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五十三話『実践的な』

待っていたのはアルフさんとトル爺。それにあれはもしかして…?アルフの横に見覚えのあるよろいが一式。


「…来たな」

「フォスとも話したんだが、オメェは回復力が一般の竜人よりも高いみてぇだからよ」

「少々の無理なら大丈夫だろう…多分」

「って事で今日から、より実践的なトレーニングに入る」


アルフさん今、小さい声で"多分"って言った?

「えっ、まさか…」


「まぁそのまさかだろうな、おい」

アルフさんの呼び声に応えるように、今まで微動だにしなかった鎧の人間なら目がある部分に紫色の光が宿る。


連動して全身の関節部分の隙間にも紫色の光がのぞき、ゆっくりと立ち上がる。やっぱり鎧さんだった!片手にハンマー片手に盾。


コイツと戦ってもらう」

立ち上がった鎧さんはブンブンとハンマーを回している。こんなにデカかったっけ?


「あれ?もしかしてですけれど」

「僕の人生って今日で最後ですかぁ?」


「フォフォフォ、大丈夫じゃよ」

「もしケガしてもワシが【治癒ヒイル】を掛けるからの」


「…バカな事言ってねぇで準備しろ」

どうやらハンマーの頭は分厚いクッションでカバーしてくれているらしい。叩かれたら痛いのには変わり無いと思うけれど…。死にはしないっぽい。良かったね。


鎧さんとの戦闘。動き易いようにミルフがフード付きのジャージを用意してくれていた。着替えてみるとピッタリ!よし、準備完了。


「ルールは簡単」

「何をしても良いからコイツのかぶとに指一本でも触れられたらオメェの勝ちだ」


「ふむ、分かりましたぁ」


「…」

以前ブンブンとハンマーを回している鎧さん。ケガは…するだろうな。ははっ…修行っぽくなってきましたな。…うん頑張るぞっ!


「それじゃあ…スタートだ」

鎧さんはその場で待ち構えている。しまった。戦闘って言ってもどうすれば良いんだろう?忘れていたけれど今まで戦った事無いじゃん。…分からないけれど、とりあえずぶつかってみるぞ!


「うおぉりゃあぁぁ!」


「…」

腕をブンブンと回しながら鎧さんの兜めがけて飛びかかる!が、案の定テイトの脇腹にハンマー。弧を描き、吹き飛ばされる身体。


「ぐぇっ?!」

ゴロゴロと転がるテイト。砂まみれ。無言で立ち上がる。顔を上げる。涙目。


「痛ったあぁぁい!」

カバーがあってこの威力?!カバー無かったら今ごろ僕は上下真っ二つになっていたのでは?いや…ゾッとするわ!それとハンマーを振るスピードが速すぎる!当たる瞬間見えなかった!こんなの避けられる気がしないよ!


…これは正面からじゃ何度やっても多分ダメだな。背後を取れるか?よし!やってみるぞ!走り出したテイト。


「うぉりゃぁ!」

先ほどと同じように正面に走り出したテイト。直前でフェイント!素早く背後に回り込む!よし思った通り!大きな身体の鎧さん。後ろを振り向くのに時間が掛かっているみたいだ!チャンス!兜めがけて飛びかかる!


「…」

目が合った?あ、そうか。振り向くのに時間が掛かっているんじゃなくて、振り向かなくても大丈夫だから振り向かなかっただけか。脇腹にハンマー。吹き飛ばされる身体。


「ぐわっ?!」

転がる。砂まみれ。立ち上がる。涙目。


「ちゃんと痛い…」

正面からはもちろん、背後からもダメ…。一つ思いついちゃった。少々ズルいけれど。でも最初アルフさん"何をしても良い"って言ってたよなぁ?フフフ…!悪いたくらみ顔。


鎧さんに向けて勢い良く走り出す!

「うぉりゃ〜!」

「…おりゃ!」


あらかじめ集めておいて、手の中に隠していた砂。鎧さんの目めがけてぶつける!めくらまし!ごめんね!これならどうだ!

「…」


「あっ、ぜんぜん効いてなっ…」

「ぐふっ?!」

吹き飛ばされて砂まみれ。ダメだぁ!ノーダメージだ!今のハンマーさっきまでより痛かったような…鎧さんちょっと怒りました?


ぶつけた砂は、吸い込まれるように消えて無くなってしまった。まったく勝てる気がしない…。鎧さんはハンマーをブンブンと回している。でも…あきらめないぞ!何度もぶつかって行くテイト。その様子を遠くで見ている二人。


「テイト、あれだけ何度も吹き飛ばされておるのに、なおも鎧に挑んで行くとは」

「"鎧さんが休んでいないから、自分も【治癒ヒイル】の魔法は要らない!"とも言っておった」

「一見気弱そうに見えるが…なかなかガッツがあるようじゃ」


「…あぁ」


いつの間にやら集合していたミルフ、フォスさんにも応援されながら、鎧さんとの戦闘修行は続く。何度も投げ飛ばされて真っ黒になったジャージ。辺りが暗くなってきた。


「よーし、今日の修行はここまでだ」


「はぁはぁ、は〜い…」

「鎧さん…ありがとうございましたぁ…」


「…」

鎧さんはアルフさんの異空間へ戻って行った。鎧さん、今回も最後まで無言だったな。疲れないのかしら?僕はヘトヘトだけれど。


治癒ヒイル】の魔法を掛けてもらった。鎧さんは手加減してくれてたと思う。でもあれだけ叩かれて吹き飛ばされたせいなのか、全身にまだ痛みが残っている。いてて…うぅ、これも修行…仕方ないかぁ。


「本日の修行はこれで終了です」

「温泉に浸かって、疲れを癒しましょう」


「はぁ〜い」

…うわっ!アザになってんじゃん!痛っ!温泉の湯が傷にしみるぜ!ゆっくり湯船の中へ。一人考えるテイト。まだまだだな…。


ジョギングと筋トレは開始後直ぐに疲れるし、集中力も足りない。鎧さんとの戦闘も、まったく歯が立たなかった。もっと強くならなくちゃ。これに気付いたミルフ。


「強くなるには、食べる事も大事っすよ!」

「でも無理な食べ過ぎは良くないんで、バランス良く色々な食材を食べる事っすね!」

「よしっ!今夜は鍋にしましょうか!」


辛い鍋!みんなでハフハフ言いながら食べる!鍋は冬に食べる物だと思っていたけれど、いつ食べても美味しいんだなぁ!ハフハフ。明日も頑張るぞ!ハフハフ。

お読み頂きましてありがとうございました。


ハフハフ。


「なんか面白かったよー!」

「続きが気になった!」

と思って頂いた親愛なる読者様へ…


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