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五十一話『改良』

「はぁ…はぁ…つかれたぁ…」

今日もフォスさんと並走。座学の授業をしてもらいつつのジョギング完了…。


太ももとふくらはぎがパンパン!それと今日の座学は"必殺技について"だった!男心をくすぐる熱い内容!詳しい内容はここでは話さないけれど夢が広がった!


昨日の流れで行くと、次は筋トレだよね。よぉ〜し!張り切りますよぉ〜ってあれ?なぜかドヤ顔のアルフさんと一緒に居るのは…。

「トル爺?何で居るの?」


「おぉ来たのぉ、今日はおぬしに呪文をかけるようにアルフから頼まれたんじゃ」


「ふぅ〜ん、そっかぁ」

「それじゃあよろしくお願いしまぁ〜す」


「ほれ【弱体呪文デバフ】」


「!」

身体が重くなった?!まるで両腕と両足に大きな鉄球の付いた鎖を繋がれたような。繋がれた事ないけれど…そんなイメージ。重い!


「どうだ?苦しいか?あぁ?」

この声は…アルフさん笑ってない?


「本当は筋トレを毎日するのは良くねぇ」

「最低でも一日は空けたほうがいいんだが、オメェは大丈夫そうだから今日も筋トレからだ」

僕は大丈夫そう?なんで?


「ほら休むんじゃねぇ、筋トレ始めろ」


「はっ、はぁぃ!」

アルフさん何で嬉しそうなの?でもこの状態だと、普通に筋トレするだけでも昨日よりも効果があるのか?多分そうだ!やってみる。ポジティブなテイト。筋トレをスタート。


「うわぁ重い〜!」

まずは腕立て。地面に両腕を突いて…腕立ての準備姿勢を取るだけでも一苦労。これだけでも汗が…。これは効果に期待!


「いぃ〜ちぃ!にいぃぃ〜い!さあぁ〜…」


…昨日よりも時間は掛かったが、何とか昨日と同じ回数の腕立て伏せが出来た。同じ回数なのに昨日よりも確実に疲れた。うわ!流した汗で地面にシルエットが出来てる。魚拓みたいじゃん…。腹筋、スクワットと続ける。


「…ぐわぁ〜終わったぁ!」

何とか終わったぞ!これ全部僕から出た汗?水溜まりになっちゃってる…。腕も足も上がらない。唯一動かせる首を回し、アルフさんの方を確認。


「!」


「おい休むな、次のセット始めろ」

ひいぃぃ〜!鬼教官再び!目が本気!


「もう死んじゃう…」

いや、もう死んでるのかも知れない。身体の感覚がないのだけれど。あれ?取れてない?腕と足付いてる?分かんないや…。合計で四セット。ぶっ続けで筋トレをやった。


「よし【弱体呪文デバフ】を解除だ」


「了解じゃ、ほれ」


「!」

身体が軽くなった!良かった、まだ腕と足付いてたっぽい!立てるかな?あ…ダメかも。唯一動かせる首を回し、アルフさんに確認。


「アルフさん…立てないかも」


コイツ…真っ直ぐになってイモムシみてぇだな。決して表情には出さないが笑いをこらえているアルフ。表情が険しくなる。


アルフさん、めっちゃ睨んでくるじゃん…。僕なんかしちゃいました?怖ぁ。モゾモゾ。そんなアルフがトルトスに指示。

「カメ、回復してやれ」


「分かった【治癒ヒイル】」

テイトの身体が温かい光に包まれる。…光が止んだ。ふと気付き立ち上がるテイト。


「おぉ!動ける!立ち上がれる!」


「よし、だったら筋トレの続きだな」


「え、本当に…?」


「いや、冗談だ次に移動だ」

いや、あの目は本気だった…。僕じゃないと冗談だったと思っちゃうね。あれ?って言うかこの【治癒ヒイル】の魔法、昨日も掛けてくれたら良かったんじゃ?まぁいいか。


そこに急ぎ足でミルフが来た。

「テイトー!出来たっすよー!」


「ん?うわっ、それはまさか…」

ミルフが持っていたのはプロテインの容器。昨日のくっさい匂いを思い出した。


「そんな顔しないで大丈夫っすよ!」

「こっちは改良版で昨日のやつより美味しいはずっすから!飲んでみて下さい!」


「本当に…?ゴクリ…」

「…うん、飲んでみるよぅ」

おそるおそる容器を開ける。あれ?くさくない?いや、もしやこの匂いは!


「ミルフ!いちごの匂いがするよ!」


「ふふ、飲んでみてくださいっす」

言われた通り飲んでみる。ゴクゴク…ん?!


「美味しい!美味しいよぉ!」

「いちごミルクみたいな味になってる!」

「これなら何杯でも飲めちゃいそうだよ!」


「ふぅ、良かったっす!」

「効果も昨日のプロテインと変わらないんで、今後はこっちでいく事にするっす」

「あ、プロテインは沢山飲み過ぎると身体に悪いんで注意っすよ」


「分かった!ゴクゴク…」

昨日のくっさいプロテインがこんな短時間で美味しいプロテインへ改良されている…開発者ミルフの食に対するプライドを感じた!企業努力だな!あっぱれ!


「ごちそうさま!美味しかった!」


「どうもっす」

「じゃあこの後も"修行"頑張るっすよ!」


「そっちもねぇ〜!」

ミルフと別れ、集中力の修行へ向かう。森の開けた場所。中央に敷かれた座布団にあぐらをかいて待つ。しばらくしてフォスさんが到着。


「お待たせしました」

「それでは今日も始めましょうか」


「はいっ!お願いしまぁす!」

ロウソクに火をつけ、ファスさんがどこかへ。木の葉が擦れる音しか聞こえない。ロウソクが残り半分くらいに差し掛かった頃、前方にある木の裏から人が飛び出して来た。


えっ…?!あれってもしかして?!そこに居たのは"あの日"ロブノーの町で会う事の叶わなかった人物。世の男性たちを魅了してやまない大人気女優の"ルネル・ネルネさん"その人だった!開いた口が塞がらないテイト。ひねり出した一声。


「ネッ…ネルネさん…?」


「はい、ダメです」

スパァン!


「痛ったあ?!」

あれ?そこに居たはずのネルネさんはどこへ?幻覚?それでも嬉しいもんだ。ニヤニヤ。

お読み頂きましてありがとうございました。


【治癒】の魔法、日常生活でも欲しいんですけど…


「なんか面白かったよー!」

「続きが気になった!」

と思って頂いた親愛なる読者様へ…


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