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四十四話『思い出した』

「初めはケガをしないようにストレッチをしましょう」


「ふぅ〜ん、このへんはスポーツする前と同じなんですねぇ」


三人でフォスさん考案のストレッチをフォスさんの指導の下で行った。普段使ってない部分が伸びる!くわぁ!こりゃ効くわい!


「はい、では修行に入りましょう」

「ミルフ君はそうですね、まずはランニングにしましょうか」

「この島を崖壁に沿って一周して来てください」


「了解っす!」

「行ってきまーす!」

ザッザッザッザッ…。


「いってらっしゃ〜い!」

速っ!もうあんなに遠く遠く離れている!


「次にテイト君」

「ではまず竜に成ってみて下さい」


「あの僕…アルフさんから"僕が竜に成った"とは聞いたんですけれど」

「僕その間の記憶がなくてぇ…」

「竜への成り方、分からないんです」


「そうですか」

「ではテイト君の身体に聞いてみましょう」

フォスがスタスタとテイトに近付く。


「目を閉じて下さい」

あれ?もしかしてこれキスされるの?違うか。指示に従い目を閉じる。フォスが手を広げ、中指でテイトの額を"トン"と叩いた。


「ん?」

「えっえっ?!」

「うわああぁぁ?!」

これはなんだ?!僕の記憶?場面が次から次に切り替わる!忘れていたこれまでの記憶がよみがえってきているのか?!


「!」

「おいフォス!何をしたんだ?!」

動揺するアルフ。フォスが言う。


「テイト君はこれまで何度も竜に成ったそうですが、その時の事を忘れているようです」

「ですが彼の目・彼の耳・彼の肌はその時も"見て・聞いて・感じていた"はずです」

「あ、匂いもそうですね」


「…それで?」


「今、テイト君の身体に残る感覚からその時の記憶を思い出してもらっています」


…思い出した。海水の冷たさ。怒りの表情。噛みつかれた腕。繰り出した蹴り。サメの魔人ウェークの身体が砕ける音。


…思い出した。毒針。サソリの魔人スコピオの硬い尻尾を掴んだ感触。恐怖の表情。自身の拳が彼女の硬いハサミを。頭部を砕く感覚。


…思い出した。無数の矢。カラスの魔人クロウの片翼を引きちぎる感覚。悲鳴。地面に急降下する彼の身体を貫いた拳の感触。


…思い出した。自身の身体が燃える匂い。逃げようと暴れるヒヒの魔人ヒヒヒ。掴んだ彼の腕から伝わる、死を悟り諦めて脱力する感覚。拳から伝わる顔面を押し潰す感覚。


…思い出した。墨で一瞬失う視界。タコの魔人オクトの弾力のある触手を掴む感覚。うめき声。触手を次々に千切る感覚。


…全部思い出した。僕がやったんだ。魔人と戦っていたのは全部全部僕だった。いつも笑っていた。魔人と戦うのを、魔人の生命を奪うのを楽しんでいた。


「うわああぁぁ…」

「あ…」


「おい!」

意識を失い地面に倒れるテイト。駆け寄ろうとするアルフをフォスが止める。


「アルフさん、待って下さい」

「近付くと危険です」


「?」

「これはっ?!」

あの時と同じだ。気を失ったルイボルのガキの周りに魔素が集まってきやがった!このままだとコイツ、竜に成るんじゃねぇか?!


テイトの周りに集まる魔素が、段々と濃く・黒くなってきている。意識の無いはずのテイトが立ち上がる。笑っている。威圧感プレッシャー


テイトの様子をじっと見つめていたフォス。突然アルフに指示する。


「なるほど、分かりました」

「アルフさん」

「テイト君の身体を【完璧かんぺき】で囲んで魔素を遮断して下さい」


「!」

「あぁ、分かった」

「【完璧】!魔素を遮断!」


球体状の光の壁がテイトの身体を包む。壁の中で暴れていたテイト。しばらくするとガクンと倒れ込み、再び気を失った。

「これは…?」


「はい、もう大丈夫です」

「【完璧】を解除してもらって構いません」


「フォス、オメェなぁ…」

「こう言うのは先に言っとけ!」

「微笑むな!」

【完璧】解除。テイトの寝息が確認出来た。


ザッザッザッザッ!異変に気付いたミルフが引き返して来た。息を切らし大声で。

「はぁはぁ…!」

「姐さん!大丈夫っすか?!」

「って、テイト?!どうしたんすか?!」

「あれ?寝てるだけっすか?」


「ミルフ君?どうしたんですか?」


「姐さん達の方から凄い威圧感を感じたんすよ、それでてっきり魔人が来たのかと…」

「ってか、テイトは何で寝てるんすか?」


「そんな事はいい」

「オオカミ、オメェはランニングの続きだ」

「走ってこい」


「何があったのか説明して下さいよーまぁ無事なら良かったっすけど」

ザッザッザッザッ…。ミルフがランニングに戻る。段々と小さくなるミルフの背中。


「それで?何が分かったんだ?」

「説明してみろ」


「えぇ、もちろん良いですよ」

「テイト君は…」


魔界。誰かと誰かの会話。

「へぇ!海に沈んでも死ななかったんだ〜」

「良いじゃん!どんどん強くなってるね〜」

「その…ゴメン誰だったっけ?」


「サメの魔人、ウェークです」


「そうそう!ウェーク君ね!」

「頑張ってくれたけどね〜うん残念!」

「次は?もう決まってるの?」


「いえ、まだ決まっていません」


「ねぇ!じゃあさ!」

「"グリ"に見てきて貰おうよ!」

「連絡しておいて!」


「分かりました、連絡しておきます」


「えへへ!楽しみだな〜早く会いたいな〜」

誰かと誰かの会話終わり。島に戻る。

お読み頂きましてありがとうございました。


ラジオ体操とか久々にやると効きますよね


「なんか面白かったよー!」

「続きが気になった!」

と思って頂いた親愛なる読者様へ…


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