。…うわぁ〜!良かった〜!幻だった〜!一瞬本当に千切られるんじゃないかと…焦った〜!胸を撫で下ろす。


「集中力はだいぶ向上したようですね」

「今日でこの修行は終了しましょう」


集中力の修行。今日でおしまいか…。ネルネさん、もっと見ておけば良かったかな…いや!大丈夫!いつかどこかで本物のネルネさんに会おう!で、握手もしてもらおう!


森を抜け、住宅街で本物のアルフさんと合流…本物だよね?ジロジロ見てたら"おい、何見てんだ?"と言われた。どうやら本物っぽい。気を取り直しまして。実戦の修行。


「ルールは昨日と同じ、何をしても良いから鎧の兜に触れたらオメェの勝ちだ」

「よし…始めろ」


鎧さんとの戦闘訓練。開始。開始の合図とともに駆け出すテイト!昨日よりも格段にスピードが上がっている!先手必勝!よしっ!触れるっ!手の平が兜に届く…かと思われたが。


「…」

鎧さんが昨日は一度も使用しなかった盾で、テイトの手の平を防いだ。そのまま弾き飛ばされる。転がるテイト。直ぐに立ち上がり、鎧さんを見据みすえる。


惜しい!もうちょっとだった!盾を使うとは!いや、使うよね普通。よし次は…。


ん?鎧さんの雰囲気が変わった?今までよりも威圧感プレッシャーが上がった?…どうやら本気にさせちゃったみたいですな。


「よぉ〜し…」

威圧感を感じているはずだが、その表情はどこか楽しそうなテイト。身体も温まってきた。いつでも走り出せるようにその場で軽くジャンプ。鎧さんもハンマーを回し出した。


再び駆け出す!フェイント!背後に回り込む!テイト目掛けてなぎ払われるハンマー!


「…!」

ハンマーはなぎ払われた。しかし、テイトの身体は吹き飛ばされていない。テイトは迫り来るハンマーを片手で掴んでみせた!


「ぐっ!痛ぁ!」

「でも…つかまえたっ!」

テイトのもう片方の手の平が、兜に触れた!その様子を見ていたアルフ。まさか二回目で兜に触れられるとはな…やるじゃねえか。


「よし終了だ、良くやった」

「次は…」

はい、続きまして"魔素の許容量が上がったかどうか"の確認を行います。方法を紹介しますので、みなさんもぜひお家でやってみてね。


確認には"魔素を許容量より多く吸収すると、体調に悪い変化が現れる特性"を利用する。


方法は簡単で、まずアルフさんが【完璧かんぺき】を発動し、内部の空気の魔素を多めに調節する。


魔素で満たされた【完璧かんぺき】の内部に入り、体調に異変が出るまでの時間を計測する事で魔素の許容量が確認出来る。


一日目の修行時にも同じ確認を行った。そのは一分も経たずに頭痛がしてきて、ギブアップした。その時聞いた話だと、魔法使いのトル爺も同じ確認方法で三十分以上は余裕。獣人のミルフも獣化する事で、入ってくる魔素を消費し、十五分以上は居られるんだって。


大丈夫。今日まで毎日ミルフの特製プロテインも飲んでる。温泉にも毎日浸かった。ご飯の時は欠かさず魔素水をゴクゴク。身体も魔素にだいぶ慣れたはずだ。きっと大丈夫。でも…ちょっと緊張してきたかも。


「よし出来たぞ、入れ」


「はぁい…」


「テイト!ファイトっすよ!」


「…よし、頑張るよ!」

完璧かんぺき】の壁を抜け、魔素が充満した内部に侵入した。


内部は甘い匂いで満たされている。魔素は濃度が上がると、バニラのような甘い匂いがしてくるらしい。良い匂いだからと言って吸い過ぎると良くないけれど。内部では正しい経過の確認のため、普段通りの呼吸をするようフォスさんに言われている。


中央で体操座り。天井部分を見つめる。ヒマだな…今日の夜ごはん何かな…。

「はい、三十分経過しました」

「まだ大丈夫そうですがもう良いでしょう」

「魔素の許容量も格段に向上しています」


「やったぁ!」


「予定していた日数よりもだいぶ早いです」

「これなら…大丈夫そうですね」

「明日から"竜化の修行"に入りましょう」


「やったっすね!テイト!」


「うん!応援ありがとねぇ!」

明日から!竜化の修行が始まる!良い調子!強くなって…クエラを助けに行ける!頑張るぞ!その後、崖を登ってみたり、ミルフと戦闘してみたりして、三日目の修行が終わった。


修行四日目。身体は元気!起きて朝ごはん!着替えて出発!今日も最初はフォスさんとランニング!昨日よりも順調に走れている!島の半周くらいに差し掛かった頃。


ピシャーン!ゴロゴロゴロ!

島の外で雷が落ちた。

お読み頂きましてありがとうございました。


誰かが島に侵入しようとしてるみたいです


「なんか面白かったよー!」

「続きが気になった!」

と思って頂いた親愛なる読者様へ…


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